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アメリカでハードロックやメタルは何が売れていたのか? 2010-2019
前回、2020年代の5年間を調べてみましたが、今回は2010年代の10年間を。今度は数が多いので、抜け漏れもそれなりにありそうですが傾向は分かると思います。
今回の基準は基本前回と同じ。Billboardのハードロックアルバムチャートにランクインしており、かつ、Billboard 200(メインチャート)でトップ10入りを果たしているもの。ただし、数が多いので今回はビルボード基準で「ハードロック」とされているものに絞っています。
最初に全体の所感を。
全体の感想
・やっぱり売れている層が幅広い、1位も多い。改めて見ると2010年代はけっこうハードロック、メタルブームだったのかもしれない。2020年代になって一気に失速、多分一番大きいのはコロナの影響。2020年代はAC/DC(とレッチリ)しか1位がない。
・ここでチャートインしているバンドの新譜が軒並み2020年代では10位以内から落ちている(A7X、Mastodon、Dream Theater、Volbeat、Black Label Society、Disturbed、Judas Priestなど)。この中で2020年代も生き残っているのはDeftones、Shibedown、Five Finger Death Punchは人気を維持している。5FDPは人気が根強い。
・2010年代は「80年代リバイバル」が表面化していた時代だったとも言えるかもしれない。いろんなアルバムの「30周年記念盤」とか出たし。そして2020年代に比べると新譜もまだ聞かれていたけれど、旧譜の方が盛ん。考えてみたら、1980年代から活動しているバンドなら新譜より旧譜の方がいろんな意味で完成度も物語性も高い。それで物足りなくなるファン、ずっと追っているファンが新譜を買うわけで、入り口としては旧譜の方がいいですよね。今からワンピース読むとして100巻から読む人はほとんどいないわけで、やはり1巻から読むでしょう。漫画ほど音楽は連続していないけれど、やっぱり「よく話題になる盛り上がったころ」というのはあるわけで、黄金期からそりゃあ聞くよなぁ。ストリーミングで同列に聞けるし。時代を経るにつれてこの傾向がさらに顕著化している気がする。
・そういう「新しい黄金期」を迎える若いバンドが必要。新連載ですね。
・ちなみに、2020年代は「90年代リバイバル」が表面化している気もする。
・前回(2020年代の記事)でも書いたけど、2020年代後半は激しいロックが復活してほしい。復活リンキン・パーク、新星スピリットボックス、他にも注目株はいる。この辺り、「次代を担うヘッドライナー候補」についてはまた別途記事にしようと思う。
アーティスト名 / アルバム名 (リリース日) 最高順位
2010 13枚
Slash / Slash (2010/04/06) Billboard 200最高位 3位
Bullet for My Valentine / Fever (2010/04/27) Billboard 200最高位 3位
Godsmack / The Oracle (2010/05/04) Billboard 200最高位 1位
Deftones / Diamond Eyes (2010/05/04) Billboard 200最高位 6位
Ozzy Osbourne / Scream (2010/06/22) Billboard 200最高位 4位
Hellyeah / Stampede (2010/07/13) Billboard 200最高位 8位
Korn / Korn III: Remember Who You Are (2010/07/13) Billboard 200最高位 2位
Avenged Sevenfold / Nightmare (2010/07/27) Billboard 200最高位 1位
Buckcherry / All Night Long (2010/08/03) Billboard 200最高位 10位
Iron Maiden / The Final Frontier (2010/08/17) Billboard 200最高位 4位
Disturbed / Asylum (2010/08/31) Billboard 200最高位 1位
Stone Sour / Audio Secrecy (2010/09/07) Billboard 200最高位 6位
Linkin Park / A Thousand Suns (2010/09/14) Billboard 200最高位 1位
2010年はかなり豊作、スラッシュのガンズ復帰は2016年だからこの時はソロアーティストですね。イギリスのバレットフォーマイバレンタインもアメリカでもこんなに売れていたのか。時代的にUKニューコアの祖的なバンドだと思います。こうした音楽性のリーダー的存在で言うとリンキン・パーク→BFMV→A7X→BMTHというUSとUKのピンポン的なイメージが個人的にある。
バックチェリーはこの頃が最盛期かな。最近ちょっと落ちてきていますが。グラムメタルを受け継ぐバンド。メイデンはこの頃からベスト10常連になりましたね。なんでなんだろう? 南米での人気、ラテン圏での人気が在米ヒスパニックの支持に繋がりランキングを底上げしたのかなぁ。
ゴッドスマック、ヘルイェー、ストーンサワーあたりはアメリカで人気ですね。そんなに聴いたことがないバンド。ディスターブドは1位。めちゃアメリカで人気。2020年代になるとトップ10に入らなくなりますが、また復活しそう。リンキン・パークはチェスター時代ですね。こちらも1位。A7Xも1位。ニューメタル、NWOAHMが商業的にまだ強い頃。
2011 9枚
Asking Alexandria / Reckless & Relentless (2011/04/05) Billboard 200最高位 9位
Sixx:A.M. / This Is Gonna Hurt (2011/05/03) Billboard 200最高位 10位
Seether / Holding Onto Strings Better Left to Fray (2011/05/17) Billboard 200最高位 2位
Dream Theater / A Dramatic Turn of Events (2011/09/13) Billboard 200最高位 8位
Chickenfoot / Chickenfoot III (2011/09/27) Billboard 200最高位 9位
Evanescence / Evanescence (2011/10/11) Billboard 200最高位 1位
Five Finger Death Punch / American Capitalist (2011/10/11) Billboard 200最高位 3位
Nickelback / Here and Now (2011/11/21) Billboard 200最高位 2位
Korn / The Path of Totality (2011/12/06) Billboard 200最高位 10位
メタルコアのアスキングアレクサンドラが9位。名前は知っていたけれどトップ10に入るほど人気だったとは。この頃は新星ですね。
モトリーのニッキーシックスもランクイン、この頃モトリーは休止中かな。グラムメタルが生き残っている。seetherは知らなかった。この頃、アメリカでトップ10に入るほどのバンドでも日本で知名度低いバンドけっこういますね。まぁ、90年代からいましたけど。Creedとか。
忘れてたのがドリームシアター。そうだった、マンジーニ加入後しばらくはトップ10に入るほど売れていたんですよね。その頃に比べると少し人気は下降していて、テコ入れがポートノイ復帰だったのか。確かに、マンジーニ入って数作はフレッシュな感じがありました。だんだんマンネリ化した気はする。
サミーヘイガーとジョーサトリアーニ他スーパーバンドのチキンフットもランクイン。エヴァネッセンスも2010年代でも1位取るほどアーティストパワーあったんですね。ニッケルバックもこの頃は健在。あとは5FDPは2020年代と変わらぬパワー。
2012 5枚
Stone Sour / House of Gold & Bones – Part 1 (2012/10/22) Billboard 200最高位 7位
Shinedown / Amaryllis (2012/03/27) Billboard 200最高位 4位
Marilyn Manson / Born Villain (2012/05/01) Billboard 200最高位 10位
Slash feat. Myles Kennedy & The Conspirators / Apocalyptic Love (2012/05/22) Billboard 200最高位 4位
Linkin Park / Living Things (2012/06/26) Billboard 200最高位 1位
シャインダウンも出てきます。でも2000年代から売れてるから新人という感じでもない。他はお馴染みのメンツ。ストーンサワー売れてますね。リンキン・パークは1位。メテオラ以降少しずつ失速していった印象ですが、それでも新譜を出せば1位ですね。スラッシュはボーカルのマイルスケネディを前に出してきた。2年間隔でニューリリースとは多作。
2013 14枚
Black Veil Brides / Wretched and Divine: The Story of the Wild Ones (2013/01/08) Billboard 200最高位 7位
Bon Jovi / What About Now (2013/03/12) Billboard 200最高位 1位
Volbeat / Outlaw Gentlemen & Shady Ladies (2013/04/09) Billboard 200最高位 9位
Stone Sour / House of Gold & Bones – Part 2 (2013/04/09) Billboard 200最高位 10位
Alice in Chains / The Devil Put Dinosaurs Here (2013/05/28) Billboard 200最高位 2位
Megadeth / Super Collider (2013/06/04) Billboard 200最高位 6位
Black Sabbath / 13 (2013/06/11) Billboard 200最高位 1位
Skillet / Rise (2013/06/25) Billboard 200最高位 4位
Five Finger Death Punch / The Wrong Side of Heaven and the Righteous Side of Hell, Volume 1 (2013/07/30) Billboard 200最高位 2位
Asking Alexandria / From Death to Destiny (2013/08/06) Billboard 200最高位 5位
Avenged Sevenfold / Hail to the King (2013/08/27) Billboard 200最高位 1位
Dream Theater / Dream Theater (2013/09/24) Billboard 200最高位 7位
Pearl Jam / Lightning Bolt (2013/10/15) Billboard 200最高位 1位
Five Finger Death Punch / The Wrong Side of Heaven and the Righteous Side of Hell, Volume 2 (2013/11/19) Billboard 200最高位 2位
大豊作の年。ブラックヴェイルブライドってこんなに売れていたのか。ゴシックメタルですね。
ボンジョビも1位。ある時期からだいぶマンネリな気もしますが、売れ続けているのは凄い。アメリカの若者からするとどう見えてるんだろう? メタルとかハードロックの人というより、アダルトなロックの人みたいな感じなのかな。
ヴォルビートがビルボードトップ10に入っている。最近アメリカでは失速していますが欧州では存在感を増していますね。いいバンド。またアメリカでも売れてほしい。
他は復活アリスインチェインズか。このタイミングで復活だったはず。あ、違うか、2009年復活で、これは復活後第二作ですね。トップ10入り。
復活したのはブラックサバス。13で、ついに全米1位。オジーのソロを含め、全米1位は初(チャートアクションは地味でもじわじわ売れたアルバムは多いですが)。復活作にして最終作で有終の美。
他はメガデス、5FDP強し。skilletは知りませんでした。A7Xが全米1位。A7Xはこの辺りまでがアーティストパワーに勢いがあった頃ですね。次作からは拡散、実験的になっていく。過渡期なのか、バンドの方向性がバラけたのか…。なんだか下世話で流行りモノ感があるのに以外と欧州ヘヴィメタルの美味しいところも摘んだような、新世代ならではの摘み食い編集感覚はけっこう好きだったんですけどね。
アスキングアレクサンドラ、ドリームシアターも売れてます。
2014 9枚
Chevelle / La Gárgola (2014/04/01) Billboard 200最高位 3位
Black Label Society / Catacombs of the Black Vatican (2014/04/08) Billboard 200最高位 5位
Seether / Isolate and Medicate (2014/07/01) Billboard 200最高位 4位
Judas Priest / Redeemer of Souls (2014/07/08) Billboard 200最高位 6位
Godsmack / 1000hp (2014/08/05) Billboard 200最高位 3位
Slash feat. Myles Kennedy & The Conspirators / World on Fire (2014/09/16) Billboard 200最高位 10位
Slipknot / .5: The Gray Chapter (2014/10/21) Billboard 200最高位 1位
Nickelback / No Fixed Address (2014/11/17) Billboard 200最高位 4位
AC/DC / Rock or Bust (2014/11/28) Billboard 200最高位 3位
シボレーが出てきました。2000年代から売れているのでこの頃はもうヒットチャート常連ですね。
意外なのはブラックレーベルソサイエティ。こんな売れてたの!? ザックワイルドのバンドですね。知名度はあるし好きだけれど、セールス的にはもっと低いかと思っていた。プライドアンドグローリーとかそんなに売れてはいなかったし。この頃がセールス的にはブレイクしていますね。
スラッシュはまた新譜出しています。旺盛。この当時は本家よりもガンズの幻想に応える存在だったんじゃないかなぁ。
ジューダスプリーストも上位に。ギタリストがリッチーフォークナーに変わっての復活作ですね。チャート的には最高順位、初のトップ10入り。一度引退を決意したバンドが、その後見事に再生して過去最高位を叩き出すドラマ。
スリップノットは1位、アーティストパワーが頭抜けています。ニッケルバックもこの頃はまだパワーあり。AC/DCは3位。2020年代になってここから1位まで上がるのが不思議。もう復活できないだろうと思われたところから復活したというドラマが効いたんですかね。
2015 12枚
Marilyn Manson / The Pale Emperor (2015/01/20) Billboard 200最高位 8位
Halestorm / Into the Wild Life (2015/04/14) Billboard 200最高位 5位
Breaking Benjamin / Dark Before Dawn (2015/06/23) Billboard 200最高位 1位
Lamb of God / VII: Sturm und Drang (2015/07/24) Billboard 200最高位 3位
Disturbed / Immortalized (2015/08/21) Billboard 200最高位 1位
Ghost / Meliora (2015/08/21) Billboard 200最高位 8位
Five Finger Death Punch / Got Your Six (2015/09/04) Billboard 200最高位 2位
Iron Maiden / The Book of Souls (2015/09/04) Billboard 200最高位 4位
Bring Me the Horizon / That’s the Spirit (2015/09/11) Billboard 200最高位 2位
Slayer / Repentless (2015/09/11) Billboard 200最高位 4位
Shinedown / Threat to Survival (2015/09/18) Billboard 200最高位 6位
Def Leppard / Def Leppard (2015/10/30) Billboard 200最高位 10位
マリリンマンソンは変わらずトップ10に。多少アーティストパワーに翳りは見られるもののスキャンダルがあるまで着実に売れていました。
リジーヘイル擁するヘイルストームがトップ10に登場。この頃は勢いがありますね。2020年代はどうも勢いが減ってしまったけれど、素晴らしいボーカルなのでまた勢いを取り戻してヘッドライナークラスまで上り詰めてほしい。
メイデンも安定してチャートイン。凄いな。トップ10に入るようになったのは2010年代以降なんですよね。全体的にフィジカルのセールスが落ちる中、固定ファン層が強いアーティストが相対的に浮き上がってきたのか。メイデンはUKで最もTシャツを売るアーティストだそうで、グッズすら買うほどの固定ファンはそりゃ新譜出たら買いますよ。
ブレイキングベンジャミン、ブリングミーザホライゾン、ラムオブゴッドといったメタルコアの面々もトップ10にチャートイン。BMTH、アメリカでもしっかり売れていたんですね。最近はUKでの人気とUSでの人気に差がある印象ですが、この頃はUSでもしっかり売れていた。
ゴーストがトップ10に上がってきました。ここから常連に。スウェーデンのメタルバンドがここまで売れるのはヨーロッパ以来な気がする。
スレイヤーの現在までの最終作もランクイン。ジェフハイネマンを失って最初の作品。スレイヤーって、ハイネマンがメインソングライターだったんですよね。6-7割がハイネマンで残りがキング。このアルバムはキング主導の初の作品。それなりにチャートアクションもよく、今聴くと悪くないのだけれど当時はそこまでファンから評価されなかった記憶が。
ディスターブドは1位。この頃はスリップノットとディスターブドが勢いで言えば2強の印象です。それに次ぐのがA7Xと5FDP。
2016 13枚
Megadeth / Dystopia (2016/01/22) Billboard 200最高位 3位
Anthrax / For All Kings (2016/02/26) Billboard 200最高位 9位
Asking Alexandria / The Black (2016/03/25) Billboard 200最高位 9位
Deftones / Gore (2016/04/08) Billboard 200最高位 2位
Rob Zombie / The Electric Warlock Acid Witch Satanic Orgy Celebration Dispenser (2016/04/29) Billboard 200最高位 6位
Volbeat / Seal the Deal & Let’s Boogie (2016/06/03) Billboard 200最高位 4位
Chevelle / The North Corridor (2016/07/08) Billboard 200最高位 8位
Skillet / Unleashed (2016/08/05) Billboard 200最高位 3位
Alter Bridge / The Last Hero (2016/10/07) Billboard 200最高位 8位
Korn / The Serenity of Suffering (2016/10/21) Billboard 200最高位 4位
Avenged Sevenfold / The Stage (2016/10/28) Billboard 200最高位 4位
Bon Jovi / This House Is Not for Sale (2016/11/04) Billboard 200最高位 1位
Metallica / Hardwired… to Self-Destruct (2016/11/18) Billboard 200最高位 1位
メガデスは安定のチャートイン。よく売れるなぁ。そしてアンスラックスもチャートインしてきますね。
ボンジョビはこの時も1位。根強いなぁ。リッチーサンボラが抜けるタイミングだったかなぁ、「この家はまだ売りに出されていない」って、バンドはなくならないぜ的な意思表示。このアルバムはマンネリ気味な近作の中でもやる気を感じたアルバムだった記憶があります。
デフトーンズは2位。ヴォルビートも2作続けてランクイン。コーンも強いですね。1位までは行かないけれど、安定。そしてアルターブリッジ(元クリードのギタリスト、マイクトレモンティが率いるバンドでボーカルがマイルスケネディ)がチャートイン。スラッシュとケネディが組んで知名度が上がった効果もあるのだろうか。まぁ、デビュー作も5位まで上がっていたし、もともと人気はあるバンド。
ロブゾンビ強い、ゾンビのようにしぶといですね。というか、ホワイトゾンビ時代もそんなにバカ売れはしていなかった気がしますが…マリリンマンソンと同じくらいのアーティストパワー。
メタリカの新譜はこの年のメタル界の最大の話題でしょうね。悠々の1位。でも、スレイヤーのアルバムも一年ずれていればスラッシュ四天王すべてがビルボードトップ10に入る記念すべき年になっていましたね。80年代からすると考えられないチャートアクション。チャート順位だけで言えば一番スラッシュメタルが流行っている年と言える。まぁ、80年代は50位以下でもずっと売れ続けて、気がつけばゴールドディスクとかプラチナディスクとか獲っていたので、一瞬だけトップ10に入るこの頃より昔の方が合計では売れていたんですが。でも新譜を楽しみにして、リリースしたら買う層がしっかり根付いている。30年経っても残っているというのは凄い。考えてみたらメタルマスター(1986)から30年の年ですね。
2017 6枚
Mastodon / Emperor of Sand (2017/03/31) Billboard 200最高位 7位
Linkin Park / One More Light (2017/05/19) Billboard 200最高位 1位
Nickelback / Feed the Machine (2017/06/16) Billboard 200最高位 5位
Stone Sour / Hydrograd (2017/06/30) Billboard 200最高位 8位
Queens of the Stone Age / Villains (2017/08/25) Billboard 200最高位 3位
Prophets of Rage / Prophets of Rage (2017/09/15) Billboard 200最高位 4位
マストドンがチャートイン。通好みのバンドですがトップ10に入ってくるのは凄い。ニッケルバック、ストーンサワーもチャートイン。ニッケルバックって2000年代がピークでそこから人気が衰えたような気がしていたんですが、2010年代もずっとトップ10に入るパワーがあったんですね。
リンキン・パークも1位。チェスターの最後の作品。かなり賛否両論あった作品だという理解ですが、それでも1位だったんですね。2000年代の圧倒的なパワーが残っている。2024年の復活作が2位だったのが惜しい。ここからまた圧倒的王者に返り咲くか。
prophet of rageはRATMやサイプレスヒル、パブリックエネミーのメンバーが組んだスーパーバンドですね。チキンフット的なプロジェクトバンド。今のところリリースもこの一作のみ。
2018 8枚
Black Label Society / Grimmest Hits (2018/01/19) Billboard 200最高位 4位
Judas Priest / Firepower (2018/03/09) Billboard 200最高位 5位
Breaking Benjamin / Ember (2018/04/13) Billboard 200最高位 3位
Shinedown / Attention Attention (2018/05/04) Billboard 200最高位 5位
Five Finger Death Punch / And Justice for None (2018/05/18) Billboard 200最高位 4位
Ghost / Prequelle (2018/06/01) Billboard 200最高位 3位
Greta Van Fleet / Anthem of the Peaceful Army (2018/10/19) Billboard 200最高位 3位
Disturbed / Evolution (2018/10/19) Billboard 200最高位 4位
ブラックレーベルソサイエティがまたしてもチャートイン。なんだか2010年代後半はドゥーム、スラッジ的な重くてヘヴィなバンドが売れてますね。マストドンしかり。
ジューダスプリーストは2作連続でチャートイン、かつ、自己最高位更新。驚きの快進撃。
ゴーストはここでもしっかりチャートインして一発屋を脱却。このあたりからヘッドライナークラスの風格が出てきたような。何せ欧州でも強いですからね。USでも欧州でも強い。
新星グレタヴァンフリートもここで登場。一発屋に終わらなかったのは2020年代で触れた通り。ただ、彼らってメタル界とは距離を置いているんですよね。メタル系フェス(WackenとかHellfestとか)では見かけない。日本だとサマソニには出ましたが、ラウパには出ない的な。あくまでハードロックなんでしょう。分かる気はする。
ディスターブドは少しアーティストパワーに翳りが出てきて4位。Disturbedってビートが強いんですよね。独特のノリがあって、ある意味AC/DCタイプのバンドとも言われている。グルーヴメタル世代のAC/DC。なのでマンネリズム感はあるのだけれど、安心のDistubed印的な。こういうバンドは息が長い気がします。
2019 5枚
Mötley Crüe / The Dirt Soundtrack (2019/03/22) Billboard 200最高位 10位
Rammstein / Rammstein (2019/05/17) Billboard 200最高位 9位
Slipknot / We Are Not Your Kind (2019/08/09) Billboard 200最高位 1位
Tool / Fear Inoculum (2019/08/30) Billboard 200最高位 1位
Korn / The Nothing (2019/09/13) Billboard 200最高位 8位
モトリークルーがドキュメンタリー番組から復活。ただ、グラムメタルの復興というより2010年代に通底していた「1980年代リバイバル」の一つの象徴的な出来事かも。これは2020年代も続いていて旧譜は売れていますが、新譜のパワーはより一層衰えている気がします。メタリカもリンキンパークも1位取れないし。リンキンパークなんかは完全に新章だから面白いと思うんですけれどね。まぁ、最初からトップをとるより、これから上っていく方がストーリー的には面白いか。
コーンは変わらずパワーがありますが、さすがに少しづつ下降気味。Toolは寡作なのがいい方向に作用していますね。1位を獲得。Rammsteinも同じく希少性か。トップ10に入るのは凄いですけれどね。この次のアルバムはあまり間があかなかったこともありトップ10入りは逃します。スリップノットは1位。2010年代の覇者。
以上、2010年代を見てきました。けっこう日本では聞かないバンドもあり興味深かったです。
それでは良いミュージックライフを。