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ファッションの闇? 〜買い物は投票〜

お洋服にもっと感謝を

私達は、自分では作っていない服を毎日着ている。フェアトレードで大事にしているのは「誰がどこでどう作ったか」。今日たまたま着ていた自分の服は、Made in Bangladesh 🇧🇩 だった。実は、日本の衣類のうち日本製は1.8%!普段はあまり意識しないかもしれないけれど、私達の毎日は世界と繋がっている。そこにもっと感謝の気持ちを持てても良いのかもしれないと思った。

目を背けたくなる?ファッションの闇

ファッションといえば自己表現、そして文化的に楽しむもの。その一方で、バングラデシュの縫製工場での「ラナプラザの事故」のような悲惨な現実もある。

ラナプラザの事故
・2013年、8階建ての商業ビル「ラナプラザ」が崩落した事故
・ラナプラザ:銀行や複数のお店のほかにMangoやMatalan、Benettonなど27のファッションブランドの縫製工場が入っていた
・耐震性を無視した違法な増築
・ずさんな安全管理
・低賃金かつ劣悪な環境での労働

https://ideasforgood.jp/glossary/rana-plaza-collapse/

事件後、ラナプラザ内に縫製工場を持っていた大手ファッションブランドは「そんな状況にあるとは知らなかった」と事故の責任を否定した。しかし、事件1週間後には「バングラデシュの工場と建物の安全に関する新たな合意」が形成された。この事故は、ファッションの人権問題を見直すきっかけとなった。企業・消費者は、倫理的で持続可能なファッションの在り方について再考する必要がありそう。

流行りのファストファッション

SHEIN
2008年に中国で設立され、現在はアメリカに本社があるファッションブランド。「金銭的な余裕はそれほどないけれど、流行のファッションを気軽に楽しみたい」そんな10代~20代前半の若者がメインターゲット。実店舗は構えず、オンラインで消費者に直接販売するD2C(Direct to Consumer)企業。「1日新商品6000点」のウルトラファストファッション。

https://toyokeizai.net/articles/-/654340

なんでそんなに安い?

上で紹介したSHEIN、そして日本でもGUなどを見れば圧倒的な価格の低さに驚かされる。しかし、なんでそんなに安いんだろうか?その裏には、低賃金労働が潜んでいる。そして、それとセットになりがちなのが、児童労働。

児童労働
15歳未満の義務教育を妨げる労働のこと。世界の子供の1/10にあたる1億6000万人(日本の人口よりも多い)が児童労働をしている。しかし、日本社会で周りを見渡しても、児童労働は身近ではない。児童労働が発生している地域には大きな偏りがあると言えそうだ。

洋服の原料の生産地のひとつであるインドのコットン農場の労働力の60%は子ども。綿花の受粉、綿摘みの作業には時期があるため、1年の中でも繁忙期がある。子どもたちが、その極めて労働集約的(※)な作業で手一杯になり、学校からドロップアウトしてしまうケースも。

労働集約型産業
事業活動の主要な部分を人間の労働力に頼っており、売上高に対する人件費の比率が高い産業のこと。

https://kotobank.jp/word/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E9%9B%86%E7%B4%84%E5%9E%8B%E7%94%A3%E6%A5%AD-179062

安く雇えて簡単に言うことを聞かせられるから、子どもが労働力として駆り出されている訳ではない。低賃金で大人を労働者として雇うと家が貧しくなる。すると、子供も働かせないといけなくなってしまう。世界のファストファッションブランドは、製品をこぞって安く売ろうとするが、その背景には世界各地の下請け工場での「支払われている賃金に対しては荷が重過ぎる労働」があることを忘れてはいけない。

なんで児童労働が発生してしまうんだろう?

・自分の「安いものを良しとする価値観」
・その価値観を生み出した環境(親、学校、広告、テレビ)

児童労働に繋がってしまう要素について考えてみると、自分にも関係がある。「なんで安いんだろう?」と考えてみると、ファストファッションの見方も自ずと変わってくると思う。常に「ファストファッションブランド製品を購入するとラナプラザ事件に繋がる」なんて考えていると息苦しい。でも、お金を払って買い物をするということがその企業を応援するという行為であることも忘れないようにしたい。

服のお買い物に関して思うこと

最近は、「新品はダサい」価値観も広がってきているように思う。古着は、最近めちゃめちゃ流行っている。安いプチプラを頻繁に買っては捨てるのは、個人的には好きじゃない。ここまで書いてきた「ファストファッションの背景」を抜きにしても、「そんなに好きじゃないものを購入して、すぐに着なくなる or 飽きて捨てる」という行為自体がカッコいいとは言えないと思う。

低価格が当たり前な世界

ファストファッションブランド全般が悪だと言いたい訳ではないが、「人を大切にするブランド」の方に投票する選択肢もあるということを忘れないようにしたい。もちろん、自分はファストファッションの恩恵も受けているから難しい部分ではあるが、この「低価格が当たり前」な世界から抜け出さないと、ファッションの闇は繰り返されてしまう。経済も上には向いていかないのではないだろうか?

妥当な値段設定とは?

1つの洋服にも、綿花栽培、縫製工場での工程、流通(輸出入含めて)…というようにたくさんの人の労働力、時間、思いが詰まっている。これを自分1人で全部やろうとしたら、どれだけの時間がかかるのか?自分の労働を時給換算してみたら、服を作るのにはいくらかかるのか?それが、そんなに低価格で良いのか?妥当なのか?もう一度考えてみたい。

フェア
①公平:判断や行動が公正でかたよっていないこと。特定の人のえこひいきをしないこと。
②公明正大:隠し事をせず、堂々としているさま。

フェアトレードという言葉を最近はよく聞くが、この世界ではフェアじゃない商品売買が多すぎると思う。言い換えれば、妥当な値段でやりとりがされていない。さっきの服が手元に届くまでにかかっている手間の話は、野菜でもなんでも同じだと思う。

購買行動の際に、「安いこと」が判断基準の中でも重要なこの世の中だが、他の要素にももっと目を向けたい。その商品の背景にあるストーリーの部分にこそ価値があると思う。

だた、学生でろくな収入もないのに、自分が魅力を感じる商品に高いお金を支払うことは難しい。自分はそこにすごく葛藤しているが、将来は自分が良いと思う世界観に近づくために、応援したい人にお金を渡したい。そういった買い物をしたい。

100円のお野菜だって、絶対に自分が時給1000円で働いている1時間のうちの6分では作れない。安く買って節約するのも大事。でも、「感謝を伝える手段としてのお金」だと考えると、世間一般的に、もっとお金を払ってもいいのになと思う。

「買う」=「投票」

最後まで読んでくださってありがとうございます!
また次回のnoteでお会いできるのを楽しみにしています👋

2023/03/18(土)、船鉾町会所にて「フェアトレードを通じたより良い社会づくり」というテーマで、人見とも子さん・秋吉恵さんからのお話を聞いて、今回のnoteを書きました!

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笠井康弘
僕のnoteを読んでくださって、ありがとうございます!お金という形でのご支援に具体的なリターンを提示することは出来ないのですが、もしサポートを頂いた際は、僕自身の成長をまたnoteを通して報告させていただけるように頑張りたいと思っています。

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