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ハローキティ50周年:世界に誇るキャラクタービジネスの成功と挑戦
2024年のヒット商品番付で西の前頭2枚目にランクインした「ハローキティ50周年」。日本が世界に誇るキャラクタービジネスの象徴であるハローキティは、長年にわたり業界の先頭を走り続けています。
マクドナルドのハローキティといえば、かつては女の子向けのハッピーセットのおまけとしてのイメージですが、最近ではサムライマックのCMで堺雅人さんと共演するなど、世代や性別を超えて愛されるキャラクターであることが証明されています。
日経新聞の「迫真」では、4回にわたりハローキティに関する記事が掲載され、その成功の道筋が深掘りされました。主なポイントを以下にまとめます。
ハローキティは1974年の誕生以来、「KAWAII」ブームを引き起こし、知的財産(IP)の累計売上高は800億ドル(約12兆円)に達しています。これはミッキーマウスやアンパンマンを上回る規模です。
ハリウッド進出が進行しています。
常に新しいことに取り組み色褪せることなく多くの企業とのコラボやリアルイベントを開催しています。
レディーガガなどセレブがキティファンを公言している人も多く、世界中にファンが広がりネット上のコミュニティでもキティが多くの「いいね」を集めています。
一方で、海外事業は浮き沈みも大きく、現地のコラボ企業に依存してしまったことによるブランド価値を下げる結果となった過去のライセンス契約に対する反省がありました。
2022年に公開されたゲームは世界中で5100万人以上がプレイしており、2027年までにさらに6本の新作を公開する計画です。
キティが最初に描かれたのは小さな財布に描かれたデザインから誕生しました。
人気を集めた理由としてサンリオ創業者の辻氏は「口が描かれていないことで、見る人の気持ちに寄り添うことができたから」と分析しています。
キティのコンセプトの「みんな仲良く」は、辻氏の「1番いいのは最初から『戦わない、争わない』ことです」という戦争体験からきています。
ハローキティを守る騎士役の「フラガリアメモリーズ」という人型のキャラクターが2023年3月にデビューした。
サンリオの課題であった「キティ依存」からの脱却は14年3月期76%から24年3月期3割大幅に低下した。
「クロミ」(吉野家)、「ハンギョドン」(中国で人気急上昇中)など450超のキャラクターの活用について取締役、執行役員、経営管理や海外事業の担当者が戦略会議を行い売り出し方を考えている。多様なキャラクターがけん引し、25年3月期の純利益は311億円と過去最高となる見通し。
まとめ
日本の強みであるアニメやキャラクターの知的財産ビジネスの先駆者であり、今も進化を続けているサンリオのハローキティ。関西万博でも活躍が期待されていますが、ただのキャラクターに留まらず、そもそものコンセプトである「みんな仲良く」を守り、企業戦略として進化を続ける象徴的な存在として学べき点が多いと思いました。