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価格設定のための6ステップ①〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

11章 価格戦略の2回目は、価格設定の6ステップパート①です。

企業が価格を決定する際には、品質と価格の両面で自社のポジショニングに基づき価格を決定します。

1社でいくつかの製品ラインを持って高級グレードから汎用品、廉価版というラインを持って顧客に選んでもらうこともできますし、どれか一つに特化した値付けを行うこともあるでしょう。

ブランディング戦略に沿って自社の最適な価格と品質を伝達することになります。

価格設定のステップとは?

価格設定の6ステップとは、(1) 価格設定目的の明確化、(2)需要の見極め、(3)コストの見積り、(4)競合品の分析(コスト、価格)、(5)価格設定方法の選択、(6)最終価格の設定となります。

今回は(1)〜(4)まで説明します。

価格設定目標の明確化

企業全体の価格設定の目標が具体的であれば価格設定は容易になります。目標には以下の4つがあります。

短期利益の最大化:需要とコストのおおよその見積に沿って経常利益が最大化される価格を選びます。現実的には効果が続かず難しい価格設定方法です。
市場浸透価格(ペネトレーション):市場シェアの最大化を目指して低い価格を設定します。低い価格で圧倒的な参入障壁を構築したい際には有効です。
市場スキミング(上澄吸収価格):新しいテクノロジーに対して高価格を設定します。新しい物好き(イノベーター)の顧客に販売を見込みます。
品質リーダーシップ:品質面でリーダーを目指す企業の価格設定です。高品質である以上、高価格です。

上記が主な戦略ですが、より多くの利益を確保するには当初より戦略方針を決めておく必要があります。

需要の見極め

需要の価格弾力性を把握します。価格の変動に対して需要が敏感に反応するのか(弾力的)、反応しないのか(非弾力的)を分析します。

コストの見積り

自社のコスト分析をします。生産高や売上に左右されずにかかるコストが固定費、生産高に応じて変動するコストが変動費です。利益が0となる売上が損益分岐点売上高です。累積生産量に応じて平均コストが減少することを経験曲線効果と言います。前述の市場浸透価格戦略は経験曲線効果を高めるいう点でも有効となります。

競合品の価格分析

当然、自社の競合品の価格設定の分析が必要です。将来の過度な価格競争に陥らないためにも自社と競合のポジショニングと価格設定の整合性を見る必要があります。

まとめ

価格設定の6ステップの(1) 価格設定目的の明確化から(4)競合品の分析(コスト、価格)までをご説明しました。

次回②は、(5)価格設定方法の選択、(6)最終価格の設定を説明します。

最後までお読みいただき有難うございました。

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