入社試験に落ちながら、面接官に思いをぶつけることで逆転合格!特別待遇にまでなった話
今日は自分が富士フイルムで働いていた時のお話をします。
実は私、入社試験には落ちていたんです(^_^;)
しかし!自分の素直な気持ちを面接官に話したら、三人の面接官すべてが不合格を合格に切り替えてしまったのです!
そして、更にそのような話が人事部の部長の耳に入り、遂には入社後に特別待遇されるまでになったのです。
このような有難い経験は是非、シェアしたいと思い、筆を執らせて頂きました。
それでは始まり、始まり~
抜き打ちテスト
入社試験とはどんなもんだかも知らないまま、富士フイルムのオフィスに到着。
「何するんだろう?面接かな?」
などと気楽に座って待っていると、何故かいきなり筆記テスト開始、、、
化学に関する問題だ。自分は化学専門で大学院まで出ていながらも、このテストはさっぱり出来なかった、、、
文字通り『さっぱり』で、、殆ど適当な回答しか書けていなかった(^_^;)
それでも自分としては、「まぁいいや、こんなの。別に関係ないだろ?」といった感じだった^^
面接官から不合格通知
筆記テストが終わると一人ひとり面接試験が開始された。
自分の先に面接された女性は無事に合格したそうだ。物凄い真面目そうな子で、面接官の方から「これから宜しくお願いします」と言われていた。
さて、自分の番。
面接官は三人(四人だったかも?)。
何故か物凄く表情が厳しい・・・
あれ?先ほどの合格者への態度とのこの違いは何??
どうも、自分の筆記テストの結果に面接官の方々はご立腹だったようだ。
まさに、「お前は富士フイルムをなめてんのか?!」といった感じだった、、
「大学では一体、何をしていたんですか?!」
「こんなレベルで化学実験なんて出来るはずがないでしょう?!」
「うちは化学の会社です。良くこんなレベルで受けましたね。」
そして、
「残念ですが、このようなレベルでは、うちの会社には適しているとはとても思えません。」という流れ(^_^;)
テストの点数なんて関係ないでしょう!
自分は実は、この時点では、先ほどの「残念ですが、、、」が『不合格通知』であることにすら気づかなかった。自分が落ちる訳がないとなぜか思っていたのでね^^
面接官の方々の話を聞いていて思ったが、皆さん、テストの結果が良くなければ化学の研究は出きっこないという考えをお持ちのようだった。
自分はまるでそうは思っていなかったので、自分の考え、想いをお話させて頂いた。
その時の流れはこんな感じ;
面接官A;「大学ではなにやっていたの?」
ヤス;「語学が好きで、英語やドイツ語を勉強していましたね。あとはバスケットボールですね。」
面接官B;「専攻は化学でしょう?化学はしっかりと勉強しなかったの?」
ヤス;「化学は、基礎はやりました。でも、将来どのような事をするかがわかってなかったので、細かい所はやりませんでしたけどね。」
面接官C;「基礎はやっていたって、、さっきのテスト、全然出来ていなかったよ!」
ヤス;「あまり細かいことは覚えていないんです。でも、実際の研究では覚えている必要など無いでしょう?教科書や参考文献を調べながら実験は進めていくのですから。基本はわかるから、教科書を見ながらであれば先ほどの試験も答えられますよ。」
「富士フイルムではどのような研究をするのかは知りませんが、それがわかったらその分野に関して勉強しますよ。そして研究を進めることが出来ます。」
「今回のテストの点なんて言うのは、自分からしたらまるっきり実際の研究とは関係ないと思います。
テストで高得点が採れるというのは、ただ単に教科書に載っていることをしっかりと記憶しているというだけでしょう?
実際の実験では横に参考文献を置いておけるのだから、覚えていることよりも、調べられることのほうがよほど重要だと思います。」
「どの分野を勉強すれば役に立つか(会社に入った際に)を知りもせずに、盲目的に教科書を覚えるというのは自分からするとあまり意味を感じません。そのような時間があれば、もっと他にやりたい事などをやる方がよほどいいと思うのですよね^^」
「逆に、テストの点数が高い秀才タイプだと、答えられないような問題が出たら混乱するかもしれません。自分の場合はそういうことは無いんです。ただ単に調べようとするだけ。
最初から答えがわからないような問題、『研究』というのはそうですよね、こういうのの答えを求めるというのは好きだから喜んでやれます。こういうのはテストが高得点の秀才よりも自分のほうが上手くやれると思います^^」
逆転満塁ホームラン!
入社試験が終わり、東京から京都にある大学の研究室に戻ると、教授が興奮した面持ちで声をかけてきた。
教授;「室田くん、聞いたよ!逆転満塁ホームランだったらしいじゃないか!」
ヤス;「え?何のことですか?」
教授;「入社試験、筆記テストあっただろう?」
ヤス:(あれ、良く知っているな) 「はい、ありました。」
教授;「あれ出来なかったでしょう?」
ヤス;「えぇ、いまいちだったと思います(^_^;)」
教授;「人事部の部長から電話があって聞いたんだけど、あの時点で室田くんは不合格だったらしいよ。」
ヤス;「え~、そうだったんですか?!!」 (うーん、驚き!)
教授;「面接官の方々から”そういうことで諦めてください”というようなことを言われなかった?」
ヤス;「いや~、確かにかなり態度は冷たかったですね、、」
教授;「不合格だから室田くんには諦めてくださいと面接官皆で伝えたのに、室田くんは全然引かずに自分の気持ちを話したらしいじゃない。あれを聞いて、面接官全員が✖(不合格)を◯(合格)にしちゃったんだって!」
ヤス;「そうだったんですか、、」(というより、本当だったら落ちていたのか、、、)
教授;「富士フイルムみたいな一流企業には秀才なんかは沢山いる。でも、困難にへこたれないリーダーを必要としているんだよ、室田くん!」
人事部の部長に目をかけられ、特別待遇に!
面接官全員が不合格から合格に切り替えてしまった、、、そんな合格者がいるということは当然、人事部の部長の耳に入った。
内定を頂いた後、富士フイルムでは心理テストというのを受けさせられた。
そしてこれまた私は特異な結果を残すことになったのだ、、、
人事部の部長から直接研究室の私宛に電話がかかってきた。
部長;「室田くん、心理テストの結果なんだけど、、、ちょっと特異な結果でね、、今度心理カウンセラーの先生と三人でお話をさせてもらえないか?」
三者面談の中で、部長と自分との会話はこんな流れ;
部長;「心理テストの結果なんだけど、『他人への影響力』というのが満点になっている」
ヤス;「あぁ、そうですか?」
部長;「それともう一つ、反抗心というのも満点になっているんだよね、、、。室田くん、これはどう思う?」
ヤス;「自分では自分を反抗的だとは思っていません。ただ、正直に答えているだけです。もちろん、会社に入って上司の人から指令が来たとして、その指令が首を傾げるものであれば、”なんでこれをやるのですか?こうした方がいいのではないですか?”とは言います。その答えが”まぁいいからやってよ!”みたいな納得の行かないものであれば、自分は断ります。それを反抗的だというのであれば、そうかもしれません。
でも、全てにただ反抗するとかいうことはないし、逆に仕事が面白いものであれば、何も言われなくても勝手にやりますよ♪」
部長;「そうか、分かった!」
部長は特別枠?で入社をOKにした私の心理テストの結果を見て、ちょっとやばいかなとおもったのだろう。
『他人への影響力』と『反抗心』が満点なんて、、、労働組合のトップにでもなられたら面倒だろうから(^_^;)
しかし実際に会って話すことで、部長は自分の性格を理解してくれたようだ。
そして力強く言ってくれた。
「そうか、分かった!」
この言葉が実はあんな意味を持ってくれていたとは、、、
これは自分が退社する時に初めて部長の口から明かされたのだが、実は自分は富士フイルムにおいて入社時から特別待遇を受けることになったのだった、、、、
ストレートな気持ちは人の気持を打つ。
それがあのように跳ね返って自分に帰ってくるとは、、
今でも思い返すと有り難さで胸がいっぱいになる。
この『特別待遇』に関するストーリーは下記の続編で・・・・
続編;『好きな事しかしないが、それには情熱を傾ける』自分の性格を人事部の部長が認め、富士フイルム入社後に何でもありになった話~退社までの流れ