ゼンショーのグローバル戦略と成長への道
先週末も家族で「はま寿司」に行きました。夕食時で混雑しているだろうと予想し、2日ほど前にお店のアプリで予約しておきました。お店の入り口にはやはり多くの人が待っており、予約した時刻に行っても10分ほど待ってようやく入店できました。人気の理由は、「回転ずしなのに回らない」新鮮で美味しいお寿司が提供されることだと思います。私は、まぐろなどの一般的な寿司ネタも好きですが、牛カルビやラーメンなども頼んでしまいます。こういったネタが美味しいのは、この会社のグループ購買力の賜物かもしれません。
そんな「はま寿司」をグループ傘下に持つゼンショーホールディングスの拡大戦略についての記事が日経に掲載されていました(7月29日付)。
ゼンショーホールディングスの多角的展開
ゼンショーは、祖業の「すき家」をはじめ、「なか卯」、「ロッテリア」、「ココス」、そして「はま寿司」と多角的な外食チェーンを展開しています。さらに、コンビニや介護事業も手掛け、最近では欧米の持ち帰り寿司チェーンの買収を繰り返し、グローバル外食チェーンの世界シェア6位、時価総額で1兆円を超すグローバル企業へと成長しています。
ゼンショーの強み「MMDモデル」
ゼンショーの事業拡大を支えるモデルが「MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)」です。これは幅広い事業の垣根を越えて、調達から製造・物流までを傘下の専門会社が行うというものです。例えば、はま寿司の牛カルビが美味しいのは、「すき家」の購買力を活用できているからと言えるでしょう。
グローバルな展開とブランド刷新
ゼンショーは日本食ブームの追い風に乗って、海外での大型M&Aを行い拡大を進めています。例えば、買収したアドバンスド・フレッシュ・コンセプツ(AFC)と共に、米国のスーパーの一角などに持ち帰り寿司店として新ブランド「ZENSHI(ゼンシ)」を展開しています。2025年3月期には、米国や英国を中心に前期から5割増の1321店の新規出店が見込まれています。
フランチャイズビジネスの拡大
ゼンショーはフランチャイズチェーン(FC)を通じて、持ち帰り寿司を中心に世界中で出店を進めています。特に、投資負担を軽減しつつ店を広げられるFC方式は、同社の成長戦略において重要な役割を果たしています。直営店スタイルからFC店ビジネスへのシフトは、出店スピードを加速させるための鍵となっています。
今後の展望
ゼンショーの成長は、創業者の小川会長のリーダーシップによるものです。彼は「フード業界の世界一」を目指し、積極的なM&A戦略を展開しています。今後もゼンショーのグローバル戦略の実行には注目していきたいと思います。