学校から「体育」を除外してみたら②
①はこちらから→学校から「体育」を除外してみたら①
②では、体育としてではなく、子ども達にスポーツに親しんでもらう環境について、考えていきたいと思います。
1 地域スポーツクラブとの連携
仮に教科としての体育を除外しても、体を動かすことや自分の体を思った通りに動かすためにどうするかを考えることなど、体育が担って来た役割を、いつ、どこで果たすか。
それには、地域の人材を活用することが、有効ではないかと思います。一部の地方自治体では、水泳の学習を地域のスイミングスクールに委託するという取り組みをしたようだが、それを通年で実施する。ただ、そうすると学習内容に偏りが出てきて、多様な動きの取得を妨げかねない。そこで、総合的地域スポーツクラブ(日本スポーツ協会内のサイトへ)との連携を行うことを提案したい。
もちろん、学校の授業時間内に学外へ出て活動することへの抵抗もあると思うが、「体育」ではなく「スポーツの時間」という枠組みを制度の中に加えることで、最低限の活動時間を確保する。また、発達段階に応じた動きや保健領域の内容を取り入れること示したうえで、実際の活動時間や場所、内容はスポーツクラブに委ねるのはどうだろうか。
2 部活動へのスポーツ指導者の活用
また、最近いろいろと話題になっている部活動のあり方についても、今まで以上にスポーツ指導者の活用が図れるのではないかと思う。そもそも部活動が「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」と明記されている中で、教員が担当するのではなく、地域の実情にあった活動を行っているスポーツ指導者が運営をすることで、生徒が自分にあった運営方針のクラブを選択したり、季節ごとに違うクラブに通ったりということができるのではないだろうか。
実際、全国には公認スポーツ指導者が58万人(スポーツ指導者に関するデータより参照)もいるが、外部指導者として活動しているのはおよそ4万人で、保健体育教科の教員で専門競技の部活動を担当している割合は中学校で約16%、高校で約40%と決して高くはない。(運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議(第1回)より)
よって、学校から「体育」を除外してみることで、今まで以上にスポーツ指導者の活用を図る機会も生まれ、そのことが生涯スポーツに親しむ文化へとつながっていくのではないだろうか。もちろん、中体連や高体連といった学校を単位とする大会をどうするのかという、別の問題も出てくるとは思うが・・・。
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