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無意識バイアスを逆手にとれば市場が拡大する!-行動経済学の理解と実践48
山ガールという言葉が流行語になったのが今から2009年ごろだそうです。それまでは、男性目線で作られていた登山用のグッズが華やかなデザインになって市場が拡大したとされています。
登山以外にもアウトドアやマラソン、男性が多かったスポーツ観戦(カープ女子やセレ女…)、歴史好きの歴女など、女性に目を向けることで市場性、トレンドになったものが多くあります。
なぜ、このような市場トレンドが起きるのか?そのヒントとなるのが無意識バイアスの排除にあります。
無意識バイアスとは?
自分自身では気づいていない無意識のうちに抱いている偏見や思い込みのことを無意識バイアスといいます。
先日、実写版「リトル・マーメイド」を観たことを書きました。
この記事でも、アリエル役のハリー・ベイリーが「黒人でドレッドヘア」であことからSNS上で議論を生んだことを書きました。
これは、アリエルは「白人で赤髪」という無意識バイアスを持つ人が少なからずいたからです。
これは、差別的な意識からではなくディズニーのアニメを観てきた人が無意識に抱いたいたものです。有色人種の人でも「アリエルのイメージと違う!」って思ったかもしれません。
たとえば、歴史好きの歴女については、歴史が好きな女子は以前からいたと思いますが、おそらくそういった女子のイメージは、おとなしい(根暗な)子っていう無意識バイアスが働いていました。だから、アイドルが歴史好きを公言することで「え、こんな子が!」みたいな思い注目が集まったと言えるでしょう。
マーケ活用法:ペルソナの逆張り
マーケティング戦略を構築する際には典型的な顧客像(ペルソナ)を描きます。ペルソナを描くことは顧客理解を深める上で非常に有用ですが、もしかするとここに無意識バイアスがかかっている可能性があるかもしれません。
典型的な顧客像を描いてより大きなターゲットにふさわしい商品・サービスの提供を心がけようとするあまり、もう一つの潜在的に大きな市場を見逃している可能性があるかもしれません。
前述の例では女性への拡大の例でしたが性別だけではありません。年齢やその他デモグラフィックセグメントをすべて疑ってみることで新たなビジネス機会があるかもしれませんね。
例えば、ゲートボール。高齢者向けの健康スポーツと思われていますが、これを若者向けにするにはどうすれば良いでしょうか?ボーリング場みたいなところでライトや音楽なんかも若者向けにすればもしかすると新たな市場が開拓できるかもしれませんよ(知らんけど)。
まとめ
知らず知らずのうちに持ってしまう偏見や思い込みである無意識バイアスについてでした。最近はペルソナをあえてカチコチに作り込まず幅を持たせることで商品開発の偏りが起きないようにしているという話もよく聞きます。自分自身で思考の枠を広げることに努めてみましょう。