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【他の人よりチョット詳しくなれるフィンランドの教育】Phenomenon-Based Learningの理論
Phenomenon-Based Learningとは、Transversal Competenceの育成のために行われる、教科横断的な教育方法です!
「総合的な学習の時間」のように、週2時間行われるという形態ではなく、
たとえば、関連する教科の時間をすべて使って、1週間を通して行われるのです!
では、PhBLにはどのような特徴があるのでしょうか?
理論の側面からザッと見ていきましょう!
チョット詳しくなるどころか、結構ニッチな内容かもしれませんが!!
PhBLの特徴
フィンランドの学校では、PhBLの実施期間内において、
教科間の連携、教科間の部分的な統合、
異年齢学級集団による学習、学習集団の弾力化、
ティーム・ティーチング、コ・ティーチングの導入等、
さまざまな工夫がされています。
また、PhBLの実践のでは、
現実世界にある真正の現象に対して、
学習者が問いや問題を提起することから学習が始まり、
学習者は現象に関連する情報やスキルを教科の枠組みを超えて学ぶ
という特徴もあります!
PhBLと関連する理論
PhBLは理論的には
探究学習(Inquiry Learning)
課題解決型学習(Project-Based Learning)
問題基盤型学習(Problem-Based Learning)
などと類似した性質を持つとされています。
つまり、PhBLは現実の真正の現象に焦点を当てたPBL型の探究学習と捉えることもできそうですね。
先ほどの、現実世界にある真正の現象に対して、学習者が問いや問題を提起するという特徴から、「構成主義」の発想も含まれます。
この、構成主義的な発想から、PhBLでは、学習活動における学習者を「能動的な知識構築者(active knowledge builder)」と捉えます。
また、PhBLで取り扱われる様々な情報は、「問題解決の結果として構築されたもの、断片的なものを全体の状況に合わせて構築されたもの」と捉えます。
つまりは、学習者はアクティブラーナーであり、知識を獲得するのではなく、構築するということ、
学ぶ内容や知識の構築に用いられる情報もまた、誰かの構築した、積み上げた知識であるということ、
といえるのではないでしょうか?
もうチョットPhBLの理論に詳しくなる
PhBLの学習活動における理論的背景には、
特に協働的な学習をしている場面で、
「社会的構成主義」「社会文化学習理論」があります。
学習者は協働的に知識を構築し、
情報は「社会的文脈で形成されるもの」です。
つまり、人々が社会を構成および構築しているように、
知識を複数の人で協働的に構築することが理論的背景にあり、
構築された知識は社会的な文脈にあるということでしょう。
パッと見、だいぶ複雑かもしれませんね…。
次回はどうやったらPhBLを実施できるかについてみていきます。
チョットスッキリするんじゃないかなと思います!
参考文献
渡邊あや(2018)「5章 フィンランドのカリキュラム・マネジメントと授業の質保証」原田信之編著『カリキュラム・マネジメントと授業の質保証 各国の事例の比較から』北大路書房、pp.149-170。
Silander, P.「Digital pedagogy」Mattila, P., Silander, P. (eds.) 『HOW TO CREATE THE SCHOOL OF THE FUTURE: Revolutionary thinking and design from Finland』 University of Oulu、Center for Internet Excellence、2015年、pp.9-26。