ターゲット市場特定の5Cフレームワークとは〜マーケティング・マネジメント第16版を読む
2022年11月に翻訳版が発表された「マーケティング・マネジメント」第16版を読むながら気づきを書いています。
企業が獲得を目指すターゲット市場は、5つの要素で構成されています。顧客(Customer)、協力者(Collaborators)、競合(Competitors)、企業(Company)、コンテクスト(Context)の5つで5Cと呼びます。
5Cを図示したものがコレです。
この図が意味するところは、ターゲットとなる顧客が決定的な中心にあり、周辺の企業、協力者、競合他社は顧客のために価値を創造します。
顧客、企業、協力者、競合他社の活動を規定するものがコンテクストです。
コンテクストは、日本語では背景、文脈などの意味がありますが、ここでは活動する環境のことを指します。
コンテクストには、社会文化、技術、規制、経済、物理の5つの要素があります。
5Cのフレームワークに似たものが、「競争戦略論」で有名なポーター教授の5つの競争要因(5 Forces)です。
5つの競争要因は、競争力の視点による市場分析のフレームワークで、供給業者の交渉力、購買者の交渉力、新規参入の脅威、代替品の脅威、既存競合企業の競争力の5つの要素からなります。
どちらも市場分析のフレームワークという点での共通点がありますが、5Cは顧客ニーズを起点とするのに対し、5つの競争要因は特定の産業界の競争要因であるという点が異なります。
顧客視点に立っているため、ニーズを満たす上では競合品も代替品も同じことになり、5Cにおいては代替品という概念は不要となります。
5C分析の活用方法は、まずターゲットとする顧客ニーズを起点として定義すること。そこから、価値創造のために必要な資源や協力者、競合他社定義づけ、そして、関係するコンテクスト要因をまとめるという流れになります。