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写真

親父は何者か知らなかったし未だにわからないのだけれど、唯一知っていることは、写真を撮るのは好きだけど撮られるのは嫌い。

親父とふたりで写った写真は無い。おふくろは撮るのが嫌いだったのか、カメラすら持てない身体状況だったのかもしれないという想像。

撮る人と
撮られる人と

親父が撮った写真の中には、母や兄や祖母祖父に抱かれている私しかいない。

私は親父に似てしまって撮るのが好きで撮られるのは苦手だから、せめて、自撮りをする。

この写真たちが残っていることで、私が居なくなっても子どもたちに寂しいおもいをさせないように。

あぁ、ここまで書いて気づいたけれど、私は親父とふたりで写った写真がなくて、寂しかったんだ。

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