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ヨーロッパへ

 無事、修士論文の口述試験や企画・運営で関わるプログラムが終了し、ホッとしているのも束の間。明後日から2年ぶり2回目のヨーロッパ(バルセロナ、トリノ、アムステルダム)に行ってきます。今回は、学業の面が半分を占める中でも、ヨーロッパの都市計画・都市デザイン、まちづくりなどに触れてこようと考えています。
 そこで、皆様的にここは行っておいた方がいいよという場所があれば、教えて欲しいです。ちなみに、僕の今回のヨーロッパ周遊のテーマは、以下のものです。これらに沿った行っとくべきだという場所をぜひ教えて欲しいです。
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◎Good Practiceのその後と本音
 日本では、欧州の都市計画・都市デザインの取り組みを日本風に再解釈し、できない部分は巧妙にすり抜けつつ、模倣しようという心がけが多数見られる。しかし、Good Practiceと称される取り組みも、「構想としては戦略的に立てられているが、実装でうまくいっていない」「実装したものの、理想通りには機能していない」など、その後の成果や課題に焦点を当てる機会は少ない。だからこそ、取り組みのおしゃれさやかっこよさだけでなく、Good Practiceが内包する「脆さ・不完全さ・課題」を直視したい。

◎融通無碍に都市を紡ぐ。
 
昨年、30年越しの麻生台ヒルズの開発が話題となった。しかし、この計画は、30年以上前に構想された都市像や未来像の実装であり、現代のライフスタイルや価値観とはズレが生じているかもしれない。つまり、どれほど完璧に考案された都市計画や都市デザインであっても、未来を過去の枠組みに縛り続けるものになり得るのだ。不動産開発・不動産事業に携わる身として、私が将来生み出すアイデアは、いったいいつ実現するのだろうか。もしかすると、私が亡くなった後かもしれない。
 では、これから求められるのは、「ひとつの正解」を押し付ける一方的なマスタープランではなく、多元な可能性を残し、時代ごとに柔軟に変化を受け止めを念頭においた取り組みではないだろうか。

◎聞けなかった多元な声を響かせ、新たな理想を奏でる
 
多様な可能性を残し、時代ごとに柔軟に都市との関わり方を変えられる取り組みを実現するには、これまで語らなかった・語れなかった・語りたかった人々が、実態があるようでつかみどころのない都市に関わりしろを見出し、声を上げる土壌を作る必要がある。そして、それを学者やデベロッパーが提示する「正解」に回収するようでは、生まれた声は学者やデベロッパーの背景音の域にすぎなくなってしまう。だからこそ、多元な声から新たな音色が奏でられるような都市像や未来像の描き方を試みている取り組みを見てみたい。

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