中国共産党が他国政治家を教育 Economist記事 2020年12月10日
中国の影響力は世界的に高まっています。共産党の中に国際部を設立してアフリカなどの途上国を招いてセミナーを開催し中国の成功事例から伝授しています。途上国が積極的に参加する理由には中国からの資金援助の獲得という背景があります。
要約
今年12月、中国の習国家主席が中国からの極貧(一日の稼ぎが$1以下)の根絶を達成したと宣言した。
その背景には中国の政治モデルを見せびらかす意図が隠れている。
西側諸国にとっては、中国の外交の攻撃性に目が向けられているが、それ以外の国にとっては、中国は成功のモデルであり他国を救う存在として見られている。
中国共産党の支部である国際部は貧困や労働などについてのセミナーの開催など海外の政党間のサポートを行っている。
2017年に国際部が主催し北京で開かれた国際会議には富裕な民主主義国(日本、オーストラリア、アメリカなど)を含む120か国が参加した。
国際部の主な活動は国外の特に途上国の政党にトレーニングを行い、その主なミッションは中央集権型リーダーシップの良さを伝えることである。
最近はオンラインのセッションでどのようにcovid-19を対処したのかにフォーカスし、アフリカ諸国やパナマ、ベネズエラといった国の政権政党が参加した。
ガーナ、ケニア、南アフリカといった民主主義の国には国際部がスポンサーとなって中国でのトレーニングセッションに招待した。
このトレーニングによって何を得たのかは明確ではないが、中国が価値のある借入と投資元であることから参加は中国の機嫌を取る手段となっているのであろう。
国際部によると160か国、600の政治団体とコンタクトがあり政党間の会議は2012年から2017年の間で50%以上増えた。
しかし、中国は共産主義を伝導しようとしているのではない。彼らの目的は民主主義でなくても富裕になれることを見せることである。
解説
中国の世界における影響力の増大の背景をみることができる記事です。
途上国援助という点では日本もODAの拠出額では今でも上位の国ですが、中国に自国の影響力の強化という明確な目的に基づいていることがこの記事から伝わってきます。
日本という民主主義の先進国の仲間で、中国の隣国という立場で見たときと、アフリカの国々から見た中国というのはまったく違ってみえるのでしょうね。
ボキャブラリー
eradicate 根絶する
extreme poverty (極貧:一日の稼ぎが$1と定義)
boozy junket (大酒のみの宴会)
snoozefest (超退屈なイベント)