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アンカリング効果とは?-行動経済学理論の実践法解説1

アンカリング効果とは、アンカー(錨)が海に沈んでつないでいる船を引っ張るように、ある情報が人の思考に影響を与えることをいいます。

たとえば、電気自動車のテスラの新車価格がどのくらいか知ってますか?

答えは、コンパクトラグジュアリーセダンのモデル3で約600万円弱くらいです(2023年3月ネット調べ)。

これって高いと思いますか?安いですか?

一般的な解答は「高い」かもしれません。

でも、1千万円くらいするポルシェのオーナーはどう感じるでしょう?

もしかすると、ポルシェの価格がアンカーとなって「お手頃」って感じるかもしれません。

さらに、

このテスラ、キャンペーンで仮に100万円値引きされていたとします。

600万だと知っている人が500万と聞くとお得と感じるでしょう。

でも、新車のプリウスが300万弱であることをアンカーにしている人はそれでも高いと感じます。

このようにアンカーがどこにあるのかで価格への感じ方は大きく異なります。

様々な場面で活用されているアンカリング効果


アンカリング効果は、実際にさまざまな場面で使われています。

テレビショッピングでもよく見かけます。

「定価が1個5,000円のところ、特価で4,000円!です」

「さらに、なんと、2つセットですと6,000円!」

最初に定価の5,000円をアンカーにすることによって、2個6,000円ではすごいお得だと思って、思わず買いだめしてしまうという狙いです。

事例:うにのような豆腐(相模屋食料さん)

先日、テレビで「うにのようなビヨンドとうふ」という商品が紹介されているのを拝見して、試しに買ってみました。


豆腐ですが食べてみると本当にうにのような味がします。

テレビでも「うにより美味しい」と言われていましたが、確かに本当に「うに」でした。

こちらは店頭で200円/前後(95g)で販売されています。

商品の宣伝ではないのですが、この値段高いと思いますか?

ここでアンカーが「うに」なのか「豆腐」なのか、ということが問題になります。

「うに」の代わりになるものと捉えている人は安いと感じますし、豆腐のうに味だと思う人には高いと感じるかもしれません。

どちらにアンカリングされるかで価格への印象が大きく異なってきます。

価格のアンカーを「うに」にして、さらに、豆腐の良さ(植物性タンパク質とか)を訴求して「うに」の偽物感を払拭することができれば、さらに人気がでるように思います。

やりすぎには注意

価格設定にアンカリング効果はよく活用されています。

ちょっとあくどいって感じるかもしれませんが、判断基準をもっていない消費者には基準を持たせてあげるという点では親切だともいえます。

でもやっぱり、やりすぎは禁物です。

リアクタンス」といって、あれこれ指示をされていると感じると反発して指示されたことと逆のことをしたくなるという行動現象があります。

まとめ

消費者が無意識にもつ判断の手がかりを知ることは価格だけでなく、製品のポジショニング戦略にも応用ができます。
消費者のアンカーが何かを知り、また、アンカーにしてもらいたい基準を伝えるメッセージを考えてみましょう。

参考書籍

最後までお読みいただき有難うございます。

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