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インターネットマーケティングを考える 第7回-インフルエンサーマーケティング

「インターネットマーケティングを考える」第7回では、インフルエンサーマーケティングの本質と最新動向を詳しく解説します。インフルエンサーは、企業が消費者とつながり、ブランド認知を高めるための強力な手法として発展してきました。以前に「インフルエンサーマーケティングを考える」という連載記事を投稿しており、この記事はまとめ記事として、インフルエンサーマーケティングの基本から最新のトレンドまでを整理します。


1. インフルエンサーとは?

インフルエンサーとは、SNSやブログ、YouTubeなどを通じて多くのフォロワーに影響を与える存在です。彼らの発信が消費者の購買決定に影響を与えることから、企業はインフルエンサーを活用してブランドの認知向上や販売促進を図っています。しかし、単にフォロワー数が多いだけではなく、ターゲット層に適したインフルエンサーを選定することが重要です。

2. 2つの成功事例

Miss Diorキャンペーンでは、美容系インフルエンサーを活用し、SNSでのブランド露出を拡大しました。インフルエンサーたちがフレグランスを日常に取り入れる様子を発信し、ターゲット層との親和性を高めました。

一方、無印良品のキャンペーンでは、シンプルなライフスタイルを提案するインフルエンサーを起用。日常生活に溶け込む無印良品の商品を紹介し、消費者の共感を得ることに成功しました。

3. 「中の人」としてのインフルエンサー

企業の社員、いわゆる「中の人」をインフルエンサーとして活用する動きも見られます。サントリーやトヨタなどの企業では、社員が自社商品の魅力を発信し、信頼性のある情報提供を行っています。これにより、企業と消費者の距離が縮まり、ブランドへの親近感が高まる効果が期待されます。

4. ブランドが取り組むべき3つの課題

全社的な取り組みとしての戦略策定:SNSマーケティングを担当者のみに任せるのではなく、企業全体でインフルエンサー施策を活用する必要があります。

インフルエンサーとの目的共有:PV数やフォロワー数ではなく、企業のブランドビジョンと合致するかを基準に選定。

信頼できるインフルエンサーの選定:単にフォロワー数を見るのではなく、そのフォロワーの質やエンゲージメント率を分析することが求められます。

5. バーチャルインフルエンサーの活用

近年では、リアルな人間ではなく、バーチャルインフルエンサーが注目されています。例えば、リル・ミケーラは高級ブランドのキャンペーンに登場し、デジタルマーケティングの新たな可能性を示しました。バーチャルインフルエンサーには、スキャンダルのリスクが低く、ブランドのメッセージを一貫して伝えられるというメリットがあります。

6. メガインフルエンサー vs. マイクロインフルエンサー

  • メガインフルエンサー(フォロワー数100万人以上)

    • 幅広い認知度向上を狙う場合に有効。

    • ただし、エンゲージメント率が低くなることも。

  • マイクロインフルエンサー(フォロワー数1万〜10万人程度)

    • 特定のターゲット層に深くリーチできる。頼性が高く、エンゲージメント率が高い傾向。

企業は、目的に応じてどのインフルエンサーを活用するかを慎重に判断する必要があります。

7. ローカルインフルエンサーと地方創生

地域密着型のローカルインフルエンサーは、地方創生の施策に大きく貢献しています。例えば、四国フードフェスティバルでは、地元のローカルインフルエンサーを起用し、地域の食文化を広めることに成功しました。彼らは、特定の地域に根ざした情報を発信し、地域ブランドの価値向上に寄与しています。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは、単なるSNS上の広告手法ではなく、消費者との関係構築において重要な役割を果たしています。企業が成功するためには、

  • 適切なインフルエンサーの選定

  • 目的を共有し、ブランド戦略と一致させる

  • エンゲージメントの高いコンテンツを作成する

ことが不可欠です。

また、バーチャルインフルエンサーやローカルインフルエンサーなど、新たなトレンドを取り入れることで、より効果的なマーケティング戦略を構築できます。

次回以降は、各SNSの活用法や分析ツールについて探っていきます。


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