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OKI DUB AINU BAND@Cotton Club 2022/4/7
OKI DUB AINU BANDの東京ライブに行ってきました。名古屋、京都、大阪ツアーの最終日。場所は東京駅近くのジャズバー、コットンクラブ。
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コットンクラブはビルボードライブ、ブルーノートに並ぶ、アメリカ発祥のジャズクラブ。もともとは1920年代、禁酒法時代のNY、ハーレム地域にあった店で、デュークエリントン楽団が演奏したことなどが知られています。日本にも進出していたことは知っていましたが来訪は初めて。日本ではブルーノート東京を運営するブルーノートジャパンが運営しています。
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なかなかこういうジャズバーに足を運ばない人間なのですが、たまに行くといいですね。高いけれどお酒も美味しいし。ライブにはいろいろな楽しみ方、空間があるなぁと実感します。
OKIはもともと名前ぐらいしか知らなかったのですが、今年リリースされたフランス編集盤「月明りのトンコリ」で良さを再発見。その時OKIのバイオグラフィーなども単独記事を書きました。バイオグラフィーなどはこちらの記事に書いたので今日は割愛。
その時、いわゆるじゃがたらとか、最近だとGEZANにも通じる「力強いグルーヴ」を感じたんですね。昔OKIを聴いたとき、たぶん、NO-ONE'S LAND(2002)が出たときだと思いますが、その時はもうちょっと違う印象を持っていたんですよね。そこから20年近くたち、自分の興味と音像がシンクロしました。最近、グルーヴが強いものが好きなんです。
OKI DUB AINU BANDはその名の通りダブを取り入れた音楽性。ダブの定義はWikiによれば
ダブは(レゲエ)楽曲のリズムを強調してミキシングし、エコーやリバーブなどのエフェクトを過剰に施すことで、原曲とは全く別の作品に作り変えてしまうことである。リミックスの元祖とも言われる。
とあります、上のライブ映像(今回の京都でのライブのダイジェスト)を見てもらえば分かるように、深めのリバーブがかかったビート、幽玄な音世界ですね。メンバーに”内田直之 (Recording&Mixing)”とクレジットされており、彼がいわゆるダブエンジニア、ダブマスター。ライブ中、リアルタイムで音にエフェクトをかけてリズムを加工し、幽玄な音世界を作り出しています。
冒頭数曲はサイケデリックと言うか、トランスに誘うような深いリバーブのかかった音世界。アイヌの伝統舞踊も披露され、ハイカルチャーな感じ。中盤~後半にかけて「大声は出せないけど、踊るのは禁じられていないそうなのでよければ踊ってください」というMCの後、ダンサブルなパートに。ああ、そうだよなぁ、これダンスミュージックなんだろうなぁと理解。クラブミュージックとも違うし、どちらかといえばロック的なダイナミズム(特にドラミング)も感じたけれど、ちょっとゆるい感じ、日本の祭りの感覚も感じるダンスミュージック。こういうグルーヴが”今の気分”には個人的にしっくりきます。何曲かダンサブルな曲があった中で、耳に残ったのはこの曲。
いいライブでした。後から知ったのだけれどGEZANのギタリスト、イーグル・タカも観に来ていたらしい。やはり通じるものがあるんですかね。OKIはじゃがたらと同世代であり、「日本ならではのグルーヴ」を追求した結果、そうした人たちが共鳴し、発見し続けているのでしょう。最後に、彼らの代表曲とも言えるこの曲を。
それでは良いミュージックライフを。
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