安戸 染

自分が面白いと思うもの書きます。

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最近の記事

who to (BFC6応募作品)

         1  駅自体が観光名所であるここはとにかく人が多い。これなら少しは身を隠せるかもしれない。腰を屈めながら言われるままに進む。  あの女はどうなった?細い眉毛を歪ませて俺にこれを渡してきた女、俺の人生には1ミリも縁がないであろういい女。その目に一瞬だけ浮かんだ侮蔑の欠片を俺は見逃さなかった。お高く止まりやがって。次に会ったらその横っ面を札束で引っ叩いて泣かすぞ?  貧弱な妄想は直後ただならぬ空気を纏った男たちの姿によって瞬時に恐怖へと変わり俺を現実へと引き戻し

    • 反文芸という概念は文芸というものがあるからこそ成立し得るものであり、つまり反文芸の意図をもって書かれた作品は自ずと文芸に包括される。故に、何を、どれだけ、どのように書こうとも、反文芸思想のもとで書かれた作品は文芸の中の一つの小ジャンルに過ぎず、その範疇から抜け出すことは決してない。昨今の傾向を見るにイグを反として捉えているがゆえのイグの文芸化(あるいは文芸のイグ化)が起きている。(文字数制限のためタイトルは以下省略)

      • イグ物語(仮) 初期設定資料集 (イグBFC6 応募作品)

        • すごい長い

          うっわ長っ!長すぎでしょ!いやいやいやちょっと待って、え、待って待って!うわわわわ!なっが!これ誰がどう見ても長いでしょ!ていうか長いにも程があるでしょ!マジで長いんですけど!長すぎるって!え、自分では長いって思わない?だよね?長いよね?そう思うよね?うん、長い、ガチで長いから!

        • who to (BFC6応募作品)

        • 反文芸という概念は文芸というものがあるからこそ成立し得るものであり、つまり反文芸の意図をもって書かれた作品は自ずと文芸に包括される。故に、何を、どれだけ、どのように書こうとも、反文芸思想のもとで書かれた作品は文芸の中の一つの小ジャンルに過ぎず、その範疇から抜け出すことは決してない。昨今の傾向を見るにイグを反として捉えているがゆえのイグの文芸化(あるいは文芸のイグ化)が起きている。(文字数制限のためタイトルは以下省略)

        • イグ物語(仮) 初期設定資料集 (イグBFC6 応募作品)

        • すごい長い

          ナガティブ

          実を言うと長芋と山芋の区別が付いていない。そもそも別物なのかどうかもよく分からない。どうでもいいので調べもしないが、もしネガティブに考えるのであれば得体の知れないものを食べている事になる。しかしそういう訳の分からない食べ物って案外多い気がする。例えばゼリーとか。例えばゐゑ汁とか。

          ナガティブ

          いろいろ

          個人的にはそれを長いと感じるのだが人によっては短い、あるいは高い、もしくは細い、他にも広い、遠い、明い、柔い、冷い、甘い、星い、分い、定い、調い、保い、着い、実い、遊い、放い、流い、歩い、解い、並い、結いなどと受ける印象は様々で、見る者の心の在り方によってその姿は変わるようだ。

          星の子たち (第6回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

          神は「光あれ」.と言われた。 そうしてこの世の中は光で溢れた。 世界5分前仮説が正しければ5分ごとに光ってる事になる。 光、溢れすぎ。 「ごらん、この世界はこんなにも光で満ちているんだよ。」 みたいな。 まちゃあきは「星3つ」と言われた。 そうしてこの世の中は星で溢れた。 どこの何を見ても星だらけ。 Googleマップだー、食べログだー、FANZAだー、やれ3つ星だー、やれ5つ星だー と騒ぎ立てている。 全く騒がしいことよ。 気付けば周りは星だらけ、 星に囲まれている、いや

          星の子たち (第6回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

          響き渡るは豚の鳴き声

          「・・・ぉーい、おおうい、ここだ、ここだ、おおい、ここ、ここここ」。 僕にそう声を掛けてきたのは六条おじさんだった。 後で聞いてみたところ、 おじさんは近くにいるなら誰でもよかったらしいので 厳密には僕に声を掛けてきたというのは少し違う。 六条おじさん。 それが六条の河原での出来事だったから 僕が勝手にそう呼んでいるだけで本名は知らない。 会話をするようになった今でも 改めて名前を聞くのは何となく気恥ずかしい感じがしてそのままそう呼んでいる。 本人は何も言わないので案外気

          響き渡るは豚の鳴き声

          B2B

          渋谷が今よりほんの少しだけ大人の街だった90年代。 あるいはこんな物言い自体、僕が年をとったという事なのかもしれないが、 しかしそれでもやはり、あの頃の渋谷には大人のカッコ良さがあった。 そして僕らといえばカッコいいかダサいかでしか物事を見ていなかったし、 実際それが僕らの全てだった。 当時、渋谷では夜がちゃんと夜をしていて終電の時間を過ぎると途端に 不穏な空気が湧き立ちはじめた。 新宿の闇とも池袋の陰とも異なる怖さ、 渋谷だけで感じられられる独特の粒子を含んだ黒い空気が、

          多様性について

          たまには真面目な話ということで 多様性について。   昨今ネットで見かけることも多い この多様性という言葉。 その多くが 『多様性を認めましょう』 的な内容になっているようだが おそらく差別とかそういう系の話に つながっていくのであろう。   この手の内容でいつも思うのは 例えば多様性で言うならば 多様性を認めようという意見は 多様性を認めたくないという意見を 認めるのだろうか? ということだ。 認めたくないと言う意見も 多様性の一つであっ・・・てか めんどくせぇ。 考えて

          多様性について

          都知事選に思うこと

          7月7日は七夕です。 あと 同日は都知事選の投票日でもあります。 ですので 投票用紙を短冊に見立てて 願いを込めて候補者の名前を書くのは いかがでしょうか? ってのを今思いついたのですが なかなか上手いなと思いました。 いいですよ、使っても。 さも自分が考えたかのように使ってもいいですよ。 で、都知事選ですよ。 まあ本音を言えば あちらこちらに対して 愚痴の1つや2つ出したくもなりますし 政治について思うところを述べてみようかなと思う時もあるのですが 思想を表に出すのは

          都知事選に思うこと

          古賀コン5を終えて

          見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある ってやり方ももう限界だよなぁ。 何回使えば気が済むのか? 何回見直してんだよ、その日記。 という感じではあるのですが それはさておき なにはともあれ 今回も古賀コン、楽しかったです。 光栄なことに 数名の方々から良い評価を頂きました。 しかしです、 自分の書いたものは もちろん面白いと思って書いているのですが 実のところ それ以外には何の考えもないのです。 出来ないんです。 考えに考えて 練った上で書いていくとかが

          古賀コン5を終えて

          You know me (第5回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

          見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある あれ? あ、やべ。 これ、違うやつだった。 違うの持ってきちゃった。 そうだ。 座右の銘だ。 とはいえ私、 座右の銘のない生涯を送ってきました。 これを機に心を改めて 銘ってみようかなと思う次第で御座います。 ああ、そうだ。 一つ一つ慎重にやっていくとしよう。 さしづめ 千里の道も一歩から、 百里の道も一足から、 悪事千里を走る、 箱根八里の半次郎、 北風小僧のかんたろう という心持ちである。 それではマイルドに

          You know me (第5回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

          真・ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション 本当の提出作品)

          これより先は有料です。 金を払えって言ってるんです。

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          真・ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション 本当の提出作品)

          ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション提出作品)

          仮面ライダーアクセル的にいうなれば 59分59秒、 それが貴様らの絶望までのタイムだ、 つまり 以上でも以下でもない。 ジャスト59分59秒、 余すことも過ぎることも許さぬ。 それがルールだ。 そしてここでは俺がルールであり正義だ。 貴様らに人権はない! 分かったかクズども! という企画らしいので頑張ります。 という書き出しに至るまで 書いては消し、書いては消しを繰り返して もうだいぶ時間を使いました。 良くいえば時間を稼いだ。 悪くいえば時間を浪費した。 … とここで 必

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          ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション提出作品)

          たしばり (春の星々140字小説コンテスト応募作品③)

          畑番になりたい福田さんは描いている。 猫界で畑番になるには 螺鈿に雷を蓄え細かくしたものを 鼻に蕾で留めておかなければならないのだけれど この町でそれをしようとすると やれ異獣だ、やれ瘤猫だ などといわれてしまう。 だから あれこれと思慮をめぐらせた福田さんは 錨で苗をたくさん描くことにしたのだ。 https://x.com/hoshiboshi2020/status/1774389502028685605?s=46&t=FQS_dtbZt-a5p6y5pA0DqA

          たしばり (春の星々140字小説コンテスト応募作品③)