【NPO書評】クリスマス・キャロル Audible Logo Audible版 – 完全版
寄付を扱った物語として、有名な物語です。
(と思っているのは、山田だけかもしれませんが・・・)
オーディオブックのAudibleで、ディケンズの「クリスマス・キャロル」を見つけたので、読んでみました。
「クリスマス・キャロル」については、これまでに、児童書、大人向けの文庫本、ディズニーのアニメ映画、クリスマスの時期に行われている大人も子どもも楽しめる演劇と、いろんなものを読んだり、見たりしてきました。
今回のオーディオブックは「完全版」とあるので、原書に近いものだと思います。
今まで読んだもの以上に、濃密な物語でした。
クリスマス・キャロル Audible Logo Audible版 – 完全版
チャールズ・ディケンズ (著)
はぶ出版 (出版社)
「クリスマス・キャロル」は、英国の文豪チャールズ・ディケンズが、1843年12月19日に出版した中編小説です。
クリスマスの時期、主人公の守銭奴のスクルージが恵まれない人々への寄付を募りにきた紳士たちに悪態をつくという話です。スクルージの台詞が今の日本のようです。「恵まれない人は政府が救済すればいい。民間の寄付は必要ない」というようなことを言って、寄付を断っています。
クリスマスの晩、そんなスクルージのもとに元のビジネスパートナーだったマーレイの亡霊と、3人の精霊が訪れて、スクルージを改心させるというものです。
最終的には、心を入れ替えたスクルージが人にやさしくなり、寄付をするという物語です。
今回の完全版を読んで、広範囲な読者を獲得し、ディケンズを世界的に有名な作家とした記念碑的な小説であるということがよくわかりました。児童用の物語だと思っていましたが、非常に奥の深い小説でした。全然、子ども向けではありませんでした。
19世紀半ばに、すでに英国の孤独・孤立を予感させるようなテーマでした。小説が出版された時代、社会との関係性を大事にすることが大切というメッセージが含まれているものでした。
家族や親せき、あるいは職場の同僚とのよき関係を、あるいは世の中の人への思いやりも持つことなど、普遍的な大切なことを学べる内容です。そういった話が、寄付をきっかけに展開されるようなお話しです。
この時代にチャリティ感覚を垣間見ることができるのも、寄付マニアとして嬉しいです。
気になった方はぜひどうぞ!
但し、オーディオブックのAudible限定です。