燃え尽きないで(75・最終回)
「燃え尽き症候群」という言葉があります。「頑張りすぎて疲れきってしまった状態」というように広い意味で使われることが多いと思いますが、もともとこの言葉は、教師や社会福祉士など対人的なサービスに従事する人たちに目立って見られたある種の疲弊状態として注目された概念でした。
他人を援助するという業務では、思うような結果が出ないことも多々あります。さらに、業務として人と接することとプライベートで人と接することの境界線はあいまいになりやすく、仕事の上の失敗がすなわち自分の人間性の否定として感じられやすいという大変さも伴います。
燃え尽きてしまうと、それまで優しく熱心だった人が、冷たく機械的な態度になり、そして辞めていきます。燃え尽きずに息の長い仕事をするためには「仕事なんだからうまくいかないこともある」「アベレージで60点くらいをキープすればいい」といった割り切りもけっこう大事だろうと思います。
文章:精神科やすだ (2008年1月29日初公開)
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