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sigh sign sing(春ねむり、hea、大槻美奈) 2022.5.13@下北沢 CLUB Que

春ねむりのライブを観てきました。音源が素晴らしかったので「ライブを観たい」と思い立ち早速。期待をはるかに上回る感動のライブでした。思ったより小柄で華奢、且つ存在感がある。エネルギーの発散量が凄い。北米ツアーを経てきたからなのか、ステージ慣れしていて場の支配力と対応力が高い。MCも過剰ではなくかといって空気を換えるには十分でライブ全体をひたすら楽しめました。

ライブセットは基本的に音源を流して一人でパフォーマンスする、水曜日のカンパネラとかアイドルライブ形式。なんですが、けっこう音響も攻めていた。基本的には録音音源に沿っていますが、マニピュレーター(PC操作する人)がリアルタイムでミキシングをしているのか、どんどん音が尖っていく、大きくなっていくんですよね。途中、電子音の洪水みたいになって、一歩間違うと事故というか単にうるさいだけ、ハウリングノイズみたいになるギリギリをうまくコントロールしていました。昔、ヤン富田のライブで電子音の洪水を浴びたのを思い出したぐらい。とにかくどんどん音量が大きくなって、耳を通じて殴られるようなダメージ。明らかに音のバランスとしては何か所かで破綻したのだけれど、それがステージ全体の演出としてよく考えられていた。すごく肉体的な、「ライブ会場に足を運んでよかったなぁ」という「その場にいないと体感できない感覚」を覚えました。とにかくすごいライブアクト。

冒頭に北米ツアーのダイジェストを貼りましたが、2021年のオンラインのSXSWも貼っておきます。これはライブの迫力の一端を伝えているかも。

なお編成こそ「アイドル的」と書きましたが、アイドルライブ的な「予定調和」はほとんどなし。ライブのノリは本気でハードコア、パンクでした。ボーカルパフォーマンスのレベルも高い。エフェクターや音声補正、打ち込みサウンドに頼るのではなく「自分の声」できちんと対峙している。スクリームもしっかり迫力があるんですよね。本格的なグロウル。本物のアーティスト。

PCとボーカルミキサーのステージセット

他の二組も感想を書いておきます。オープニングアクトが大槻美奈。

ピアノ弾き語りのスタイルですがルーパー(エドシーランとかタッシュスルタナが使う奴)を活用して一人多重演奏をリアルタイムで作り上げていく。とにかくピアノが上手かった。もともとジャズの人なんでしょうか。かなり難しいフレーズやコードを滑らかに弾いていきます。緊張しているのが伝わってきましたがミスタッチはほとんど感じられず完成度が高い。凄い才能を感じました。一聴して印象に残ったのが作成中のニューアルバム収録予定というこちらの「機械」。

↑…あれ、動画が削除されてしまったようなので別のライブを貼っておきます。こちらはピアノ弾き語りではなくバンド編成だったライブの様子。

もう一組がhea(ヒア)。一応Youtubeで軽く映像を見ていったのですが、もっとオーガニックなジャムバンドかと思っていたら全然違ってシューゲイズとかブリットポップ、90年代~00年代のUKロック的なバンドでした。

ボーカルがフィリピン人、ギターがフィリピン人とのハーフだそう。MCの日本語はめちゃ流暢だったので、日本で生まれ育ったのでしょうか。本来は女性メンバーを含めて5人編成だそうですが今日は4人編成。

ギターの音色も多彩だったし、リズム隊も安定していた。心地いいサウンドでした。

こういうライブハウスのライブもいいなぁ。今日は音楽の魅力を十二分に体験できた素晴らしいイベントでした。外に出て少し下北沢を散歩。この町も久しぶりに来た。

やはり居心地がいい町ですね。それでは良いミュージックライフを。


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