顧客に好印象を引き出すフレーミング効果とは?-行動経済学の理解と実践5
フレーミング効果とは?
野球に詳しい方はご存知だと思いますが、キャッチャーがストライクゾーンギリギリのボールをストライクになりやすいように捕球する技術のことをフレーミングと言います。
フレームとは、絵画や写真の枠組みのことで、見せ方や全体の大きさを決めるもののことです。同じ言葉の意味で行動経済学でもフレーミングは使われています。
フレーミング効果とは、表現の仕方を少し変えるだけで印象が変わって、選択に影響を与えることをいいます。
栄養ドリンクのラベルに「〇〇〇1000mg配合」と書くと、同じことなのに「〇〇〇1g配合」と記載するよりもたくさん入っているように感じてしまいます。
「この手術を受けた患者さんの5年生存率は90%です」と言われるのと、
「この手術を受けた患者さんの100人中10人は5年以内に死亡しています」と言われると同じことでも前者の方が安心感を感じていしまいます。
日本語でも「ものは言いよう」という言葉がありますが、表現方法で印象を変える作用が期待できます。
ビジネスの様々な場面で利用されるフレーミング効果
フレーミング効果は価格や製品の性能をよいイメージで伝えるためによく利用されています。
入居時期が近付いた分譲マンションの広告に「最終章(グランドフィナーレ)」というようなフレーズをよく見かけますが、これもフレーミング効果を狙ってのものと言われています。
これは、「マンションポエム」と言われるドラマチックなイメージを与えるコピーですが、入居時期が近い時期の残った物件のセールとは書けません。
すでに契約済みの入居者の満足を損なうことはできないです。それに購入を検討する人も売れ残りを買いたいとは思いません。
表現の仕方を変えることですでに契約している人も興味を持っている人もポジティブになれることが期待されています。
価格表示にもフレーミング効果はよく使われます。
一般的に、価格が高いものには割引率の表示をし、安いものには金額表示をする方が効果的だと言われています。
まとめ
メッセージや価格の結果は同じでも見せ方を変えるだけで顧客のポジティブな印象を与えることができるのでフレーミング効果は有用です。
しかし、あまりに極端で誤解を生むよう表現は避けた方が良いことは当たり前ですが。。
最後までお読みいただき有難うございました。
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