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【メタル入門プレイリストシリーズ】2020年代のUSメタルを知る10曲

昔の下書きを見ていたらこんな記事を書きかけていたのを見つけました。4曲目まで説明文を書いて力尽きたらしい笑 

というか、多分この時だと「2020年代のリストって難しいなぁ」と思いながら書いていた気がします。どこに主軸を置くべきか。今見ても10曲って難しいなぁと思いますが、せっかく途中まで書いたので完成させてみます。

++以下下書きから++

2020年代のUSメタルからオススメ曲を10曲選んでみます。70年代から連綿と続く「ヘヴィ・メタル」から大きく乖離せず、且つ2020年代という時代性を感じられるものを選んでみました。各アーティストおよび各曲について、英語版wikiの情報を要約して載せておきます。


Slipknot / The Dying Song (Time To Sing)

Slipknotはアメリカ合衆国アイオワ州デモイン出身のヘビーメタルバンドで、1995年に結成されました。バンドはその激しい音楽スタイルと、特徴的なマスクとユニフォームで知られています。バンドのメンバーは9人で、それぞれがバンド内でユニークなナンバーを持っており、この数字はバンドのイメージと密接に関連しています。Slipknotの音楽はヘビーメタル、ニューメタル、オルタナティブメタルなどのジャンルに分類されることがあります。

バンドはこれまでに数々のスタジオアルバムをリリースし、商業的にも成功を収めています。バンドのアルバムは、独自の音楽スタイルと力強いパフォーマンスで評価されています。Slipknotは全世界で数千万枚のアルバムを売り上げており、数々の音楽賞を受賞しています。

バンドはそのキャリアを通じて多くの困難に直面してきましたが、それでもなお、世界中で非常に熱心なファンベースを持っています。バンドの音楽は社会的、政治的、個人的なテーマを探求しており、多くのリスナーに強く共感を呼んでいます。

また、Slipknotはライブパフォーマンスでも非常に高い評価を受けており、そのエネルギッシュなステージパフォーマンスと観客との強力な相互作用で知られています。バンドは世界中でツアーを行い、数多くの音楽フェスティバルに出演しています。

"The Dying Song (Time to Sing)" はJoe Barresiのプロデュースの下、2022年7月19日にバンドのアルバム "The End, So Far" からの第二シングルとしてリリースされました​​。

曲の作成と歌詞について、リードシンガーのCorey TaylorはMetal Hammerのインタビューで、「この曲は共感と人間性の死について歌っている。テクノロジーが俺たちを社会の輪から、社会の礼儀から、社会の何からでも引き離してしまったためだ。頭を壁に打ち付けるような音楽だ。」と説明しています​。

レセプションについては、音楽ジャーナリストのJoe DalyはLouder Soundでこの曲の「[ギターの] ブリスタリングクランチ」と「雷鳴のような打楽器のレベル」を称賛し、「これはSlipknotの最新章への刺激的な紹介であり、すべてのものが年をとるにつれて穏やかになるわけではないことの確信的な証拠である」と書いています​。また、曲のテーマについては、曲が現代社会の怒りや対立のムードに屈することを「売り渡し」と見なしていると述べています​。


BARONESS / Last Word

Baronessはアメリカのヘビーメタルバンドで、ジョージア州サバンナ出身です。バンドは2003年に活動を開始し、オリジナルのラインナップメンバーはジョン・バイズリー、ティム・ルース、サマー・ウェルチ、そしてアレン・ブリックルで、彼らはバージニア州レキシントンで一緒に育ちました。バンドは数多くのラインナップの変更を経ており、バイズリーが唯一の常連メンバーとして活動しています​。

バンドの音楽スタイルは、スラッジメタル、プログレッシブメタル、およびオルタナティブメタルの要素を含むヘビーメタルで、Pitchforkはバンドのサウンドを「よりメタルな傾向と、何かもっと繊細でスペアなものを折り込んだロックミュージック」と表現しています​​。バンドは独自のアート感覚を伴うメタル・サウンドで知られており、ジョン・バイズリーが手がけるアートワークなどが一体化したマルチファセットな世界観が絶大な支持を得ているとされています​。

バンドは初めてのフルレングスアルバム "Red Album" を2007年にリリースしました。このアルバムは好評を博し、Revolver誌によって年間ベストアルバムに選ばれました。2009年には、セカンドアルバム "Blue Record" をリリースし、これもまた好評を博しました。バンドは数多くのバンドと共演し、数多くの音楽フェスティバルに出演しています​​。2023年9月15日に、バンドは新しいアルバム "Stone" をリリースしました。このアルバムは、前作から約4年ぶりの新作で、再び独自の美学と度重なるライブパフォーマンスで磨き上げられた孤高の芸術的ヘビーメタルを武器に、熱狂的な支持を集めています​。

"Last Word"はBaronessのバンドの6枚目のアルバム"STONE"からのリードシングルとしてリリースされました。この曲は2023年6月20日にリリースされ、公式のミュージックビデオも同日に公開されました​​。ミュージックビデオはBaronessのベーシストであるNick Jostが監督を務め、バンドの公式YouTubeチャンネルで公開されています​。

音楽的には、"Last Word"は壮大なスラッジメタルと、空を舞うようなシューゲイザーとプログレッシブロックの要素を含んでいます​​。この曲は、バンドのアルバム"STONE"が色にちなんで命名されていない最初のアルバムであることを象徴しています。バンドのボーカリストでギタリストのジョン・バイズリーは、この新しいリリースについて、「Baronessでは同じことを繰り返すのは好きではない」とコメントし、音楽は異なるものであるべきであり、ルールに従うのではなく、常に新しいものを探求することが重要であると述べています​。

また、"Last Word"はバンドが約4年ぶりにリリースした新曲であり、バンドのファンにとっては非常に期待されていた曲です​。そして、この曲はアルバム"STONE"の中で2番目のトラックとして収録されています​。


ANDREW W.K. / I'm in Heaven

Andrew W.K.(本名:Andrew Fetterly Wilkes-Krier、1979年5月9日生まれ)は、アメリカのロックシンガー、マルチインストゥルメンタリスト、ソングライター、レコードプロデューサー、およびモチベーショナルスピーカーとして知られています​​。彼はロック、メタル、およびポップ音楽の組み合わせ、特にパーティーをテーマにした賛美歌的な曲で知名度があります​​。

彼の音楽キャリアは17歳の時にソロ活動を開始し、バンド経験を基に自ら制作、レコーディング、プロデュースに取り組みました。18歳の時には、無限の可能性を求めてニューヨークに移住し、1999年には東海岸を中心にCDプレーヤー、キーボードとマイクだけのワンマン・ライブを行いました。そして、独立レーベルのBULB RECORDSから彼のデビューEP "GIRLS OWN JUICE"がリリースされました​。

Andrew W.K.は、1990年代半ばに音楽キャリアを開始し、地元のバンドで演奏する前にニューヨークへ移り、Andrew W.K.として初めてのレコードを制作しました​​。彼は2000年代初頭に、ロック、メタル、およびポップのハイブリッドで、これら3つのスタイルの最もパーティーかつ轟音な属性を戯画的に拡大したキャラクターでシーンに登場しました​。

彼はソロロックプロジェクトで知名度があり、最近ではモチベーショナルスピーカーという活動をはじめ、テレビシリーズ "Destroy Build Destroy"のホストも務めました。彼のソロディスコグラフィには、以下のアルバムが含まれています:

  • 2001年: "I Get Wet"

  • 2003年: "The Wolf"

  • 2006年: "Close Calls with Brick Walls"

  • 2009年: "55 Cadillac"

  • 2018年: "You're Not Alone"

  • 2022年: "God is Partying"​。

"I'm in Heaven"は2021年5月6日にリリースされました​1​​。この曲は、2021年9月10日にNapalm Recordsからリリースされたスタジオアルバム『God Is Partying』に収録されています​​。"I'm in Heaven"は、同年2月にリリースされたシングル“Babalon”に続く楽曲となっており、ヘビーメタル、インダストリアルメタル、およびオルタナティブメタルのジャンルに分類されています​​​。また、ANDREW W.K.はこの曲のプロデューサーも務めています​。

"I'm in Heaven"のミュージックビデオも公開されており、ANDREW W.K.の新しい音楽の方向性をファンに提示するものとなっています​​。この曲は、アルバム『God Is Partying』の中で6番目のトラックとして収録されています。


Cannibal Corpse / Summoned for Sacrifice

Cannibal Corpseは1988年にニューヨーク州バッファローで結成され、現在はフロリダ州タンパを拠点としているアメリカのデスメタルバンドです​。バンドはこれまでに16枚のスタジオアルバム、2つのボックスセット、4つのビデオアルバム、および2つのライブアルバムをリリースしています​。Cannibal Corpseは、スラッシュメタルやデスメタルのバンドに影響を受け、特に初期のアルバム、例えば『Butchered at Birth』(1991)や『Tomb of the Mutilated』(1992)のリリースを通じてカルト的なフォロワーを獲得しました​。

バンドの名前はベーシストのAlex Websterによって考えられ、結成以来いくつかのメンバーチェンジがありましたが、WebsterとドラマーのPaul Mazurkiewiczは一貫してバンドのメンバーとして残っています​。バンドのアルバムアートと歌詞はホラーフィクションやホラーフィルムから大いに影響を受けており、非常に議論を呼んでいます。何度か、ドイツやロシアなどのいくつかの国で、Cannibal Corpseのパフォーマンス、またはオリジナルのCannibal Corpseアルバムカバーの販売および表示が禁止されています​​。

Cannibal Corpseの歴史は、バッファロー地域の早期のデスメタルバンドであるBeyond Death、Tirant Sin、およびLeviathanのメンバーによって1988年12月にバンドが設立されたことから始まります。バンドは1989年3月にバッファローのRiver Rock Cafeで初めてのショーを行い、その短期間後に5曲入りのセルフタイトルのデモテープを録音しました。バンドは初めてのギグの1年以内にMetal Blade Recordsと契約を結び、バンドは1990年8月にデビューアルバム『Eaten Back to Life』をリリースしました​​。

バンドの音楽は、デスメタルのジャンルで非常に影響力があり、内容は非常に議論を呼ぶもので、その音楽と歌詞はしばしば暴力的で衝撃的なものとなっています​​。バンドは、デスメタルのスタイルを定義し、このジャンルの発展に大いに貢献してきました​。また、バンドは長い間活動しており、2021年には新しいアルバム『Violence Unimagined』をリリースし、Billboardのトップアルバムセールスチャートで初めてトップ10入りを果たし、14,000枚を売り上げました​。

++以上下書き、ここからは説明が簡素になります++

Deftones / Ohms

モダンメタルを追求するDeftones。いわゆる「わかりやすく開放的な歌メロ」や「わかりやすいギターリフ、技巧を見せる演奏」はあまりなく、音響にこだわりじっくり進む独特の音世界。考えてみたら日本のビジュアル系にも近いかも。実験的なバンドがけっこう多かったですよね。

1988年に結成され、1995年デビュー。初期はいわゆるNuMetalに分類されることが多かったもののすぐに枠からはみ出ていきます。3rd「White Pony(2000)」でグラミー賞を獲得。こちらは2020年リリースの5thアルバム「Ohms」からのタイトルトラック。


Avenged Sevenfold / Mattel

メタルコア的要素を持ちつつ正統派メタル(ドリームシアターのマイクポートノイを助っ人ドラムに迎えたり、メロディアスなツインリードがあったり)も持ち合わせたバンド。そうしたバンド群の中では一番成功しています。カリフォルニア出身で、略称は「A7X」。「Avenged Sevenfold」というバンド名は旧約聖書の創世記に登場するカインとアベルの物語に由来し、カインがアベルを殺した罪により「七倍の復讐を受ける」とされる一節からインスピレーションを受けたものだそう。

この曲はかなり実験的な作風に踏み込んだ2023年作「Life Is but a Dream...」からのナンバー。このアルバム、実験的すぎてチャート的にはかなり厳しい状況でしたが、、、メタル系のアルバムって、最高位のチャートが低くても「じわじわ売れ続ける」ことが多いので評価がすぐにはわからないんですよね。Metallicaの1stなんかもほとんどチャートインしたことがないけれどずっと売れていて今やUSで数百万枚売れているそうだし(本当なのだろうか)。A7Xもツアーは盛況なようだし、次作以降の方向性で「このアルバムは転換点にあった重要な作品」となるのか「過渡期の失敗作」とされるのか分かれる気がします。なんとも評価しがたいアルバムなんですよね。


Shinedown / A Symptom Of Being Human

オルタナティブハードロックバンドのShinedown、ゴリゴリのメタルというよりは「現在のUSハードロック」というイメージですね。ライブをDownload Festivalで見ましたがすごくまとまっていてプロフェッショナル。歌メロも深みがあっていいし、90年代に出てきたらもっと日本でも知名度が出ていただろうなぁ。2001年結成、2003年アルバムデビュー。3-4年おきにコンスタントに新作をリリースしており、現在までに7枚のアルバムを出しています。この曲は最新作「Planet Zero(2022)」から。またライブが観たいバンド。


System Of A Down / Genocidal Humanoidz

90年代後半~00年代初頭、オルタナティブメタルの筆頭と呼べる存在だったSOAD。2006年に活動休止し、2011年に再結成はするもツアー中心で新曲はリリースされなかったのですが、突如2020年に出した新曲がこちら。このとき彼らの祖国アルメニアで紛争があり「Protect the Land」「Genocidal Humanoidz」の2曲を発表しています。

バンドメンバー全員アルメニア系アメリカ人。なので、節回しがエキゾチックです。アルメニアの歴史や文化が楽曲に影響を与えている。ある意味「グローバルメタル」というか、「US音楽史以外の音楽要素を取り入れた”オルタナティブメタル”」の先駆け。BloodywoodやThe HUの大先輩ですね。


MACHINE HEAD / CHØKE ØN THE ASHES ØF YØUR HATE

1990年代に結成されたマシーンヘッド。Deep Purpleの名作名を冠していますが音楽的にはグルーヴメタル色が強いですね。グルーヴメタルを代表するバンドの一つ。90年代の印象が強いですがバリバリ現役でコンスタントに新作を発表しています。97年から03年の間が空いているので、一度ここで休止したんだっけな。この曲は2022年の7th「Øf Kingdøm and Crøwn」から。中心人物のロブ・フリンはもともとForbiddenやVio-Lenceといったスラッシュメタルバンドで活動していました。


BAD OMENS / Like A Villain

2015年結成、今回のリストの中で一番若いバンドですね。というか自分で選んでおいてなんだけれど、けっこうベテランの作品が多いな。ある程度「90年代の雰囲気を残しつつ、2020年のサウンドを出しているバンド」を意識して選んだ気がします。NuMetal、メタルコアを基盤とした、さらにその次の世代のバンド達ではなく、70年代80年代90年代のハードロック、ヘヴィメタルをルーツにしつつ現代にアップデートしているバンドを選んでいる。その中でこのバンドは完全にメタルコアですね。とはいえ、メタルコアの中ではかなりメロディアスなバンド。2022年の3rd「The Death of Peace of Mind」からのナンバーです。このアルバムでメロディアスに化けました。


以上、10曲でした。90年代、00年代の要素を持ちつつ2020年らしさを感じられる、という視点で、「90年代メタルは好きだけど2020年代のメタルをあまり聞いたことがない人」に向けたリストですね。というか、僕自身がそうだったので笑 大きく言うと、最近のメタルってハードコアの要素がかなり強まってきている気がします。で、ハードコア由来のものって80年代、90年代からありましたがそこまで主流じゃなかった。現代メタルコアはまた掘っていきたいと思いますが、今回のリストは「90年代メタル」と「現代メタル」をつなぐような10曲ということで。

それでは良いミュージックライフを。

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