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金の卵、いざプロの世界へ ③将来有望な遊撃手

 連載企画「金の卵、いざプロの世界へ」、第3回は将来有望な遊撃手2名を紹介します。

国学院久我山・下川辺選手

 1人目は国学院久我山高校の下川辺隼人選手です。182㌢と長身の大型遊撃手で、チームのベスト4進出に貢献しました。特にベスト4を懸けた星稜高校との準々決勝では、プロ注目・マーガード投手から決勝2点本塁打を放ち、勝負強さを魅せました。今大会を通しての打率は2割3分1厘と本調子ではなかったですが、巨人・坂本勇人選手のような巧みなバットコントロールと力強さを持ち合わせている将来有望な右打ちの遊撃手です。

 現在のプロ野球界の遊撃手は左打者が多く、右打者の下川辺選手は高く評価されると考えています。巨人こそ右打者の坂本選手が遊撃のレギュラーですが、広島・小園選手、阪神・中野選手、中日・京田選手、ヤクルト・長岡選手は左打者です。パ・リーグでも西武・源田選手、ロッテ・藤岡選手、楽天・山崎剛選手、小深田選手は左打者です。右打者というだけでレギュラーを奪えるわけではありませんが、一味も二味も違う風をチームに送り込むことができます。

 夏に向けて本来の調子を取り戻し、右方向にも大きな当たりを打ち始めたらドラフト上位指名もみえてくるかもしれません。スイングに変な癖もなく、素直なスイングをしていることから、木製バットへの対応もそこまで苦労することはないと考えています。巨人・坂本選手やオリックス・紅林選手のように早期からレギュラー定着へ。将来の遊撃手陣容に不安をもつ球団は、下川辺選手を指名すれば安泰となるかもしれません。

天理・戸井選手

 もう1人、将来有望な遊撃手がいます。天理高校・戸井零士選手です。戸井選手も強打が魅力の右打者です。1回戦の星稜高校戦で敗退しましたが、存在感が際立っていました。特に4回に迎えた第2打席、マーガード投手から放った右中間二塁打はプロの打球と表現できるものでした。打球の鋭さ、速さがプロ選手の軌道で、打球は一瞬にして右中間に伸びていきました。この日は終盤に勝負を避けられ、3打数1安打2四球という結果で甲子園を去りましたが、もっと打席での姿を目にしたいと感じる選手でした。

 下川辺選手と同様、スイングが素直で早期に木製バットに対応できそうな選手です。甲子園では1試合しか戦えませんでしたが、チームが勝ち上がっていればさらに注目されていたことは間違いないでしょう。広角に鋭い打球を飛ばせることから、率も残せるタイプの打者だと感じます。これから夏に向けてアピールを続ければ、上位で指名する球団が現れそうです。

上位指名も

 下川辺選手、戸井選手という2人の有望な遊撃手を紹介しました。まだ季節は春で、夏の大会を含めてアピールする機会は多くあります。活躍次第では2人の将来性を評価し、上位指名する球団もあるでしょう。夏に再び甲子園の土を踏み、大暴れしてプロの世界へ進んでほしいと願っています。


過去の連載記事です。是非、ご覧ください。

金の卵、いざプロの世界へ ①タレント集団!優勝校・大阪桐蔭

金の卵、いざプロの世界へ ②まるで中日・藤嶋投手!?準優勝・近江高校エース山田陽翔選手

【出典】



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