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矢野顕子さとがえるコンサート2024 featuring 小原礼・佐橋佳幸・林立夫 @NHKホール 2024.12.15


今年も無事に聴きに行けました!
僕は1999年からほぼ毎年聴きに来ているので今年で25年目、もはや年末の恒例行事。
ああ、もうすぐ今年も終わるのかぁという気分と共に。

渋谷で開催されている「青の洞窟」を横目にNHKホールを目指すのも年末行事。

さとがえるコンサートでは、ここ数年、小原礼(b)、佐橋佳幸(g)、林立夫(d)というレジェンドミュージシャンで構成される"THE YANO AKIKO"とのバンド編成。

今年のさとがえるの何が凄かったかって、アンコールに登場したゲストがMISIAだったこと。

本編では珍しく矢野さんのピアノソロコーナーが無くて、アンコールではバンドメンバーが舞台袖に戻ってしまい、ステージ上には矢野さんとピアノだけが残されたところで。

”希望のうた”を依頼してくれたかたをお呼びしましょう、MISIA!みたいな感じで(記憶が怪しいのでかなり意訳)ゲストが発表され、どよめく場内。
僕もびっくりしすぎて「うそぉぉぉぉぉ!?」とか叫んじゃいました。

MISIAから、矢野さんに曲を依頼した経緯を説明して、「希望のうた」ピアノ弾き語りバージョンを披露。1番はMISIA、2番以降は矢野さん&MISIAコーラスという感じ。MISIAの圧倒的な声量がNHKホールに響き渡っていたのはもちろん素晴らしかったけれど、矢野さんの伸びやかなボーカルやピアノとも相まって更に感動。

しかも「希望のうた」だけでなく「ひとつだけ」も矢野&MISIAバージョンで披露。
忌野清志郎さんや森山良子さんともこのナンバーを一緒に歌ってきた矢野さんですが、MISIAとのデュオによって、また新しい矢野さんの魅力が堪能できました。

思い返せばコロナ禍の2021年にリリースされたアルバム「音楽はおくりもの」でMISIAと矢野さんが出会って、その年のさとがえるコンサートにもMISIAがゲストで来て、コロナ後に再びコンサートで再会するっていうのが、ファンとしても本当に嬉しいサプライズでした。

・・・という感想が、僕の脳内に溢れていたのがコンサート当日の話。

一晩寝て、起きて、冷静さを取り戻すと、「MISIA登場前の矢野さん&THE YANO AKIKOの素晴らしさ」の記憶がジワジワと蘇ってきました。

某ラジオ番組で、矢野さんと一緒に出演した上原ひろみさんが「今回は特に矢野さんのボーカルが素晴らしい」と絶賛していたのですが、この日の矢野さんの歌も更に絶好調とお見受けしました。

小原礼&林立夫の出会って60周年を迎えた鉄板リズム隊も、相変わらず何本もギターを取っ替え引っかえして紡ぎ出すカッチョいいサウンドの佐橋さんも、すんばらしかったです。

1曲目「わたしのバス」のイントロがジャーンと鳴った時、「ああ、この心地よいサウンド!おかえりなさい!」の気分になりました。
コロナ禍の不安な日々の中で、この曲が収録された新アルバムがリリースされ、発売記念のライブにも行き、間引かれた客席でマスクをしたまま聴いたこの曲に、たくさん励まされました。そんな当時を思い出しつつ。

宇宙飛行士の野口聡一さんのご家族が、野口さんを宇宙に送り出す時の気持ちを詩にしたという「You are special to me」が、とても感動的。佐橋さんのアコースティックギターに乗せて、切々と紡がれる歌詞が泣けます。

同じく野口さんご家族作詞の「Three Rockets」は、夏にブルーノートでも聴きましたが、今回はホール内にロケットの轟音が響き渡って迫力満点。NHKホールの音響すごい。

そしてYMO作品(というか坂本龍一作品)から「千のナイフ」と「TONG POO」。

「千のナイフ」はウィル・リー&クリス・パーカー版とはまた違って、THE YANO AKIKOバージョンのほうは良い意味でドッシリした感じがしました。この曲での矢野さんのピアノがとても印象的で何度も鳥肌。

「TONG POO」も良かったです。ファンになりたての頃、この曲が好きで何度もリピートして聴いていたので、この落ち着いたテンポを懐かしく感じました。

坂本龍一さんと高橋幸宏さんが他界された後、彼らの楽曲を堂々とカヴァーできるアーティストなんて、現時点では矢野さんしかいないような気がします。
それを矢野さんご本人が自覚してのことかどうかはわかりませんが「YMO作品て素晴らしいでしょ?こんな素晴らしい音楽を眠らせておくのは勿体無い、だから私が歌い継ぐわ」という決意のようなものを感じました、完全に僕の憶測ですけど笑 
そして、この憶測のおかげもあってか、坂本作品2曲には強烈に心を揺さぶられました。

・・・という流れがあった後のMISIA降臨。
なんという極上のライブを聴いてしまったことか。

今年は、ブルーノート、江戸川文化のソロ、奥田民生、上原ひろみ2回、そしてさとがえる、と矢野さんライブの当たり年でした。

最近の矢野さんは、「来年のことはわからない、来年もさとがえるコンサートが開催されるかはわからない」とおっしゃいます。
そうですよね、我々は「今日と同じ日常が明日も続く保証は無い」ということを学びましたから。

でも、ファンとしては来年もまた聴けると信じて、それを楽しみに日常をがんばろうと思います。
矢野さん、素晴らしい音楽を届けてくれて本当にありがとうございました。

矢野顕子さとがえるコンサート2024 featuring 小原礼・佐橋佳幸・林立夫
@NHKホール 2024.12.15.Sun

  1. わたしのバスVersion2

  2. 春先小部に

  3. 海と少年

  4. TIME IS

  5. You are special to me

  6. Three Rockets

  7. Love Is All You Get (THE YANO AKIKO)

  8. My Cherie Amour (by Stivie Wonder)

  9. ラーメン食べたい

  10. Do You Love Me ? (愛されたいおれら)

  11. 夢のヒヨコ

  12. 千のナイフ

  13. TONG POO

  14. Greenfields

EC1. クリームシチュー
EC2. 希望のうた
EC3. ひとつだけ

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