消費者の知覚プロセスを理解する〜マーケティング・マネジメント16版を読む
コトラーのマーケティング・マネジメント(第16版)を読みながら気づきをまとめています。
今回は、第3章 消費者市場の分析 消費者心理から「知覚」について深掘りしたいと思います。
こちらの記事の続きになります。
知覚とは、”人が情報を選別し、整理し、解釈することによって、意味のある世界を思い描くプロセス”です。
情報過多の時代です。そんな中、人は何に注意を向けるかを意識的もしくは、無意識に選択しフィルターにかけ取捨選択します。
知覚したものによっては人は行動を起こしますので、まず、知覚を刺激しなくては何も始まりません。
知覚プロセスには、選択的注意と選択的歪曲の2つがあります。いかに、それぞれについて説明します。
選択的注意とは
膨大な情報に対して刺激を受けるのか無視するのかを経験からふるいかけ(知覚フィルター)をすることを選択的注意といいます。選択するには、警戒と防御というシステムを通します。
知覚的警戒とは、自分のニーズに基づく情報に刺激をうけることを言います。
たとえば、そろそろマイホームを持ちたいなと感じ始めている世帯ではこれまで見向きもしなかったような住宅の新築物件の情報に刺激を受け始めます。
知覚的警戒の反対の概念が、知覚的防御といいます。これは、自分が見たくない、聞きたくないと思っているものに対して注意を背けることをいいます。
たとえば、タバコの健康リスクについての情報を喫煙家は見て見ぬふりをします。
また、同じ刺激を受け続けていると徐々に慣れてしまって反応しなくなります。これを順応といいます。
選択的歪曲とは
与えられた刺激に対して意図されたように伝わらず、その人に備わっているものの見方に当てはめて解釈してしまうことを選択的歪曲といいます。
選択的歪曲は、過去の経験値によって引き起こされることが多いです。
たとえば、特定のブランドに対して良い印象が強く残っていると他のブランドを認めないことになります。また、中身が同じでもブランド名が変わっただけで評価が変わることも起きます。
まとめ
いくら良い商品・サービスで良いメッセージを伝えていても顧客が知覚しない限り意味はありません。そのためにも、顧客の知覚プロセスを知りタイミングよくメッセージを伝えられるようになりたいですね。
最後までお読みいただき有難うございます。
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