漫才 ミソジニー
イ： かもめ第三球団です。
ナ： よろしくお願いしまっす！シャーッ！
イ： なんだおい。テンション高えな。
ナ： シャーオラッ！こいこのやろうっ！シャシャシュフポコルペヒハヘてんのか⁈エーコラッ⁈
イ： ･･････えーっとね、とりあえずね、放って始めさせて頂いちゃいますね。いやぁ最近、ネットのニュースやSNSなんかを見ていますとLGBTだとかフェミニズムだとかね、そんな言葉が多く流れてきましてね。
ナ： なるほど、時代ですねぇ。
イ： なんだ、しれっと普通に合いの手打ってきたな、まぁいい。言葉ね、たぶん多様性〜とか権利を〜とかに繋がってくる事なんだろうなと思うんです。
ナ： はいはい、とても大事なことですよねぇ。
イ： そんな中でね、昨日知らない言葉を目にしたんですよ。
ナ： ええーっ！知らないの⁈
イ： 早えよ。まだ何も言ってねえよ。
俺がなんか単語言ってからのリアクションだろうが。
ナ： ああ、そうなの？そういうルールなんだ、オッケーわかった。
イ： いやルールとかじゃないけども、まあいいか。でね昨日初めて見たのはミソジニーって言葉なんですよ。
ナ： ふーん･･････
イ： ･･････ふーんじゃねえよ、そこで何か言うんだよ。
ナ： ええ？なんかお前のルール難しすぎる、え、じゃあ例えばどんな？
イ： だからルールとかじゃないし、別に難しくないだろ。えーなんだろ、まあなんでもいいよ、例えば、ミソジニー⁉︎なにそれ⁉︎とかなんとかあんだろうがよ。
ナ： いや、だって、え、普通にミソジニーでしょ？
イ： 何？ミソジニーって知ってんの？
ナ： 逆に知らないの⁈うーわ、ミソジニー知らない人初めてみた！こっわ！キモっ！
イ： キモってなんだよ、別にキモかねえだろがよ。
ナ： 知らないことに隠しきれない驚きと戸惑い。
イ： なんで歌の歌詞みてえな言い回ししてんだよ。いや、でもお前本当に分かってんの？
ナ： いやいやいや常識ですよ？恥ずかしいからミソジニー知らないとかあまり言わない方がいいよマジで。
イ： そんな？そんなレベル？
ナ： しかもこんな大勢の人の前で、僕はバカなんですよーって宣言しちゃうだなんてねぇ、なんかこっちまで恥ずかしい。いや、すみません、うちのバカが。ほんとごめんなさいね。だいたいこいつ、ほんと人間のクズでしてね、実はこの間もね･･････
イ： いや言い過ぎだろ！バカかもしれないけどクズは言い過ぎだろ！何がこの間もだよ、適当なこと言おうとしやがって。
ナ： ミソジニーも知らないクズが。
イ： うるせえな！なんだ急に上から！腹立つなぁこのやろう、じゃあお前ミソジニー説明してみろよ！
ナ： 説明？いいけど、あ、うーんでもサルにも分かるように説明するってのは難しいなぁ。
イ： 誰がサルだよ！いいから早く説明してみろよ！
ナ： まぁやってみる。
イ： おう、頼むわ。
ナ： ウキッ！ウキキキ、ウキーッ！ウキキ⁈
イ： 分かんねえよ！
ナ： あれー？
イ： あれーじゃねえんだよ！なんだよウキーッって！
ナ： サルに寄り添う心のあらわれ。
イ： 寄り添わなくていい！てか寄り添うな！
ナ： 動物愛護の精神。
イ： 今じゃねえ！場所も時間もその愛護精神、今じゃねえ！タイミング下手すぎだぞマジで！マジでバカかお前！
ナ： なんだよ！そんな言い方しなくたっていいじゃないか！俺だって自分なりにお前に分かるように説明しようって一生懸命考えたのに！それをバカにして！
イ： うわ、逆ギレ。
ナ： なんだよ！逆ギレって！お前んちだって猫いるだろ！動物を大切にしようってのの、どこが悪いんだよ！それをなんだよ！頭ごなしに怒鳴りつけるとか！動物を大切にしないとかお前、人として最低だぞ！俺、何か間違ったこと言ってるか⁉︎なあ！俺間違ってるか⁉︎
イ： いや、お、おお、そ、そうだな。動物を大切にするのは良いことだもんな、そうだな、お前の言う通りだ、悪かったよ。わかったわかった、ごめんな、謝るからミソジニーの説明頼むわ、な。
ナ： うん･･･わかった。
イ： ありがとう。じゃ頼むよ。
ナ： おさるさん、あなた、人間の、言葉、わかりますか？
イ： うるせえよ！だからわかるに決まってんだろ！
ナ： あ、通じた。
イ： 通じたじゃねえよ！当たり前だろうが！今まで普通に会話してただろうが！
ナ： いちおうな、いちおう。
イ： 何を確認してんだよ！さっさとしろよ！
ナ： オッケー、ミソジニーな？オッケー。お前も知ってるよな、お前よりは少しだけ頭のいいうちの兄貴。
イ： いちいちイラッとさせるなこのやろう、まあいい。最近会ってないな、元気にしてんの？
ナ： 元気元気、相変わらず浪人で受験勉強ばっかだけど。
イ： で、その兄貴がどうしたって？
ナ： 兄貴さ、来月で30になるんだよ。
イ： えマジで？うっわやべえな！
ナ： な？やばいだろ？30だぜ？つまりもう三十路じゃん？な？兄貴じゃん？な？三十路の兄ぃじゃん？な？つまり、な？な？
イ： 三十路かぁ、月日が経つのは早えもんだなぁ･･････じゃねえんだよ！わかんねえよ！
ナ： やはりサルには難しかったか
イ： ちげえよ！言おうとしたことは分かってんだけどわかんねえよ！三十路の兄ぃでミソジニーなんだろうけどわかんねえよ！
ナ： うるせえよ。
イ： お前がうるせえんだよ！お前の兄貴の年齢なんてどうでもいいんだよ！んだよその要らねえ情報！意味がわかんねえよ！
ナ： This is a 兄ぃ〜、This is a 三十路〜、ん〜っ！
イ： 待て待て待て待て！ちょお前、やめろ！他人様の鉄板ネタを平然とパクってんじゃねえよ！ミソジニーはどうなったんだよ！説明になってねえじゃねえか！
ナ： おーい、みそのー。
イ： なんだよ中島ぁー、って誰がみそのだよ！どこ行ったんだよ！ミソジニーは！み、そ、しか合ってねえよ！薄まってんじゃねえか！
ナ： あらぁ、お味噌汁薄かったかしら？
イ： 関係ねえ！味噌汁の薄さ関係ねえ！誰だよ？お前誰設定なんだよ⁈薄まるってそういう事じゃねえよ！ミソジニーからますます離れていってんじゃねえか！そもそもみそのじゃねえよ！磯野だよ！
ナ： え？倖田來未の妹の？
イ： だからMISONOじゃねえよ！うるせえよ！全然すすまねえじゃねえか！MISONOを説明するのに倖田來未を出してこないといけないのはかわいそうだろうが！そういうのが1番傷つくんだよ！
ナ： おーい、みそのー、野球・・・やる？
イ： やらねえよ！お前、ふざけんなよ！少しは考えろよ！漫才の途中だろうが！野球・・・やる？じゃねえんだよ。溜めて可愛らしく言ってんじゃねえよ。絶妙な力加減で袖を引っ張ってくんじゃねえ。なんだその上目遣い、気持ちわりいな、ったくよお。
ナ： ひがぁぁしぃ中島のやまぁ、にぃぃしぃみそのうみぃ、見合って見合って、はっけよーい、のこったのこったあ、のぉこっった！
イ： やめろ、おい、やめろ、中島！やめろ！がぶり寄りしてくんじゃねえ！やめろこのやろう！パンツ食い込んだじゃねえか！
ナ： おーい、みそのー、のこった？
イ： のこった？じゃねえよ、このやろう！のこってねえ！何一つのこってねえよ！なんだこれ力士か？相撲か？
ナ： いいえ野球です。おーい、みそのー野球･･････
イ： やらねぇって言ってんだろ！野球じゃねえよ、今は相撲だよ！ちげえよミソジニーだよ！素で間違えたじゃねえか！お前が笑ってんじゃねえよ！ミソジニーはどうしたんだよ！
ナ： 親方、ちゃんこの味の秘訣はなんですか？
イ： やっぱり味噌ですかね、って何言わせてんだよ！離れろ！相撲から離れろ！
ナ： やはりマルコメ味噌ですか？
イ： ええ、味噌はマルコメに限ります、ってふざけんな！俺が坊主頭ってだけで、マルコメ限定してくんじゃねえよ！何が味噌だよこのやろう！もう訳がわかんなくなっちゃってんじゃねえか！戻れ！ミソジニーに戻れ！
ナ： バッター変わりましてミソジーニ。
イ： ピッチャー投げました。打ったぁぁ、打球はグングン伸びて〜入ったぁぁ！ホームラン！って外国人か！打線を支える助っ人外国人か！いたな！ペタジーニって外国人選手いたな！似てるけどそういう事じゃねえだろ！ジーニじゃなくてジニーだろうがよ！いいか⁈ジーニじゃなくてジニーだかんな！
あとさっきも言ったけど、みそのじゃねえんだよ！お前、中島お前！相方の名前間違えんなよ！磯野だよ、い、そ、の！
ナ： じゃあ･･････イソジニー？
イ： だからなんでそうなるんだよ！うがい薬か？俺はうがい薬なのか！
ナ： え？うがい薬？
イ： イソジニーからのイソジンだろうがよ！
ナ： え？ごめん、え？
イ： だからイソジニーとイソジンで･･･
ナ： 磯野、空振り？
イ： うるせえよ！だからイソジーニとイソジンでイソジまでは同じで、俺が磯野だから･･･って、あぁ！めんどくせぇ！
ナ： 磯野、自打球？
イ： うるせえ！いちいち野球用語でツッコミ入れてくんな！はいはい、分かったよ、分かりましたよ、微妙なの出して盛大に滑りましたよ！悪かったですね！
ナ： 磯野、磯野、ナイスヘッドスライディング。
イ： うるせえよこの野球バカ！
イ＆ナ： どうもありがとうございましたー。
（了）