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世界のシマノがe-bike市場へ挑戦するための新技術とは

自転車のシマノといえば、世界のプロレースで上位に入るチームの大半でそのシステムが採用され、高級スポーツ自転車のカテゴリーで8割近いシェアを誇っているブランドです。

シマノの本社は大阪の堺にありますが、堺といえば、伝統的産業として、線香、包丁、そして自転車の3つが挙げられます。堺の伝統産業の一つである自転車のコンポーネントが、世界中で認められ「自転車業界のインテル」と称されるまでになったことは、日本の誇りでもあります。

そのシマノが、e-bike市場に対抗するため、新たなシステム「Q,AUTO(クォート)」を発表しました。このシステムは2025年に実用化予定で、AIによる自動ギアチェンジ機能を備えています。運転スタイルに合わせ、最適な変速を自動的に行うことが可能です。この技術は、日常使いの自転車にも適用され、e-bike市場への強力な対抗策と見られています。

競争環境

シマノは自転車業界のトップランナーですが、特にe-bike市場ではドイツのボッシュが優勢です。シマノは、e-bike分野で後れを取っているものの、Q,AUTOの「軽さと運転のしやすさ」を武器に競争を仕掛けています。中国や台湾メーカーの台頭や、国内ではパナソニック、ヤマハなどの競合企業が存在感を示していますが、シマノはコスト削減と軽量化による差別化を図っています。

未来への期待

世界の自転車市場は今後7%の年成長率が予測されており、その牽引役はe-bikeです。シマノは、AI技術を駆使したQ,AUTOによって、この市場でのシェア拡大を目指しています。島野会長も「日本のものづくりの英知を結集し、あっと驚く新製品を生み出す」と意気込みを見せており、地元中小企業との連携も強化しています。地元企業と協力しながら、日本の技術力を活かした革新が期待されています。

シマノの新しいシステムと、地元企業との連携によって、自転車市場にさらなる革新がもたらされることでしょう。


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