PABT
タイムズスクウェアを走る僕を
2階建てバスの上から眺めてる
気持ちだけでここまで来た僕を
壁際にたむろしながら笑ってる
息を切らして喧噪のなかを走る
こんなにも必死なのは僕だけだ
ショーウィンドウに映る僕の姿が
ちょっとだけカッコヨク見えた
あなたにも、言ったけどさ
Lexington Ave.をPABTに向けて歩く
ハーレムからタイムズスクウェアへ
変わりゆく、色、音、空気
僕の気持ちも
不安とともに煌びやかになる
1分でも早く会いたい
1秒でも早くあなたの声が聞きたい
ブロードウェイを走る僕を
2階建てバスの上から眺めてる
気持ちだけでここまで来た僕を
壁際にたむろしながら笑ってる
息を切らして喧噪のなかを走る
こんなにも必死なのは僕だけだ
「ショーウィンドウに映る僕の姿が
ちょっとだけカッコヨク見えたんだ」
あなたは、聞き流したけどさ
1年3ヶ月前の続き
3回目に出会うあなたを見つけられない僕
僕をすぐに見つけてくれたあなた
なんでそんなに暖かい声なの
なんでそんなに暖かい目なの
ほんとは会った瞬間に抱きしめたかった
やっと会えたって抱きしめたかった
僕の気持ちを覚悟を、伝えたかった
僕にはその勇気がなかったのかな
あのとき勇気があればよかったのかな
僕は葛藤のなか、ただ精一杯に手を握った
あなたはその手を、静かにほどいた
震える僕を、13時間差で慰めてくれた
消えたくなる僕を、やさしい声で引き留めてくれた
いつも
なんでそんなに冷たい目をするの
なんで今日は、暖かい声をかけてくれないの
僕はまた
Lexington Ave.をPABTに向けて歩く
うつろな目を
こぼれそうな涙を
あなたと選んだオークリーで隠して