在職中の転職を成功に導く7つの秘訣 ②
今回は、在職中の転職を成功に導く7つの秘訣の②についての説明です。
仕事をしながら転職活動をするのは、想像以上に時間がかかるし気力も消耗します。
しかも初めての転職となれば、要領を得ないので「行き当たりばったり」的な活動になりがちです。
② 今の仕事をしながら、いつ転職活動をするのかを決めて予定表にする。
現職が、平日の休みか、1月前に決まるシフト制なら、この秘訣の半分はクリアーすることになりますが、土日祝しか定休日がない人や、休みが直前まで定まらない、または休みの予定がよく変わるような仕事をしている人にとっては、まず有給休暇の残日数が重要となります。
それに、いざとなったら欠勤をしてでも転職活動に使う覚悟が必要です。
転職活動とは大まかですが以下のような行動を指します。
1:インターネット等で求人情報を検索する(転職サイトに登録する)
2:履歴書や職務経歴書を作成する(送り状や封筒も用意する)
3:履歴書に貼る写真を撮りに行く(基本は直近3か月以内)
4:現職の会社に出す退職願を作成し意思表明する
5:希望する会社にエントリーする(ハローワークに行く)
6:面接などの選考を受ける(リモート面接も増えている)
この中で、1から5までは自分の都合でいつ実行するかを決めることが出来ますが、6だけは相手の都合に合わせることになります。
つまり、面接などの選考だけは、わざわざ休みを取ったり、定休日に選考してもらえるよう交渉したりすることが必要です。
在職中の転職活動の場合、1、2社程度の選考なら休みも合わせやすいのですが、5社、10社となると、そうそう休めなくなります。
都合よく、午前に1社、午後から3社といったような日程にはなりません。
この、面接の日時がなかなか思ったように決まらないというケースが意外に多いことは知っておいた方が良いと思います。
例外として、今の仕事が有期雇用契約で、次の契約更新を会社がしてくれないことが決まっている場合などは、周囲の人も気遣ってくれて、転職活動に協力的になってくれるという職場もあります。
しかし、転職希望者の大多数の人は、会社にも周囲にも内緒で転職活動を粛々と進めることになるので、特に面接などの日程はあらかじめ何時なら時間が取れるのかを予定表に記入しておくことをお勧めします。
実は「空いた時間」という時間はない
働きながら転職活動を始めようと考えている人のほぼ全員が、「空いた時間を使って活動する」と話しますが、実際にその言葉通りに行動する人に、私はあまり遭遇しません。
実際に転職活動を始めてみると、「空いた時に…と思っていたけど意外に時間がない」と言う人の方が多いのです。
当然ながら、仕事をしていれば疲れるし、帰宅しても早々に頭が転職モードに切り替わらないことなどよくあることです。
本来、仕事が終わった後の時間は、一日の疲れを癒し明日に向けての鋭気を養うために使う時間です。
お酒を飲んだり、風呂に入ってボーっとしたり、あるいはゲームやSNSを楽しんだり、または家族や仲間と話したりするために使っている時間のはずです。
そもそも、「空いた時間」などは無いのです。
でも、多くの人は、何もしていない時間があるはずだと思い込んでいるので、転職活動などいつでも出来ると錯覚しているのです。
冒頭に述べた「在職中の転職活動は、想像以上に時間がかかるし気力も消耗する」というのは、まさにこの錯覚が引き起こすのです。
転職活動も仕事のうち
だからこそ、転職活動をする時間を予め決めておいた方が、事は進みやすいと、私は思うのです。
仕事の予定をスケジュール帳に記入するように、転職に使う時間も予め無理のない程度に、何日の何時から何時までは転職活動に当てるという具合に記入しておくことをお勧めします。
私は、どうしても在職中に次の仕事を決めたいと訴える人には、転職活動を残業として捉えるよう促すことがあります。
「これは残業だと思って、履歴書をいつまでに完成させるのかを手帳に書きましょう」などと話します。
そうでもしなければ、「空いた時間がある」という錯覚に惑わされ、たった一枚の履歴書を書くだけで1週間もかかるという状況を招いたり、いつでもできると思っていた求人検索は、最初の3日しか続かなくなったりして、気づけば転職そのものが面倒くさくなる。という事態に陥るのです。
私は、そういう負のスパイラルにはまった人を何人も見てきました。
自分のペースと癖に合わせましょう
私はよく、どんな風に転職活動の予定を立てれば上手くいくのでしょうか?などと質問を受けますが、当然ながら正解などはありません。
転職活動に限らず、スケジュールの立て方には個性が出ます。なので、決して自分らしくない行動はしないように、とだけ助言します。
例えば、朝早く起きて時間を作ることが出来る人がいれば、夜でないと頭が冴えないという人もいるように、人にはそれぞれ活動しやすい時間帯があります。
また、何時間も集中できる人がいれば、そうでない人もいます。
私は、出来るだけ自分のペースと癖に合わせたスケジュールを立てることをお勧めしています。むしろ私が何かこうすべきだと提案しても、結局はその人らしい行動をとることになります。
そして、スケジュールを立てるということは、秘訣①の「辞める日」をいつにするのかに大きく影響します。
私は、3か月が妥当ではないかと提案しましたが、実際に3か月間で、どの程度の活動時間が見込めるのかを検討しなくてはなりません。
例えば、週に2時間くらいしか取れない人に、3か月後の転職は正直キツイと思いますが、それでも成功する人もいるので絶対ではありません。
自分自身が「これなら何とかなる!」と思える活動時間が見込めるかが大事だと思います。
転職活動を円滑に行い、希望の仕事をゲットするには、スケジュールを立てることも、辞める時間を決めることも、とても重要だということです。
次回は、7つの秘訣の③~⑤についての説明です。