カスタマーサクセスとは#1-1
カスタマーサクセスが今後のシステム導入・運用の鍵になるのでは?と言う仮説からスタートしたカスタマーサクセスの学びです。
第1章をはじめます。
繰り返しますが、かなり刻みます。
参考図書
第1章 日本企業にこそカスタマーサクセスが必須である理由
1-1 カスタマーを虜にするリテンションモデル
①リテンションモデルの登場
・Amazon、Uber、Appleに共通することは、デジタル技術を活用した画期的なプロダクトを提供し、利用者がそれ無しでは生活できないという域の存在になっていること
・Amazonのプライムサービスは、一定の会員費を定期的に支払う事でプライム会員サービスをいくらでも利用できる、いわゆるサブスクリプションモデル
・Uberはサブスクリプションモデルではなく、利用者は乗車ごとに利用率を払う
・Appleの収益の8割強がハードウェアであり、強烈なファンが多いことが特徴
・これらのビジネスモデルを比較しても、デジタル時代に強い競争力を持つ理由は決して『サブスクリプション型がどうか』ではない
・真の理由はカスタマーを虜にするリテンションモデルである
*リテンション(retention):保持、記憶、記憶
引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034 P24~27参照
<①の所感>
日本にいると法律の関係などでまだまだUberは米国ほど馴染んでおらず、“食事したい人”と“届ける時間のある人”とをマッチさせるUber Eatsの方がポピュラーかもしれません。
いずれにせよAmazon、Uber、Appleが私たちの生活に当たり前の物になっている事実は変わりません。その理由は何か?と言われればいろんな記事で書き尽くされていると思いますが、本書はここも非常に丁寧にまとめてくれています。
これ以降かなり面白い内容です。
②リテンションモデルとは(定義)
・リテンションモデルとは
①利用者が日常的・継続的にそのプロダクトを利用し、モノの所有に対してでなく成果に対して対価を払う
②利用者がいつでも利用を止める権利を持ち、初期費用が非常に小さい
③利用者がそれ無しでは生活や仕事ができない、使い続けたいと断言できるほどプロダクトが常に最新状態に更新・最適化される
④利用者が嬉しい成果のためなら、個人データをプロバイダーが取得することを許す
(*プロダクトは商品あるいはサービスを意味する)
・ライドシェアはサブスクではないが①に該当
・利用期間を拘束し、期間に満たない時に解約手数料が必要なプロダクトは②に該当しない
・③は競合との比較はなく「このプロダクトならここ」と瞬間的に選ばれる
・④は、「自分を理解している」「よい提案をしてくれそう」という信頼や期待自体も価値の一部
引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034 P27、28参照
<②の所感>
会話のなかで『ユーザーへのリテンションプランは?』といったビジネス用語を耳にすることが増えていますが、顧客を保持しリピート販売に繋げる。と言う意味合いが大きいです。
ここで見るリテンションはそれとは異なりプロダクトが持つ顧客を惹きつける力を分解した定義です。
③従来のモデルとの違い
・現在はCDを購入しなくても格段に安い費用で音楽を楽しむ事ができる
・安いだけでなく、インターネットにつながった持ち運べる高品質なデバイスも増え、いつでもどこでも質の良い音楽を楽しむ事ができる
・音楽(Amazon music)がリテンションモデルかの否かの検証→明らかにリテンションモデル
①プライム会員は好きな時・好きな所で手持ちの汎用デバイスから好きな音楽を好きなだけストリーミングまたはダウンロードして楽しめる
②いつでも会員資格を終了でき、再開もできる
③Amazon musicの楽曲・UIは定期的に更新され新しい機能が利用できるようになる。利用者が飽きずに楽しめる様に常に最適化される
④音楽を楽しむ代わりに利用(履歴)データをAmazonが保有することを許可している。それらのデータに基づきパーソナライズされる事を期待する人もいる
・従来のCD販売がリテンションモデルでない理由
①収録された楽曲は好きな時、好きな所で楽しめるが、モノ(CDやプレイヤー)の所有に対して対価を払う
②いつでも所有権を放棄または売却できるが、所有権取得には比較的大きな費用がかかる
③CDそのものの価値がプロバイダーによって更新されず、逆に利用頻度や保存状態によって物理的な劣化が生じる場合もある
④プロバイダーはCDが誰にどう視聴されているかに関する利用データを取得できない
・CDのような『モノ売り切りモデル』では
+売った瞬間にプロダクトの価値が固定される
+プロバイダーは一つの収支モデルで一定期間のコストを回収する事を前提に計画を立てる
・リテンションモデルでは
+売った後もプロダクトの価値が最新・最適化され続ける
+プロバイダーは従来の収支モデルでなく、モデルの変化を前提にする必要がある
・リテンションモデルはモノ売り切りモデルと比較して、事業の舵取りが複雑化し難易度も上がる。しかし一度カスタマーを虜にできれば、使えるカードの選択肢が格段に増え競争優位を得やすい
引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034 P29~33参照
<③の所感>
刻む。と言っておきながらなかなかのボリュームになりました。
それなりにサブスクリプションやリテンションモデル、リカーリングモデルを題材にした本や記事は見てきた自信がありましたが、抜群に分かりやすい!!この本はかなり面白いですね。
次はなぜリテンションモデルが登場したかを説明してくれます。相当濃い内容ですがまとめることが楽しみです。
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