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士業1年目の教科書【みんな変わる】 第2話 チェックリスト
新人時代(1990年代初頭)に、いまの事務所(名南経営)にはいって、一番「違和感」を抱いたのは事務所内で運用されていたチェックリストの多さです。100以上あったのではないでしょうか。
チェックリストとは文字通り、ある案件が一定の条件を満たしているかどうか、その結果、何らかの成果物(おおくは書類)を作成するための「確認項目の一覧表」です。
最初に目にしたのは「議事録チェックリスト」。これにはびっくりです。議事録とは喧々諤々の議論をまとめるもの躍動感、創造性にあふれてしかるべきで、それをチェックリストってどゆことという感じでした。
うちの会社は会計事務所グループなので顧問先ビジネスです。
顧問先たる法人の議事録の提供を行っていました。というか今でもやっています。
議事録チェックリストは、私の所属する行政書士事務所が会計事務所の職員に向けて顧客面談において確認することの一覧表のことです。
株主数
参加人数
開催日時
決議内容
署名か記名か
とか。これが埋まっているかどうか、うまってなければ問い合わせする。問い合わせ結果をまた当時の富士通のオフコンに入力して議事録を作成して、会計事務所の担当者に届けるわけです
。
・・・・砂を嚙むような地道さ、根気のいる作業です。
創意工夫でいままでにない仕事をしたいとおもっていた若者には非常に苦手な業務です。
伸びきった鼻っ柱を軽く骨折させられた記憶があります。
士業の基本は、お客様が当たり前のことを当たり前にやれるようにすることをバックアップする完全な裏方である。プロの事務処理屋である。
そういうことを徹底的に刷り込まれたのがチェックリストとの出会いの成果でした。
出来もしないのにできるつもりでいた若者の違和感という錯覚が安堵感に変わっていくのにはチェックリストという型に慣れ親ませることにしくはないと感じた出来事です。
まずは型にはまる。
士業1年目は、そんな社会人としての当たり前を想像以上のギャップをもって体感して、消化していくことが肝心です。
最初は何もできないが標準的なことができるようになる。
これ以上でもこれ以下でもないです。