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「そこが聞きたい」(15)
ジャーナリストの田原総一朗が討論番組の司会をしているのを見たことがあるでしょうか。パネリストの発言の交通整理をしつつ、限られた時間の中で議論を深め、番組としても盛り上げる。それはもう大変な仕事だなあと思うのですが、診療の場面もこれによく似ていると感じることがよくあります。
限られた時間で鑑別や治療をしたいのに、患者さんや家族は関係ないことばかり話したりするものです。相手の機嫌などにも配慮しながら、こちらのペース維持し、ひとつの診察としてまとめなければならないわけで、そんなとき田原氏の話術はとても参考になります。
その一例は、相手が大事なポイントに少しでも触れたら、そこを逃さずズバリと切り込むことです。「そこが聞きたい」は要するに「そこ以外は聞きたくない」なんですが、熱を込めてそう言うとネガティブな印象は残りません。相手の発言を尊重しつつ主導権はしっかりと握るという、ひとつの小技です。
文章:精神科やすだ (2006年7月10日初公開)
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●このマガジンは私が以前に発行していたメルマガの復刻版です
●ここ数年、くだんの討論番組をほとんど観ていないのですが、田原氏は今も変わりなくご活躍をされているのでしょうか
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