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Ophidian I / Desolate

Ophidian I(オフィディアン アイ)はアイスランド、レイキャビクで活動するテクニカルデスメタルバンド、本作は2作目。どうもアイスランドのテクデス界隈の技巧派プレイヤーが集まったスーパーバンド的なバンド、なのかな。あまり情報がありませんが、ふと1曲目を聴いたらあまりのカッコよさと勢いにぶっ飛んだのでアルバムレビューして聴き込んでみたいと思います。では行きましょう。

活動国:アイスランド
ジャンル:テクニカルデスメタル
活動年:2010-現在
リリース日:2021年7月16日
メンバー:
 Ragnar Sverrisson - Drums
 Daníel Máni Konráðsson - Guitar
 Simon Thorolfsson - Guitar
 Þórður Hermannsson - Bass
 John Olgeirsson - Vocals

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総合評価 ★★★★

惜しい、1曲目は凄いと思ったが、ほぼ最後までほとんど同じ勢いで突っ走る。どの曲も力を抜いていないとも言えるのだが(ギターパートはかなり練られているのは分かる)、さすがに曲ごとのキャラクターが弱い。途中で聞き疲れてしまう。6曲目のイントロは表情が違うが、もう少しいろいろなパートがあってもいいか。どの曲も魅力的なギターメロディはあるのに残念。

一番弱いのは音響なように思う。なんというかずっと聞いていて”心地よい”と感じるような、音が互いに噛み合ったり、渦巻いてだんだん盛り上がっていくような感じが無い。シンプルにプロダクションの弱さなのかもしれない。ずっと同じテンションで突っ走ること自体は悪くなく(全10曲、39分と長いわけでもないし)、それぞれの曲の出来も悪くないのにアルバム全体として今一つに感じてしまうのは、ベースの音があまり聞こえなかったり、ギターサウンドそのものがちょっと耳障りだったり、プロダクションがあまり良好ではないせいな気がする。各楽器の分離は悪いわけではないし、モコモコしているとかそういうわけではないのだが、なんというか、、、ギターの音作りそのものがちょっと練り込みが足りない感じ。もっと音色にバリエーションがあればよいのに。どの曲も単曲では悪くないのだけれど、全体を通すと聞き疲れるというか聞き飽きてしまうのは結局音響面が弱いのだろう。

1.Diamonds 04:35 ★★★★☆

荘厳なSEからいきなり超絶ブラスト、猛烈な連打、そのうえで舞い踊るギターフレーズはメロディアス。テクニカルながらメロディの煽情度が強い。またフィンランドやノルウェー、スウェーデンとはちょっと違うメロディセンス。ただ、アイスランドも北欧ではあるので北欧メロデス。デスと言っても、あまり暗黒な感じはない。プログレッシブ、Djent的というか、ギターの音はクリーンでシャラシャラと煌めく感じがある。ブレイクダウンも入るがそこでも疾走、というか、機械のような連打が鳴り止まない。このドラマーすさまじいな。Beneath The MassacreとかRings Of Saturnみたいな超絶技巧だが、ギターメロディは幾何学的ではなくもっとメロディアス、北欧メロデス的。泣きのメロディというか。

2.Spiral To Oblivion 03:31 ★★★★☆

激走は1曲目だけかと思ったらまったく同じテンポ、勢いで2曲目に突入。プログ的なメロディが飛び回る、やや変拍子は出てきたが突っかかる感じよりは疾走感が強い。ドイツのDjent系バンドUNPROCESSEDあたりも思い浮かべるな。ギターフレーズがテクニカルだがクリアでメロディアス。なんだかテクノのようにも聞こえてきた、ハードコアテクノを人力でやっている

3.Storm Aglow 04:11 ★★★★

同じ感じで激走するがややバスドラの余白が出てきた…...かな? 音の密度から言えば相変わらず。これはメロディがやや減退し、その分ヘヴィネスが増えてきた。これは高速ツービートだな。いやぁ、よくこれを人力でやるものだ。本当にハードコアテクノ、というかハードコアテクノとテクニカルデスは結局同じビートに行きつくのだとつくづく思う。上音をシンセでやるかギターでやるかの差。あとグロウルボーカルか。これはブレイクダウンが重め。なんだろう、プログレッシブメロディアステクニカルデスコア、みたいな音像だな。

4.Unfurling The Crescent Moon 02:53 ★★★★☆

また激走。一切休まないな。すごい。ライブでもこうなのだろうか、長時間はできないだろうな。煌めくギター、オーロラのようだ。これは北欧の自然を表しているのかなぁ。イメージかもしれないが、だいたい北欧のメロデス系を聴くと吹雪やオーロラを想起する。厳しい自然現象の中に潜む美というか。過酷な環境の中で生きる命の煌めきというか。トリガー使っているのだろうがそれにしてもツーバスが早い。中間部のリフが良い。

5.Sequential Descent 04:30 ★★★★

変わらず疾走、もはや安心感がある。ただ、基本的に疾走、いや激走感が強いが、途中のブレイクや変拍子がしっかりミドルテンポになってきた。ミドルテンポの方がメロディやリフの表現力は増す。とはいえ激走感は強いが。

なんだろう、たとえばノルウェーのような強く土着的な感じ、フィンランドのAmorphisのようなクサメロ、といったものはあまり感じない。メロディはけっこう洗練されているというか、ネオクラシカルだったりパワーメタルの方に近いかも。伝統音楽や民謡的なメロディは少ない。とはいえ、何かクセはあるのだけれど。

6.Captive Infinity 03:42 ★★★★

お、ようやくシーンチェンジ、ガットギターの音が入ってきた。イントロ的な感じだろうか。ガットギターでも変わらず早い。そこからドラムが入ってきた。これはブレイクも適宜入り、他の曲とは少し表情が変わってきた。とはいえドラムの手数はかなり多い。ギターの音が最近のトレンド、モダンな感じではなくもっとクリアでキラキラしている。これはちょっと珍しいな。Blood Incantationとか、もっとオーガニックな感じが多いが、もっとクリアで透き通った、ひとつひとつの楽器が分離している音。ネオクラシカル的なフレーズも多用される。

7.Enslaved In A Desolate Swarm 04:04 ★★★★

やや重厚感のある曲、じっくりと重めのリフで攻めてくる。煌めきのあるギターパート。とはいえ大枠はそこまで変わらず。手数の多いドラムにツインリードでメロディが舞い踊る。

8.Dominion Eyes 03:12 ★★★★

この曲はゲストボーカルが参加しているらしい。「Guest musicians (on which track):Julian Parry - vocals on 'Dominion Eyes' (full track)」とのこと。ゲストボーカルとはいえそこまで変わった感じもしないが、、、あ、より深いグロウルが入ったな。ツインボーカルなのか。どの曲もあまり表情が変わらないというか、勢いは減らないとも言えるしワンパターンとも言える。

9.Jupiter 04:00 ★★★★☆

うん、ゲストボーカルの存在感ほぼなし。というか変化が分からない。この曲も同じテンションで疾走する。逆に言えば、どの曲もクオリティや手法に強い差が無い。この曲はメロディアスさとリフの組み合わせが違うといえば違うが。ベースの存在感は薄目。ツインギターはかなりの部分でツインリード、絡み合いながら進んでいく。

10.Wither On The Vine 04:07 ★★★★

最後の曲だが特に変わらない、同じテンションでずっと突っ走る。途中の曲の緩急、リズムの緩急がやや強めになったぐらいか。

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