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詩) 夏の日 yasuhirom

彼の時 君を伴ひて
伽藍の石段 腰下ろし
つれづればかりなる話のみ
空と緑に 溶けにけり

両端 二人 膝抱え
鎮守の蝉の響きのうちに
想ひ重ねしことこそは
確かにありしかとなむ思ふ

然るに純情 聖男女 
つつましき徳に囚はれて
高鳴る胸の音 感ずるほどに
虚しく時は 過ぎにけり

如何なる別れをしけるにや
思ひ出づるに 術もなけれど
痛みとともに蘇る
君の面影 今に写せり

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