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Busiswa / My Side Of The Story (2020、南アフリカ)
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おススメ度 ★★★★★
BusiswaまたはBusiとして知られているBusiswa Gqulu(1988年11月8日生まれ)は、南アフリカの東ケープ州、マタタで生まれたシンガーソングライター兼詩人です。15歳の時から詩を書き始め、詩人(Poet)としての活動を最初に始めたそう。ラッパーみたいなものでしょうか。詩の朗読などのイベントを開催しながら、歌手としても活動を始めたようです。詩の朗読とヒップホップ的なもの、歌が密接に繋がっている(それほど明確に区別されていない)のかもしれません。こちらは2020年リリースの3枚目のアルバムでアマピアノスタイルで制作されたアルバム。MTVアフリカで最優秀女性賞を獲得したアルバムです。
アマピアノ(南アフリカで話されているズールー語で「ピアノ」の意味)とは2012年に南アフリカで登場したハウスミュージックのスタイルとされていて(起源はたいていの音楽ジャンルと同様に曖昧)、シンセ、風通しの良いドラムサウンド、広いパーカッシブなベースラインが特徴のディープハウス・ジャズ・ラウンジミュージックなどのハイブリッドで、甲高いピアノのメロディー、クワイト(アフリカ発の別のハウスミュージックのサブジャンル)のベースライン、90年代のややスローなテンポの南アフリカのハウスリズムに、バカルディとして知られる別の地元のサブジャンルのパーカッションが特徴。2020年ごろからUKでもヒットし始め、なんとなく今のトレンドのビートになりつつある様子。確かに特徴的なサウンドですね。このアルバムは全体がアマピアノスタイルで作られたサウンド。
ドライブしながら聞いていたので各曲細かく聞いていませんが、聞いていて心地よかったしリズムの特異性が十分感じられました。ノリは良いのだけれどリズムループを理解しようとするとなかなか複雑。わかりやすい曲の中にもリズムの坩堝があって、ドライブで流して心地よいほどとっつきやすいのにしっかり奥深い世界が息づいている感じがGood。これはワールドミュージックとして掘り出し物だと思います。適度に明るくパーティー感もあり、きちんと音楽的豊饒さも感じされる良作。女性ボーカルのアフリカ音楽としてはかなり洗練されているので、「2020年代のアフリカ音楽」としてもおススメだし、「アマピアノってどんなものだろう」と思った方(僕もそう)にもおススメ。