広告評価の「ADPLAN フレームワーク」とは?〜マーケティング・マネジメント16版を読む
マーケティング・マネジメント(第16版)を読みながら気づきをまとめています。
今回は第12章 マーケティング・コミュニケーションからクリエイティブ制作の際に役立つフレームワーク ADPLANについてです。
こちらの記事からのつづきとなります。
コミュニケーションの方向性が定まった次の段階として制作物のデザインを始めます。広告会社や自社のクリエイティブチームに制作物のデザインをブリーフィングによって依頼したり、提案された絵コンテナを評価したりする際に誤解や修正点を指摘するための枠組みとなるものがADPLANです。
ADPLANとは?
ADPLANは、ノースウェスタン大学の広告専門家のデレク・D・ラッカー先生が考案したもので、Attention(注目度)、Distinction(卓越性)、Positioning(ポジション)、Linkage(リンケージ)、Amplification(増幅度)、Net Equity(純資産)の頭文字を取ったものです。それぞれを見ていきましょう。
Attention(注目度)
その広告を見てもらいたい人(ターゲット)が思わず見てしまう。そして、チラ見して終わりでなくて最後まで見てもらえるような内容となっていることです。
わかりやすい例で言うと、テレビ番組ではビデオに撮ってCMは飛ばす人が多いと思いますが、CMに入った最初の数秒間で関心を引くことができれば思わず最後まで見てしまうことになります。そういった意味でも最初の数秒は非常に重要です。
Distinction(卓越性)
たくさんの広告の中に埋もれてしまうようなものではなく、他とは違うと思わせるものである必要があります。
Positioning(ポジショニング)
まず、その商品が何か、属するカテゴリーが明確でないと、他の何とも比較する対象物をイメージすることができないです。洗濯洗剤であればそれがしっかりとわかること。そして、その上で他の洗剤とどこが違うのかを明確にメッセージにして伝えます。
Linkage(リンケージ)
ターゲットが、語られたメッセージを確実に記憶して自社のブランドと結びつけてくれるかどうかです。
Amplification(増幅度)
広告に対して肯定的な印象を持ってもらうことによって会話が生まれて購入へとつながりやすくなります。
Net Equity (純資産)
これまでのブランディングを傷つけるものでないのか?ブランドを傷つけず一貫性を保つことです。
まとめ
広告戦略の制作物の開発、評価において有用なツールとなるADPLANについてでした。制作物を専門チームにデザインしてもらう時などにこのフレームワークを用いて議論することで両者の方向性のズレをなくすことができるでしょう。また、ご自身でデザインする中小企業の方でもこの枠をチェックリストとして活用することが可能です。
最後までお読みいただきありがとうございます。