チェックインという文化が働き方をよくする
発酵食を次世代に届けるアグクル代表の小泉泰英です。
チェックインをご存じでしょうか?
私が初めてチェックインを聞いたときは、受付か何かかと思っていた。
しかし私の想像とは全然異なっていた。
私が初めてチェックインを経験したのはMAKERS UNIVERSITYという若き起業家の卵が集う学校でのことだった。
チェックインでは、みんなで集まって、今日一日に入っていけるように、意気込みを語ったり、最近あった喜びを共有したりする。
最初は「何の意味があるのだろうか?」なんて思っていたけれど、2020年から私たちアグクルでも毎日実施するようになった。
チェックインは会社と個人をつなぐ余白でもあり、社内の人と人とをつなぐ目には見えない糸であるからだ。
朝、社内でみんなで集まって始まるチェックイン
アグクルには現在全部で6人の仲間が働いてくれている。
私と同世代が3人と、子育て中のママさんが3人で、毎日みんなが来るわけではないけれど日によって3~4人くらいが集まる。
出勤して、3人くらい人が集まると私が「今日のチェックインも始めましょうか!」と声をかけ、みんなが一つの机に集まって、チェックインが始まる。
話すのは誰からでもいい。
何を話せばいいのかも自由だ。
昨日あった嬉しい話でもいいし、今日一日の宣言でもいいし、最近悩んでいる話でもいい。
だいたい私は毎日の人生での気づきを周りの仲間に共有する。
少しでも仲間のことが知りたかった。
先にも話したけど、チェックインを始めたのは今月からである。
なぜ始めたのか、それは私が仲間のことをもっと知りたかったからである。
朝、出勤すると基本的にすぐに仕事のタスクの話や一日の流れなどを話してしまっていた。
勤務中に雑談はあるものの、みんな仕事をしながらだったりするから、どんどんと記憶から流れていく。
そして時間になるとお疲れさまでしたと言って、みんな帰宅する。
今までも月に1回、できるときは社内食事会をして、みんなで日常を共有したり、スタッフの子どもと遊んだりもしてきた。
そんなこともあって関係性も悪くなかったし、むしろすごく良かった。
でも私は、もっとつながって生きていきたいなと思っていた。
そんなときに、チェックインの文化を思い出した。
チェックインは、自分の気持ちを整理する大事な時間にもなるし、同時に仲間の喜びを知って一緒に嬉しい気持ちになったり、悩んでいたら一緒に悩みを聞いて悩んだりできる。
そんな背景があり、チェックインを始めた。
はじめは私が仲間のことをもっと知りたいという思いから始まったけれど、やっていくとみんなもチェックインの内容を覚えていて、何かのときにその続きを話したりしてコミュニケーションのきっかけになっている。
チェックインは働くと生きるをなめらかにする余白
会社においてチェックインってどんな意味なんだろうと考えてみると、チェックインは働くと生きるをなめらかにする余白なんじゃないかなと思える。
基本的に多くの人は仕事とプライベートを分けている。
それが悪いことではないけれど、もし働いている時間と家族との時間やプライベートの時間の境界線が少しでもなくなっていったら、生きやすくなるのではないかなと思う。
スターバックスは、サードプレイスを掲げ、自宅、職場につぐ第三の場所として店舗を位置付けている。
それで言えば、私が目指すのは1.5の場所なのかもしれない。
自宅と職場という物理的に分離している場所を少しだけ、交わらせてそこに新しい1.5の居場所をつくる。
地域の公民館っぽさや、友だちとのランチ会要素を持ちながらも、していることは商品を使ってくれる人のために届ける、仕事だったりする。
そんな働くと生きるをなめらかにする場所をつくる触媒としてチェックインがあると思う。
チェックインという触媒がつくる余白は、アグクルという会社と仲間をつなぎ、仲間と仲間をつなぐ、見えないけれど大切な糸である。