お客様から言われた忘れられないコトバ
こんにちは、STATES表参道という美容室で店長をしている小川泰明です。
最近のことなのですが、
サロンワーク中でのお客様との会話の中で、
僕の美容人生で絶対に忘れることはないであろうお言葉を頂いたので、この記事で紹介させて頂きます。
コロナによる意識の変化
今なお続く新型コロナウイルスによる未曾有の事態は、
人々の意識や価値観、人生観まで変えてしまうほど我々に大きな影響をもたらしました。
自分もその例に漏れず、
ひとりの美容師としての在り方や、美容師という仕事への向き合い方を、改めて見つめ直すきっかけになりました。
今まで通りの働き方で良いのか?
緊急事態宣言の発出で、
今まで経験したことがないくらいに、お客様の来店が激減しました。
・美容師の仕事としての価値
・美容師のあるべき姿
・美容室に来店されるお客様の気持ち
・自分が目指したい美容師像
・美容師という職業の未来
そんなことをくる日もくる日も考えていました。
そしてあるひとつの結論に至ったのです。
マンツーマン施術
まずはじめに、
今のこの状況下で、お客様が美容室に来店頂けることは当たり前のことではないということ。
お店を運営する美容師側としての視点からすれば、
「客足が戻った」
「客数が回復した」
「売上が伸びてきた」
と言った見解になるのですが、
自分個人、いち美容師としての価値観では、
「こんな状況にも関わらずお客様がわざわざ自分のことを必要として頂き、自分の元に足を運んで頂けた」
こんなにありがたいことはありません。
美容師として、こんなに幸せなことはないんです。
せっかく自分を指名して頂き、自分の元に通って頂いているお客様に、120%の自分で応えたい。
そして行き着いたのが、
すべての施術を自分で行うマンツーマンでの施術対応なんです。
もともと技術や接客に対しては、独特のこだわりがある美容師ではあるので、マンツーマンのスタイルの方が自分に向いているのも事実なんです。
その分お店のスタッフには、
自分のわがままなワークスタイルを押しつけてしまっていることを、申し訳なく思う気持ちもあります。
そしてマンツーマンの施術では、
どうしても予約を制限せざるを得ない状況になります。
なかなか予約が取りづらかったり、ご都合を合わせて頂いたりと、少なからずお客様にも負担を強いている部分もあり、その点に関しては大変申し訳なく思っております。
それでも、自分の元に来て頂けるお客様には、おひとりおひとりに自分の持てるすべてを注いで対応させて頂いています。
お客様が自分に求めているもの
そんなマンツーマン対応を始めてから、もう半年以上が経ちます。
「あれ?最近なんか小川さん全部自分でやってるなー。」
そんな疑問を抱かれていた顧客様は、少しだけ謎が解けたと思います笑
そして先日、もう何年も通って頂いている常連様との会話でそんな内容の会話になったんです。
今はマンツーマンで対応していること、
自分の120%でお客様に対応したい思い、
来て頂けるお客様には本当に感謝でいっぱいなんだという思い、
そんなことをお話ししていました。
そしてその方から、こんなお言葉を頂けたんです。
お客さんが美容室を選ぶ理由は、担当の美容師さんの技術はもちろん第一にある。
でもそれ以上に、その美容師さんが作り出す「空気感」の方が大きい。
ただ髪を切って、染めて、キレイにするだけなら、近所のどこの美容室だっていいわけであって。
じゃあ何で自分がわざわざ電車を使ってここまで通ってるか?
それはここでしか味わえない「空気感」を求めているから。
だから予約を制限して、マンツーマンでひとりのお客さんを大事にする、その空気感を大事にすることはとても立派なことだと思う。
※言葉のニュアンスなどは少し変わるかもしれませんが、概ねこのような内容のお言葉を頂きました。本当にありがとうございます。
もう10年近く、実に3店舗に渡りずっと通って頂いている大常連様から頂いたありがたいお言葉でした。
自分が自分じゃなくなると、自分の価値はなくなる。
自分の元に長く通って頂いているお客様が自分に求めてらっしゃること、
それはきっと自分という人間がつくる空気感で、それが自分の価値なんだと気づかせて頂きました。
ただキレイなヘアスタイルをつくるだけなら、自分である必要はないんです。
少し乱暴な言い方ですが、
美容師さんの技術にとんでもないレベルの差などありません。
どんな美容師さんが施術しても、ある程度はそれなりの仕上がりにはなります。
「小川さんじゃなければダメなんです」という方に、僕は自分の120%の全力でお応えしたいんです。
「ああ、自分がやっていることは間違ってないんだ。」
自分自身いろんな葛藤の末に出したひとつの答えが、お客様の言葉で救われた瞬間でした。
美容師という仕事は人の手によるものです。
手作業・手作りといったものは、どれもあったかくて優しい。
カットやカラー、シャンプーに至るまで、自分の思いのすべてを自らの両の手に乗せてお客様に届けたい。
自分は、
そんな美容師になりたいんだ、
そんな美容師になりたくて美容師を志したんだと、
お客様からの言葉で改めて気づかされました。
少し暑苦しい内容になってしまいましたが、、笑
いつも自分の元に通って頂いているすべてのお客様に本当に支えられています。
本当にありがとうございます。
そんなお客様おひとりおひとりに、
感謝の恩返しが少しでもできるように、これからも精進していく所存です。
自分の元に通って頂いていることを周りに自慢できるような、そんな美容師に必ずなりますので、これからもこんなわたくしをどうぞよろしくお願い申し上げます。
いつも長文・乱文にお付き合い頂き感謝です。
小川泰明
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