心の中でガッツポーズするとき
(2022年11月に下書きになっていたものをリライトして公開しました)
「自分が何に心を動かされるのか?」
というのをこの夏以降、大事にしてきました。
広い意味で「よい仕事」というものを考える上で、とても大事だと感じられるのです。
そんな「よい仕事」を確かめることのできた瞬間についてのお話です。
先日、11月8日に皆既月食がありました。
天王星が月の後ろに隠れる「惑星食」も同時に起きるとあって、メディアにも大きく取り上げられていました。
私も天体望遠鏡を出して、442年ぶりという天体ショーを楽しみました。
天体ショーのある日は、近くに住む姪っ子と望遠鏡を覗いて宇宙を散歩しています。
月食は「月が食べられる」と書く。
じゃあ、月を食べるのは誰かな?
なんて冗談を交えながら、自然の摂理に気づいてもらおうと話をしていました。
今回は天王星と月と地球の距離についても話しました。
太陽系の惑星の並びは、
「スイキンチカモク・・・」という暗号でおなじみ。
その大きさや距離感は、なかなか分からないものです。
東京から大阪が500キロ。
地球一周が4万キロ。月までは38万キロ。
しかし、数字では宇宙のスケールはなかなか伝わりません。
太陽のサイズをバランスボールだとすると、
地球はビー玉、
木星はバレーボール、
天王星がテニスボール。
地球と月の距離を数センチの距離に例えた後、天王星の距離がずっと遠いことを示すために、空き地の端に向かって歩いて行きました。
「ここぐらい!」と私がいうと、姪っ子は「こわっ!」と言ったのです。
その時、私は心の中で思わずガッツポーズをしました。
日常から大きくかけはなれた自然のスケール感に触れた時、恐怖とは違う「おそれ」を感じることはないでしょうか。
「こわっ!」という感覚を感じてもらえたことが、とてもうれしかったのです。
自然と人とは相対するものという感覚は、都市に暮らしていると当たり前になっています。
しかし、どこにいてもそこは宇宙の一角なのです。
自然のことを知識として知るのではなく、自然のスケールや摂理を感覚を通じて知る。
その大きなスケールの中に、確かに動く摂理、その一部としての私たちを感じるのが、とても豊かな時間だと思うのです。
姪っ子の反応を見て、私が伝えていきたいのは、これなんだ!って。
私も心を揺さぶられたのでした。
狭義の仕事では、金銭収入という豊かさを得ることが最も大事。どんなことをして、どんな感覚を味わいたいのか。
効率至上、金銭至上ではなく、「精神的な豊かさ」を与え、受け取ることも、これからの「よい仕事」を考えるうえで大事にしていきたいのです。
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