42.UK発、パンキッシュでホラーな新星 = Creeper
Creeperは2014年デビュー。イギリス、サウサンプトン出身のバンドです。2014年のデビューEP「creeper」で注目を浴び、Roadrunnerと契約。2015年にはUK最大のロックフェスであるDownload Festivalに参加。2016年のKerrang! AwardではBest British Newcomerに選ばれます。2017年に1stアルバム「Eternity, in Your Arms」をリリース。この曲は2020年リリース予定の2ndアルバム「Sex, Death & the Infinite Void」からのシングルカット。今、勢いのある新世代のUKロックバンドです。音楽性はホラー・パンクやゴシック、エモ、メタルなどの影響を感じるものがあり、MisfitsやMy Chemical Romanceの影響を公言しています。Kerrang!誌は世界有数のHeavy Metal雑誌であり、創刊当時のBurrrn!はKerrang!誌の対抗馬として作られました。とはいえ、Kerrang!はラウドロック、Heavy Rockと呼ばれるものなら一通り掲載しており、日本だとパンクやハードコア、ポストロックに分類されるバンドも積極的に取り入れています。これはDownload Festivalのラインナップにも見て取れますね。今やメタルが懐メロになりつつある日本と違い、「若者の音楽」としてリアルタイムで変容している印象を受けます。
個人的には一時期のMercury Prizeで受賞したポストロック勢、The XXやalt-J、また、ColdplayやMuse、Elbowなどの「現在進行形のUKロックバンド」らしさを持ちつつ、メタル的なエッジも感じる新世代としての魅力を感じます。もう1曲、1stアルバムからの曲を紹介しましょう。この曲はリフはメタルらしいエッジを感じます。AメロはUSメロコア的でもありますが、サビが英国的。
もう1曲、サビがちょっとMeat Loafっぽい曲を。
独特な雰囲気があり、今後が楽しみなバンドです。
他にも「今のUKロック」色を感じるヘヴィなバンドを紹介します。
Dream Stateも2014年結成、サウスウェールズ出身のポストハードコアバンドで、女性のメインボーカルと、主にスクリーム担当の男性ボーカルがいます。2019年に1stアルバム「Primrose Path」をリリース。こちらはそのアルバムからのリードトラック。男女ボーカルのメタルコアバンドはEvanessenceなどが思いつきますが、最近のUKらしい浮遊感が感じられます。なお、USにもアリゾナ州出身のDream Stateというエモバンドがいますが関係はないようです。
Holding Absenceは2015年にウェールズで結成されたポストハードコアバンド。Dream Stateよりも浮遊感の強い音作りですが、ボーカルが男性のみなのでスクリーム要素が強い。1stアルバム「Holding Absence」を2019年にリリース。こちらは1stアルバムからのリードトラック。デビューアルバムとは思えない壮大な世界観を描いています。
ラストは2010年、The XXのデビューアルバムから。ヘヴィさはありませんが、2010年代のUKロックに通底する浮遊感と洗練された孤独感を具現化したアルバムだったと思っています。
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