食器洗いの面白さ。
食器洗いは私の日課だ。
食器洗いは、いかに効率よく綺麗に洗い、いかに水切りの良い状態で綺麗に並べられるかを考えながら行う、もはや一人競技だ。
こんな一人競技を私は毎晩食後に行っている。
家族3人分の小皿、箸、スプーン、コップ、ご飯茶碗、スープのお椀、大皿、フライパン、鍋、炊飯釜、時には魚焼きグリルまで、シンクが一杯になるほどの量だ。
これらの食器を綺麗に洗うのに一番大事なことはその順番。
油汚れの少ないコップから始めて、茶碗、皿、箸、鍋、フライパン、そして最後に魚焼きグリルだ。
次に大事なことは、洗うスポンジをいきなり油汚れにつけてはいけないということ。
先ずは洗剤をつけた手で優しく撫でて油汚れをある程度落とすこと。
それから全体の汚れをスポンジでこすれば、スポンジに油汚れがつくことや他の食器に油汚れが移ることを防げるのだ。
油汚れにかかわらず、先ず素手で大体の汚れを取っておくことは本当に大事。
あとは流水で泡を流して、水切りスポンジの上に並べていくのだが、私にとってはここが一番楽しく、観客(空想上の)にとっては一番の見どころとなる。
各食器たちを私が考えた最適な定位置に並べていく。
最適というのは、一番水切れの良い角度で無理無駄がない最高の形ということだ。
これら一連の作業を一定のリズミカルな動作で的確に迷いなく行っていけるのは、これまでの日々蓄積されてきた経験に他ならないだろう。
夕飯後の食器洗いリーグに参戦して早18年。
スランプに苦しんだ時期もあったが、もう一人の自分との対話を通してこれを乗り越え、さらに腕に磨きをかけた。
こんな調子で今日もいつもの日課の一つであるスポーツ "食器洗い" を楽しむ予定だ。
いつかオリンピック競技になる日を夢見ながら、今日はこの辺で。