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PdMをもっと深く知る_#1_プロダクト主導型組織があって初めてPdMは機能する?

PdMはプロダクトのCEOである
と言われています。
要するに、やる事および関与すべきステークホルダーがとても多いと言うことです。

なので知っておくべきことが絶えません。
ここのところ、日本能率協会マネジメント(JMAM)の出版本にどハマりしてしまい、まとめ買いしてしまったので、今回は

プロダクト、すなわち顧客の課題解決(アウトカム)を中心に据えた
組織構築方法

について学習してみます。
文字数:約3,200

参考図書

Prologue

・Standish Groupが発行したカオスレポートによると「ソフトウェアにおいて大抵の昨日はほとんど使われていないか、全く使われていない」とある
・すなわち、そもそも正しいものを作れていない
・ソフトウェアをいかに期限内、予算内、適切な品質基準で提供するかという達成しやすい課題から、顧客にとって適切なものを作るという達成し難い課題へのフォーカスに変わった

◼️プロダクトマネージャー(PdM)の出現
PdMは顧客、社内関係社、市場からのインプットを統合し、作るべきもののロードマップを作成する
PdMはエンジニアリングと営業の交差する場所に位置し、両方に対して大きな影響力を持つ
・プロダクトに関わる人たちは稀有なほど情熱的で共感的な人が多い
・最初はユーザーに良い影響を与えるような明確なアイデアだったにもかかわらず、いざリリースすると複雑で分かりにくいものになってしまう
正しいものを作る = 顧客に確実に価値をもたらすものを作る難しさは、一度作れば終わりではないところ
・プロダクトを進化させるためにはPdMも進化し続けないといけない
・プロダクトを進化させるには、徹底的にデータドリブンな考え方に努める必要がある
データドリブンとはデータを最優先にして意思決定する
データインフォームドは意思決定にデータを参考にしつつ、最終的にはその他の定性情報も含めて総合的に判断を行うデータ活用アプローチ
・PdMにおける成功は、プロダクトのリリースでなく、顧客がプロダクトの価値を理解し、顧客ニーズにプロダクトが完璧にマッチすること
プロダクト主導型になるための根本は、顧客にとってなくてはならないソフトウェアを設計、構築、進化させる人を支援するためにデータを活用すること

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P4〜P9

プロダクト主導型とは

PdMはプロダクトジャーニーのあらゆる段階で、価値の高い体験をもたらすことにこだわる
・マーケティング部門とチームを組み、プロダクト自体が顧客獲得ツールとなるにはどうすべきか考える
・営業担当とトライアル顧客のコンバージョン率を最大化するためにどうすべきか考える
・カスタマーサクセス(CS)とは、アプリ内ガイドとアプリから得られるインサイトの好循環を作り出す
・このような組織をプロダクト主導型と呼ぶ
プロダクト主導型では、営業・マーケティング・教育・サービス・サポートはプロダクトの中で一つにまとまるべき

・よくある間違いとして『プロダクト主導型組織(Product-led Organization)』と『プロダクト主導型成長(Product-led Growth:PLG)』の混同がある
PLGはプロダクト主導型組織になったことで得られる結果のひとつに過ぎない
・PLGとは、見込み客のコンバージョン、ユーザーの維持、顧客の拡大のためにプロダクトを活用する方法

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P10〜P14

プロダクト主導型になることで期待される効果

①より柔軟で変化に強い
・変化に応じてロードマップを書き換える
・すでに分かっている要件に基づいて作業するのではなく、終わりのない実験の繰り返しが必要

②より早いイノベーション
・顧客が問題に直面してから対応するのではなく、利用状況のデータをもとに、プロダクトジャーニーのどこで行き詰るかかを予測する
・さらにCSが顧客を顧客自身の目的に導くようにする

③より大きな価値
プロダクトの健全性を示す指標を中心に据えた開発・営業・マーケティング・CSを一体化し、プロダクトジャーニーの各ステップに沿って組織を方向付ける
・健全性の指標は、機能の定着率、利用の広さと深さ、粘着度、顧客満足度など

④デジタルアドプションによる収益と顧客維持の向上
・従来型の組織の場合、見込み客をユーザーに変え、収益性の高い顧客にナーチャリングするのに多大な費用とコストがかかっていた
・プロダクト主導型は顧客維持(リテンション)に着目してこのプロセスを効率化する
プロダクト主導型の場合、口コミによる露出、トライアルユーザーの獲得、有料化の動線など全てプロダクト内で完結するので効率的

⑤効率的な拡大
・重要なことは、プロダクトが実際に存在する課題を解決すること。そして顧客が楽しめる方法で実現すること

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P14〜P17

プロダクト主導型組織の特徴

①プロダクトに地位を与える
②データインフォームドである
・限りなく顧客との距離を縮める
・データに執着し、データに基づいてプロダクトに変更を加える意思決定をする
・データがなければ仮説と検証を繰り返す
③共感的である
・顧客との深いつながりを熱望する
④協調的である
⑤プロダクトこそ顧客体験
・これまでプロダクトの外で行われていた販売や教育などの取組みが、プロダクトの中にあるユーザー体験の一部となる
顧客体験とプロダクト体験が区別されなくなる

◼️チームコラボレーション
・プロダクトをビジネスの中心に据えることで、分断していた各チームのコラボレーションが促進される
・各チームへの影響
1、カスタマーサクセスチーム
・最前線で顧客に目を光らせ、耳を傾け、顧客が価値を見出すのを支援する
・プロダクト主導型組織の場合、健全度や幸福度を事実となるデータで計測・監視し、顧客ニーズを企業全体で伝えることができる

2、マーケティング
・プロダクト主導型組織は顧客に愛されるプロダクトにこだわり、無料かつセルフサービスのトライアルを提供することで、プロダクト自体を営業の媒体とする
・マーケティングチームがやるべきことは、観察し、学習し、利用とコンバージョンを促進する鍵となるポイントを特定する
利用状況や感情を調べ、パワーユーザーや潜在的なアドボケイトを見つけ出し、顧客によるマーケティングを促進する

3、エンジニアリング
・プロダクトが成熟し機能が充実するとメンテナンスコストと複雑さが増大する
・利用状況を把握することで、「統合できる機能」と「廃止できる機能」を特定しやすくなる

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P17〜P22

<所感>

PdMについて学ぶために以下の書籍を読んできた成果なのか、ワードが頭にすんなり入ってくるようになりました。

そしてこの本は、この2冊のあとで良かった、と思いました。
その理由は次の3点です。

  1. 上述した2冊は教科書的な位置づけで、その中に豊富なユース―ケースを含めている

  2. ユース―ケースは教科書で説明した内容理解を深める意味合いが強い
    (読み手目線)

  3. 今回の本は、実践者が実体験をもとに体系的にまとめており、より実践的(=自分ごとに落とし込みやすい)

冒頭でも言いましたが、JMAMはマジで良書多すぎです。
とても勉強になります。

しかもこれがまだ序章で、全263ページのうちまだ20ページ強です。
楽しみ過ぎます。
読書って本当に素晴らしいです。


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