アコンカグア2日目:プラザ・デ・ムーラス
2019年1月22日(火)
ベースキャンプを目指す
コンフルエンシアのINKAテントで2日目の朝を迎えた。標高は3,400mだが、体調は悪くない。うまく順応できてるはず。
ここからの選択肢は2つ。
順応のためフランシアまで登って、戻ってくるか、
ノーマルルートの8時間の道のりを歩いて、ベースキャンプ(BC)のプラザ・デ・ムーラスまで行くか。
僕はプラザ・デ・ムーラスまで行くことを決めた。標高は4,300m
富士山よりも高く、僕の人生史上一番の標高へ行くことになる。
朝食を食べて、水をボトルに詰めて、昼食用にサンドイッチやお菓子などももらった。
12kgの荷物を背負って、8時過ぎに出発だ。
BCまでは普通に歩いて8時間。標高はすでに3,400m。途中ホテルなど泊まれる場所はない。引き返すこともできない。
これからがアコンカグア本番だ。
前方を歩いているのは、ブラジル人のアレックスとジョージだ。昨日も途中でコンフルエンシアへ行くときに見かけた。
この二人もプラザ・デ・ムーラスに行くみたいなので、一緒についていくことにした。
二人はアコンカグア山頂には行かず、別の山を登るらしい。
基本的には一本道だけど、看板が出ているような道ではなく、人も少ないため正しい道を歩いているのか不安になるが、
二人のおかげで、心細かった登山が一気に楽しくなった。
アコンカグアは見ての通り、岩の塊だ。雪が溶けてきて川のようになっているところがいくつもある。岩場が多いので、しっかりとしたトレッキングシューズを履いてきていて良かった。
このLOWAタホーは本当に歩きやすい。値段は少し高いけど、ソールを張り替えながら一生使えると言ってもいい。ワックスを塗るとピカピカになるところも最高にカッコいい。
このシューズのおかげで、8時間の道のりを乗り越えることができたと言っても過言ではない。本当に。
バックカントリー穂高でワックス加工したLOWAタホーを購入してよかったと、心から思った。
延々と続く岩場。景色を楽しむなんてこともなくただただひたすら歩く。
ちょうど4時間くらい歩いたところに日陰で休憩できるような大きな岩がある場所があって、看板には「4 Hours」と書かれていた。
時刻は12時30分くらいだった。ちょうど中継地点まで4時間で来た。昼食をとりながら少し休憩した。
アコンカグアベースキャンプのプラザ・デ・ムーラスまで4時間。
ひたすら同じような景色が続く。
ようやくプラザ・デ・ムーラスのカラフルなテントが見えてきた。この瞬間はかなり興奮した。あれが世界一豪華なベースキャンプか。
ギネス認定された世界一高い場所にあるアートギャラリーもあるらしい。楽しみだ。
が、進んでも進んでもぜんぜんたどり着かない。テントが見えてから1時間くらい歩いてるんじゃないかと思うくらい、あとちょっとが遠い。
息も上がっていて、体力的にもかなりしんどかった。それもそうだろう。この2日間で4,300mまで登ってきているのだから。
世界一豪華なベースキャンプ
延々と続く岩場を9時間ほど歩いて、ようやくベースキャンプのプラザ・デ・ムーラスに到着した。
ブラジル人のアレックスとジョージとはお別れして、チェックインをする。
入り口で入山許可証を見せて、INKAのスタッフを探す。
疲れ切っていてもう動けないけど、これからが大変で、ペ二テンテスからムーラで運んでいる荷物を受け取ってテントを張らないといけない。ご飯も作らないといけない。
メディカルチェックも受けると聞いていたけど、明日になった。
ベースキャンプはそれぞれの会社ごとに場所が分けられている。
赤色のテントがINKAのテントで、食堂やミーティングスペース、シャワー(有料)もある。右奥に見える金属の箱はトイレだ。
荷物を受け取りに行くと、Julietaという女性が案内してくれた。ブロンドヘアーで歯を矯正していて、笑顔が素敵な女性だ。
Satoki?と聞かれるが、このときはなんのことかわからなかった。実は、数日後にこの意味がわかるようになる。
荷物を受け取って、テントを張る場所を探していたがベースキャンプにはけっこうな人がいた。しかしアジア人は一人もいなかった。
なるべく平らな場所を選んで、テントを張る。もうすでに日が暮れ始めている。急いで今日の寝床を確保しないと!
(写真はC2ニド・デ・コンドレス)
僕のテントはMSRのフリーライト2という、とにかく軽いテント。ツアーで参加している人たちはノースフェイスの黄色い前室付きの立派なテントが多かった。
一人で登るにはこのテントで十分だった。2レイヤーになっていて、組み立ても簡単、とにかく軽いところがよかった。左右どちらからでもアクセスできるので、荷物を取り出したりするときも便利なテントだ。
明日からはテントも寝袋もマットレスも、全部自分で荷揚げしないといけないので、軽いことはすごく重要だ。
無事にテントの設営も完了して、ご飯を作ることにする。
初めての夕食
お湯と水はINKAの食堂でもらうことができるので、ベースキャンプにいる間は水の心配はしなくていい。
今日は、ようやくアコンカグア登山のスタート地点に立ったということで盛大にラーメンを食べよう。
数少ないマルタイの棒ラーメンだ。この美味さの安定感は世界のどこに行っても揺るがない。
バーナーにガスを取り付けて、開栓する。火をつけてお湯を沸かす。麺を茹でて、粉末スープを入れれば、完成だ。
高山病予防の水分も取れて、一石二鳥。
日が暮れると一瞬で真っ暗になる。標高4,300mから見る星がキレイだ。
夏とはいえ、日が沈むと凍えるくらい寒い。登山道には年中溶けない腰の高さほどある氷が、登山者の行く手を阻んでいる。
今日はさすがに疲れた。疲れているのか、高山病の症状なのかわからないが、少し頭がぼーっとする。
念の為、持ってきていたロキソニンを飲んでおくか。
明日は順応と休息、メディカルチェックを受けてゆっくりする。
プロテインを飲んでおこう。登山ではどうしても炭水化物中心の食事になってしまって、タンパク質が足りなくなる。
タンパク質が不足すると疲れも取れにくくなるので、プロテインは手軽にタンパク質を補給できる便利アイテムだ。(ふだんは飲まないので、このために購入した)
今日の経験は、血となり肉となってくれることだろう。
ここからがアコンカグア本番だ。
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