ハック大学ぺそ『仕事に追われず自分の時間を確保する』ポプラ社
仕事に追われる日々を送る私たちにとって、「時間をどう確保するか」は永遠のテーマです。ハック大学ぺその『仕事に追われず自分の時間を確保する』は、その悩みに対する一つの解答を示してくれる一冊です。本書を読んで特に印象に残ったポイントを中心に、仕事効率の向上と自己時間の確保について考察してみます。
まず、本書で最も肝に銘じたいと思ったのは、タスクに取り組む前の準備についてのアドバイスです。ぺそは、小さなタスクでも取り組む前に「この仕事を何のためにやるのか」を明確にすることの重要性を強調しています。これにより、タスクの意義を再確認し、目的意識を持って仕事に取り組むことができます。また、一日の終わりに「今日は何が効率的でなかったか」を振り返ることで、自己改善の機会を見つけることができるとも述べています。このような自己反省の習慣は、日々の業務の中での小さな改善を積み重ねるための重要なステップです。
次に、時間を守るためのコミュニケーション術として紹介されている「なくす・減らす・帰る」の判断基準は非常に実用的です。特に、プロチャート(114ページ)の部分は、視覚的に自分の時間の使い方を把握するための素晴らしいツールであり、常に手元に置いておきたい内容です。このチャートを使うことで、どのタスクが不要か、どのタスクを減らすべきかを明確にすることができます。
また、仕事を減らすための具体的な方法として紹介されている4つのフローも非常に参考になりました。これらのフローは以下の通りです:
感謝を伝える。
断る理由を説明する。
きっぱりと断る。
提案を加える。
この流れに従って実践することで、無理なく仕事を減らし、自分の時間を確保することができるようになります。
さらに、会議の進め方についても重要なルールが示されています。会議を効率的に進めるためには、事前にアジェンダと時間割を伝えることが重要であるとされています。これにより、会議の目的が明確になり、時間の無駄を防ぐことができます。
著者がメーラーを使ってTO DO リストを管理する方法にも大いに関心を持ちました。この方法は非常に具体的であり、すぐに実践できる内容です。メールを使ったタスク管理は、多くのビジネスパーソンにとって身近なツールを活用するものであり、導入のハードルが低いのが魅力です。
さらに、本書は仕事で生まれた時間をポータブルスキルの鍛錬に当てるべきだと指摘しています。ポータブルスキルとは、どのような職場や環境でも役立つ汎用性の高いスキルのことを指します。仕事だけに時間を費やすのではなく、自分のやりたいことやスキルアップに時間をかけることの重要性を再確認させられました。
最後に、本書は「定時で帰ることを目標にする」ことを勧めています。何時に帰宅しているのかを記録し、定時退社を実現するための意識を高めることが大切です。この実践により、自己管理の意識が高まり、無駄な残業を減らすことができます。
ハック大学ぺその『仕事に追われず自分の時間を確保する』は、時間管理と仕事効率の向上に関する具体的で実践的なアドバイスが満載です。本書を通じて、仕事の進め方を抜本的に見直し、質を向上させることができると確信しました。忙しいビジネスパーソンにこそ読んでほしい一冊です。