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サブスクがやめられない理由は損失回避性にあり!?-行動経済学の理解と実践4

100万円をもらえる喜びか失う悲しみ。

おおかたの人は、後者の方の精神的なダメージが大きく感じます。

それは、プロスペクト理論の「価値関数」で表現されています。

人はあることに対する喜びが1とすると、同じ程度の悲しみは2.25倍に感じるのだそうです。そのため、できるだけ損失を避けたいと願う「損失回避性」を持っているとされています。


「スポーツクラブの会員になって当初は週3回以上通って元をとっていた。でも、しばらくすると熱意が冷めて月2-3回になった。入会金も払っているしなんとなくずるずると会員を継続してしまった」

というような経験は誰でも一度や二度はあるでしょう。(私はしょっちゅう経験しています。)このような惰性で会員を継続することも一度得た資格(毎月いつでもスポーツクラブを活用できる)を失いたくないという「損失回避性」の一例となります。

配信動画や雑誌、新聞などの定期購読(サブスク)ビジネスも、消費者の「損失回避性」を活用したビジネスモデルといえるでしょう。

損失回避性が強いといらない買い物が増える?

他にも、スーパーのレジでレシートと一緒に出てくるクーポンやポイントカード(どちらも使用期限付き)などは、消費者の損失回避性に狙いを定めてのものと言えます。

「もらったものは使わないと損だ」という気持ちがはたらきますので、別にそこまで必要がなくてもリピート買いをしたり、ポイントの有効期限に合わせて買い物をしてしまうことがあります。

顧客にとってもベネフィットがあれば後で後悔することも少ないですし、クーポンやポイントプログラムは有効に活用して良いと思います。

価格体系見直しの機会を与えてあげること

前述の通り、会員制度やサブスクビジネスは、損失回避性を狙ったビジネスモデルであると言えます。こういったビジネスモデルはトレンドであり増加傾向にあると言えます。

一方で、サブスクの会費が家計の固定費としての占める割合が増えていることも事実です。

サブスクビジネスにおいて、最も憂慮しないといけないことはチャーン率(解約率)です。一度、離反した顧客が戻ってくる可能性はかなり低いです。

チャーン率を低く維持するためにも、顧客の利用実態に応じて価格設定を常に改良し提案することがLTV(顧客生涯価値)の向上にもつながるでしょう。(ちなみに顧客生涯価値についての記事はこちらです。)

まとめ

一度獲得したものを失うときの悲しさの大きさを表した損失回避性について説明しました。

実は、私もクーポンやポイントカードに弱いタイプでポイントのために同じお店をよく利用しています。時折、ポイントカードがあるからって理由でわざわざ離れたお店に行くこともあります。この記事を書きながらもっと合理的に意思決定できるようにしないとな、と思いました。

最後までお読みいただき有難うございました。

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