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【教員発信】 安田女子高校STEAMコース~IBLキックオフ~
安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。
コースの特徴の一つが、「IBL(Interest Based Learning)」という授業で、自分の興味関心に応じて自分で目標を設定し学びを進めます。
この4月に3学年(第一期生・高3~第三期生・高1)がそろいました。今回は、IBLで実施したキックオフ(授業開き)の様子を報告します。
◎チェックイン
まず、STEAMコースでよくやっているチェックインです。トランプを使ってランダムで高1~高3が全員まざった4人チームに分かれてもらいました。
テーマは「私の苦手なこと」。自分の苦手なことを知ってもらい、周りの人に「助けて」と言える人に、そして助けあえる集団になって欲しいという思いで選びました。それぞれが話し終えると自然と拍手が生まれます。STEAMコースのよい伝統が生まれています。
そして、早めに共有が終わったチームは、雑談をしていきます。こちらは声かけをしていかないと、「シーン・・・」としてしまうチームもありましたが、高2や高3が高1に声かけをしてくれて、とても微笑ましい様子が見られました。
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◎原則の説明
IBLの授業は、上でも説明したとおり、自分で課題を設定して自分で学習するという非常に自由度の高いものです。しかし、ある程度の原則があってこその自由です。 場所・座席や学習内容などの説明をざっくりとおこないました。特にやってはいけないこと・やってほしくないこと・どうしてもやりたいことがある場合には相談して欲しいことなどを伝えました。
◎目標設定シート
自分で目標を設定するというのは、大人でも簡単ではありませんよね。慣れていない人のために、教員の方である程度の枠組み(下の写真)を提示し、自分の現状を把握してそれに対して具体的に何をしていけばいいかを考えられるようにしました。これまでの2年間で何度も目標設定をしてきた高2や高3のために、枠のないものも用意しました。かなりユニークなシートを作る生徒も出てきています。
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もっとも強調したのは、具体的な取組目標(やること)について、「書いたら絶対にやる!!」ことです。あるいは、それぞれの教科について目標を立てたときに、「優先順位をつけること!!」です。せっかく目標を立てても、実行しなければ何も変わりません。
また、「得意なこと・好きなことから始める!!」ということを、アドバイスしました。人間、何かを始めるときが一番心理的な障壁が高いものです。このとっかかりをスムーズに乗り越えるためには、得意なことや好きなことから始めるに限ります。
授業の最後に目標設定シートを回収し、担任と面談・相談しながらよりブラッシュアップし、保護者にも目を通してもらう、という流れです。これからの一年間のIBLを通して、上手に目標を設定して自ら行動できるように成長していってもらいたいものです。
■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(3年目)
教員歴24年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。
大学・大学院時代は、赤外線天文学を専攻、できたてほやほやのすばる望遠鏡を使わせてもらいながら褐色矮星について研究していました。
未知の人と関わるときは尻込みするタイプですが、STEAMと関わり始めた2年前から一念発起して、いろいろな人と関わろうと努力しています。