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UXの理解(心理学視点が不可欠)_#1デザイナーと協働するPdMも知っておくべき心理学の基礎
PdMについて学習し、最後にPdMのスキルを深堀りするために、もっと知りたいことが出てきました。
A)ユーザーとの関係強化と製品への反映方法
B)UXの基礎
C)これからのビジネスに必要な人材要件
D)組織変更の仕方
PdMについては、以下のマガジンにまとめています!
A)ユーザーとの関係強化と製品への反映方法についても以下のマガジンにまとめています。
ただしこれは正直「本のチョイスをミスしたな」と思っているので別の本も今度トライしてみます。
そして今回はB)UXの基礎についてです。
はじめに言っておきますが、今回はあらかじめ本に目を通しており
「本のチョイス大正解!」
「物凄く分かり易いし、読み易いし、面白い」
と思っています。
そのうえで以下の注意点があります。
・ただでさえよくまとまった本である
・noteにわざわざ要旨をまとめるまでもない
・分かり易い事例が豊富で、興味のある人は絶対手にとった方がよい
・私のnoteは事例のイラストなどは含まない(丸パクリはよくない!)
・私のnoteは自分の備忘レベル
参考図書
それでは早速見ていきます!
文字数:約6,400
はじめに
・UX(User Experience)には定性・定量的なデータがなかった
・心理学によって人の行動の振る舞いと理由を理解する基礎ができた
・昨今デザインの役割が企業でも重要になってきた
・デザイナーがどのようなスキルを見つければ価値と貢献度を高めることができるかが注目されるなか、そのキーは「心理学」
<対象読者>
・良いデザインがビジネスにもたらす価値を理解したい人
・なぜ良いデザインがいま求められているかを知りたい人
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P7~P11
■参考 Laws of UX
第1章 ヤコブの法則(Jakob's Law)
■概要
・ユーザーは慣れ親しんだプロダクトの見た目が似ていれば同じように動くことを期待する
・ユーザーがUIの学習にかける精神的エネルギーを減らせば、目標達成に力を割けるようになり、成功確率も高まる
・デザイナーとしてUXを向上させたいのなら、普及したデザインパターンや慣例を活用すると良い
・すでにあるメンタルモデルを活かせば、ユーザーは新たなメンタルモデルの学習なしにタスクに集中でき、UXの質を高めることができる
・変更時の違和感を最小限にするためには、慣れ親しんだバージョンを使える移行期間を設ける
・メンタルモデルの慣例から逸れた道を進むことは探求(イノベーション)の良い兆し
・ただし、デザインのユーザーテストを実施し、ユーザーが理解できるかを確認する
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P18~P27
■メンタルモデル
・メンタルモデルはUXに関する最重要概念の一つであり、「システムの振る舞いについてユーザー自身がどう理解しているかという概念」
・『過去の経験から得た知識によって、新たなものごととやり取りすること』ともいえる
・ユーザーが過去の経験からこう動くであろうと思うメンタルモデルを利用することがデザイナーの強みとなる
・メンタルモデルの活用はデジタルに限ったものでない
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P20~P23
■同質化
・メンタルモデルを理解すると、一つの疑問が浮かぶ
「ヤコブの法則に従うと、すべてのウェブサイトやアプリがどれも同じになってしまうのではないか?」
・これを同質化といい、同質化は以下のような理由で生じる
A)開発速度を向上させるため
B)フレームワークが普及したから
C)成熟したデジタルプラットフォームが標準化を後押しする
D)戦略的に競合とあえて同質化しようとするから
E)単に創作性がないだけ など
・同質化は悪ではなく、完全に新しいものを創ることが悪いことではない
・大事なことは、
『デザイナーは独創的である前に、ユーザーのニーズや文脈、そして技術的な成約を考えて最適な方法を選ぶことに集中し、ユーザービリティを犠牲にしないようにする』
ということである
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P26
■ユーザーペルソナ
・ユーザーペルソナは真のユーザーニーズに基づいたデザインの意思決定を可能にする
・ペルソナは共感を育み、記憶を助け、チームにとって有益な参照フレームを定義できる
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P24~25
第2章 フィッツの法則(Fitts's Law)
■概要
・ユーザーにとって使いやすいとは『UIが一目瞭然』でなければならない
・インタラクション要素に適切な大きさと適切な場所を与えてユーザーが選択しやすくすることが重要
・フィッツの法則とは、選択対象が大きくなるほど、ユーザーが対象を選択するまでの時間は短くなる(大きさと時間は反比例の関係)
・デザイナーの重要な責務はユーザーが正確に選択・入力できるようにし、隣り合うアクションと十分な間隔を取ることで誤操作を防ぎ、UIを選択しやすいように設計すること
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P30~37
■タッチターゲット(何かを入力されための選択・入力領域)
・フィッツの法則の3つの重要な学び
①タッチターゲットは十分に大きくなければならない
②タッチターゲット同士に十分な間隔が必要
③タッチターゲットは簡単に到達できる場所に配置されておかねばならない
・大きさと間隔以外では、位置が選択し易さのキーとなる
・またデバイスによっても領域は変わり、PCは左上から右下に目が動くが、スマートフォンでは画面中心部に焦点が寄りやすい
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P32~33
第3章 ヒックの法則(Hick's Law)
■概要
・デザイナーはユーザーが情報量に圧倒されないように、情報を統合して見せる
・デザイナーの目標はユーザーが達成したいことを理解し、達成にプラスにならないことを排除すること
・デザイナーは効率さと優雅さの視点で複雑なものを単純化する
・複雑さとはUIに限ったことでなく『プロセス』も含む
・ヒックの法則とは、
『取り得る選択肢の数と複雑さによって意思決定にかかる時間が増える』
・ヒックの法則はユーザーがUIをどのように認識し処理するかにおいても重要
<ヒックの法則に基づいたテクニック>
・応答に時間がかかり意思決定が遅くなっているときは、選択肢を最小限にまで減らす
・UIやプロセスがどうしても複雑になる場合は、小さなステップに分解して認知負荷を減らす
・ユーザーが情報量に圧倒されないように、おすすめの選択肢を目立たせる
・段階的なオンボーディングで、新規ユーザーの認知負荷を最小限にする
・単純化し過ぎて抽象的になりすぎないようにする
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P40~51
■認知負荷(Cognitive Load)
・UIの理解とインタラクションにかかるメンタルリソースの総量を認知負荷という
※UIの理解:ナビの使い方を理解し、画面構成を把握
※インタラクション:UI要素を操作し、フォームに入力し、そもそも何をしたかったか覚えておく
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P42~43
■単純化し過ぎ(Oversimplification)
・UIやプロセスを単純化できれば認知負荷を減らし、タスクを完遂し、目的を達成しやすくなる
・一方で単純化し過ぎるとそもそもユーザーが理解できなくなる
・対策として、何ができるか伝えるためのアイコンを思い浮かべるが、アイコンは人によって解釈が異なるので、アイコンにテキストラベルを付けるなど工夫すると良い
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P49
第4章 ミラーの法則(Millar's Law)
■概要
・コンテンツを小さなチャンク(かたまり)に分けることで、ユーザーがその情報を扱い、理解し、記憶しやすくできる
・マジカルナンバー7に惑わされて無用なデザイン制約を作ってはいけない
・短期記憶の容量は、人や文脈によって大きく幅がある
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P54~60
■チャンク化
・チャンク化とは、一塊の情報にまとめること
・チャンク化することでユーザーが効果的に理解しやすくする
・コンテンツを視覚的に明確な階層を持つグループに構造化することで、
人々がデジタルコンテンツを評価したり処理する流れに沿って情報を提示できる
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P56
■マジカルナンバー7への誤解
・ミラーの法則の大いなる誤解
”短期記憶装置に一度に記憶して処理できる項目の数には限界(7±2)があるので、関連するUI要素の数はこの範囲に制限すべき」
・ミラーの法則の重要なことは
『制約のある短期記憶を最大限有効利用するために、情報の断片をいかに意味のあるチャンクに整理するか』
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P59~60
第5章 ポステルの法則(Postel's Law)
■概要
・デザイナーは、ユーザの期待に応えるためにロバストで適応性の高いプロダクトを構築しなければならない
・ポステルの法則はロバストネスの原則しても知られ、規模と複雑さの両方を考慮した人間中心の体験設計をするための原理原則を示す
・ポステルの法則は、人と機械の間のギャップを埋めるのに役立つ
・人による様々な入力を寛容に受入れ、それを構造化された機械に優しい出力に変化するシステムが設計できれば、ユーザーに負荷をかけず、より人間的なUXが保証される
<ポステルの法則の前半は『出力するものに関しては厳密に』>
・プロダクトが提供する出力(成果物)は信頼性が高く、誰でもアクセス可能でなければならない
・デジタルインターフェイスは単に使いやすいだけではなく、可能な限り多くのユーザーにとって使いやすくしなければならない
・もともとポステル氏はデータを他のシステムや異なるプログラムへ出力するには、仕様に適合していなければならないとした(出力を厳密に)
<ポステルの法則の後半『他社から入力されるものには寛容に』>
・あらゆる入力方法、あらゆる形式でのユーザーからの入力を受け入れる
・もともとポステル氏は、データを受け取る際には、仕様に適合していない入力を受け入れて解析できる寛容さが必要とした(入力は寛容に)
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P62~70
■入力は寛容に(入力フォーム)
・ユーザーにどれだけの情報を求めるかについては厳密であるべき
・入力すべき項目が多ければ多いほど、ユーザーは認知エネルギーと労力を多く消費し、その結果意思決定の質が落ちてしまう
・絶対に必要なものだけを求め、不要なものは入力を求めないように最小限に抑える
・また入力に対してどれだけシステムが柔軟に対応できるかも考慮する
・デバイスは様々なタイプの人間の入力を受け入れるだけの十分な堅牢性を備え、入力を理解し、デバイスが読める形式に処理する必要がある
・ユーザーができるだけ労力をかけないやり方を考える必要がある
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P64~65
■出力は厳密に(レスポンシブデザイン)
・ウェブに接続できるデバイスが多くなるにつれ、どのような画面サイズにも適応できるコンテンツを提供できる必要性が高まってきた
・レスポンシブデザインとは「流動的なグリッド、柔軟な画像サイズ、メディアクエリ」によって、ユーザーが見ている状況に合わせてコンテンツが流動的に変化するウェブサイトを作成する
・特定の画面サイズやデバイスに縛られることなく適応可能な出力を提供する哲学を体現している
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P66
■入力は寛容に・出力は厳密に(プログレッシブエンハンスメント)
・ユーザーがどんな劣悪な環境でも最低限コンテンツや機能にアクセスできることを重視する
・そのうえで、ブラウザの拡張機能をサポートしていたり、デバイスの性能が高い場合に、その環境に合わせて追加のスタイルやインタラクションを表示する
・コアコンテンツを堅持しつつ、新しいブラウザや高度なデバイス、高速な接続環境のユーザーはより充実した体験を得ることができる
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P66~67
第6章 ピークエンドの法則(Peak-End Rule)
■概要
・人は過去の出来事を思い出すときに、経験の全体でなく『感情のピークと終わりの瞬間』に焦点を当てる
・ピークエンドの法則は、ユーザーが経験全体をポジティブに評価してくれるようにしたければ、これらの瞬間に細心の注意を払うべき
→それによって、もう一度使いたい、他の人に紹介したいという気持ちを想起する
・ユーザーを喜ばすためには、プロダクトが最も役立つ瞬間、最も価値をがある瞬間、あるいは最も楽しい瞬間を見定めてデザインすると良い(例:Mailchimp)
・人はポジションな経験よりも、ネガティブな経験を鮮明に思い出す
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P72~81
■認知バイアス
・認知バイアスとは、判断における思考や合理性の体系的なエラー群であり、人の外界認識や意思決定の能力に影響を与えている
代表的な認知バイアスとしては
①確証バイアス
・自分の先入観や考えを確かめるように情報を探し出し、解釈し、想起する傾向があること
②記憶バイアス
・感情的な出来事のほうが強く記憶する
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P74~75
■ジャーニーマップ
・ジャーニーマップを利用することで、ユーザーの感情のピークがどこにあるかを特定するための便利ツール
・ジャーニーマップを利用することで、デザイナーとプロジェクトの利害関係者が共通のメンタルモデルに依って立つためだけでなく、UXについてのより深い共通理解を生み出すことにも寄与する
最高のプロダクトとサービスを支える心理学
ISBN978-4-876311-949-6
P74~75
<#1デザイナーが持つべき心理学の基礎の所感>
この本は本当にムダがないです。
しかもその情報が常にWEBに掲載されており、更新されているので驚きです。
まとめていて思うのですが、むしろどこを抽出するか
とても人気の本でAmazonのレビューも盛り上がっていますが、納得です!
デザイナーと協働するPdMもこのくらいのことは知っておかないといけないですね。