吉見 泰広

言葉と自然を通して、世界と自分が本来持つ豊かさに気づく。 そんな豊かさを世界に循環させていけたらと思っています。 自分の存在が誰かの気づきになるといいな。 気象予報士としても活動中。

吉見 泰広

言葉と自然を通して、世界と自分が本来持つ豊かさに気づく。 そんな豊かさを世界に循環させていけたらと思っています。 自分の存在が誰かの気づきになるといいな。 気象予報士としても活動中。

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ただ1つの空席

JRの夜行列車「ムーンライトながら」が廃止されるとのこと。 夜行列車が廃止されるたびに、そこで生まれるはずだったドラマも失われてゆくのかと、さみしい気持ちになります。 ムーンライト号にまつわる忘れられない思い出があります。 博多から京都に向けて走る「ムーンライト九州」でのドラマです。 乗ったのは20年近く前、中学生の時でした。 初めての青春18きっぷの一人旅で、北九州にいた親戚の家に泊まり、翌朝は山陽本線を東へ、大阪へと帰る計画を立てていました。 「もし夜行に乗れるのな

    • 心の中でガッツポーズするとき

      (2022年11月に下書きになっていたものをリライトして公開しました) 「自分が何に心を動かされるのか?」 というのをこの夏以降、大事にしてきました。 広い意味で「よい仕事」というものを考える上で、とても大事だと感じられるのです。 そんな「よい仕事」を確かめることのできた瞬間についてのお話です。 先日、11月8日に皆既月食がありました。 天王星が月の後ろに隠れる「惑星食」も同時に起きるとあって、メディアにも大きく取り上げられていました。 私も天体望遠鏡を出して、442年ぶ

      • 逆説の魔法

        最近好きになった言葉があります。 それは「ところがどっこい!」です。 「しかし」「だが」とかと同じように逆説のときに使う言葉ですね。 日常でネガティブな考えが浮かんだり、暗い気持ちになったときに、 ちょっと威勢をつけてこの言葉を口にしてみるのです。 「ところがどっこーい!」 そうすると、なんだかそのあとは明るいことしか起こらない気がするようになる。この言葉をきっかけにネガティブなことを考えられなくなるんですね。 「しかし!」とか「でも!」って言うよりも、 「ところ

        • 一度きりの心

          昨年、学んだことがありました。 自分にとっては大きな学び、というか気づきで、いろいろと行動や選択に変化が出てきたんですね。 「自分の心を殺すのはとても容易で、そして同時にとても辛い」 「殺す」なんて強い言葉を使いましたが、命と同様、自分の心はかけがえないものなのだと学びました。心も一生に一度きりなのです。 心が感じたことを頭で考えて上書きしたり、周りの目や社会常識と比べたり、利害を考えて、心をなかったことのように扱ってしまうことがあります。自分でも無意識のうちにです。

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        ただ1つの空席

          計画外の出来事が人生であるなら

          Life is what happens to you while you are making other plans. 「人生とは、何かを計画している時に起きてしまう別の出来事のこと。」 星野道夫氏の著書『イニュニック〜生命〜』で紹介されている、シリア・ハンターの言葉です。 この言葉を初めて読んだとき、まだ大学生。 含蓄のある言葉だと思いましたが、その正体は霧のなかにあるようでうまく自分のものにはできませんでした。 価値観も時間とともにアップデートされていくし、世の

          計画外の出来事が人生であるなら

          「おぜん」よ、ありがとう。

          先日、実家のタンスとこたつを処分しました。 タンスの中に入っていたのは、高校生の時に買った冬山登山用のジャケット、袱紗やポケットチーフなど使う機会のない小物ばかりでした。 タンスを処分するついでに、古いこたつも処分してほしいと頼まれたので、一緒に市内のゴミ処理施設へ持ち込むことにしたのです。 この古いこたつ、実家で「おぜん」と呼ばれていたものです。 きっと「御膳」のことでしょうね。 家族で食事をしたり、冬はこたつに寝転がってくつろいだものです。 そのうちイスがセットになった

          「おぜん」よ、ありがとう。

          怖いという気持ちを大切に

          こんばんは。 私は怖がりです。 もちろん誰しも怖いものがありますよね。 人間だけでなく動物は皆怖いと感じるものがあって、これは動物の本能ですね。 山歩きが好きなのに、出発前に急に怖くなって行くのをやめてしまったことが何度かあります。 あまりに悔しくて涙が止まらなくなりました。子どもだったな… 「怖さ」を乗り越えることができるのは、動物の中では唯一、人間だけだと何かで読んだことがあります。怖さを乗り越えられない奴は人間じゃない!だから勇気を振り絞れみたいな感じで書

          怖いという気持ちを大切に

          パトカーの後ろにあった大事なこと

          こんばんは。 日が傾くのがだいぶ早くなりましたね。 きょう、仕事から家へ帰る途中、ちょっとうれしい出来事がありました。 ひんやりと冷たい風の中を、家の近所まで帰ってきたとき、タイミング悪く、交差点で信号にひっかかったんです。 信号が変わり、目の前を車が横切っていきます。 「ププッ!」 パトカーの後ろの車がクラクションを鳴らしたのです。 「え、パトカーにむかって…!?」と思っていると、その車の運転手が、私に向かって大きく手を振っているではありませんか。 それは小学校か

          パトカーの後ろにあった大事なこと

          力強く見送れる人でありたい

          こんにちは。 久しぶりに書いています。 ここ数週間、仕事を中心にいろいろな事がありました。 さらにメンタル面も崩してしまって、心ってあっけなく病んでしまうものなんだと痛感しています。 中でも強いインパクトがあったのが、OJTのトレーナーを担当した新入のA君が退職を決めたこと。 その新入の彼はOJTの前半で辛い思いし、私にトレーナが変わった時には既に退職を決意していました。 ランチに誘っていろいろと話を聞いたのですが、入社した時の希望は失望に変わり、ただ耐えるだけの毎日だっ

          力強く見送れる人でありたい

          好き=とりつかれる

          しんどいことや面倒くさいことが嫌い。 だけど、山歩きだけはずっと続けているんです。 とてもバテやすくて、吐きながら登ったこともあります。 「ううう、もう山なんか、今回限りでやめてやる…」 でも、その3時間後にはハイになって絶好調! 「山サイコー!ひゃっはー!たっのしー!」 同行した人は別人になったのかと変貌に驚いたといいます。 そんなことがよくあるんです。 ええ、私は山が好きなんです。 その一言に尽きるんですが、一体その山の魅力とは何なのでしょう? ジョージ・マロリーは

          好き=とりつかれる

          「おもしろい」と「楽しい」は違う

          こんばんは。 昨夜は、京都で学生時代の友人と久々に飲んできました。くだらない話から真面目な話まで、気のおけない友人とリラックスして楽しみました。 こういう時間、いいですね。 ちょうどほろ酔いになってきた頃、私が仕事がつらいのでやめたいという話と、今どういう仕事をしているのかという話をしたんですね。 すると、彼は「おもしろい」ことを言ったんです。 「お前は仕事がつらくてやめたいと言ってるのに、仕事のことをとても楽しそうに話す。」と。 私は一瞬「はぇ?」となってしまいました

          「おもしろい」と「楽しい」は違う

          時を超える感覚

          先日、高野山に行ってきました。 奥之院まで歩き、弘法大師空海を訪ねたあと、大好きな巨木に会いに行きました。 私は「聖地」と呼ばれる場所にとても惹かれます。 パワースポットとも呼ばれますが、現世利益なことよりも、その場所に思いを寄せた人々の思想や心に惹かれます。 さらに、時間を超える不思議な感覚を得られることも、聖地の魅力です。 高野山も例にもれず、弘法大師空海を筆頭に、時代をこえて人々を惹きつける場所です。 世紀を超えて空海が生き続け、多くの人々が連綿と祈りを捧げる場所、

          時を超える感覚

          知りえない物語の断片

          夜風に当たろうと、街を散歩していると、料理のいい香りがしたり、テレビを見ている家族の談笑が聴こえたりと、さまざまな音や匂いが飛び込んでくる。 夜は視覚情報が少なくなり、嗅覚や聴覚が鋭くなるのだろうか。 夜の街の様々な匂いの中で、お風呂からと思われる香りが意外に多いことに気づく。嗅ごうと思って嗅ぐのではなく、ふと鼻に届くくらいの一瞬の香りである。 この誰のか分からないシャンプーか、ボディーソープの香りに、何とも言えない、刹那的な哀愁を感じるのだ。 一歩間違えると変態に扱われて

          知りえない物語の断片

          晴れの持ち数

          こんにちは。 晴れた日の青空を見ると、私は「外に出て何かしないと!」と思ってしまいます。そう思う方はいらっしゃるでしょうか? スカッと晴れた青空が、なにかとても貴重なことのように感じるのです。 今日は晴れでも、明日は曇りかもしれない。 人生には「晴れの持ち数」があって、それが一つ減ったような気がするのです。といっても、それを存分に活用できているかといえば自信はありませんが。 晴れていても、仕事でオフィスで過ごすしかない日もあります。そういう日でも、ひととき時間を見つけて

          晴れの持ち数

          関係の質が変わってゆく

          おはようございます。 今年は、幼なじみが立て続けに結婚していくおめでたい年です。 子供ができた、というさらにおめでたいことも! 結婚式に招いてもらい、昔からの時間を思い返しながら、こうして同じ時代に生きていることができて嬉しいなと感じます。 その一方、焦りに似た気持ちが心に浮かんできます。 私が結婚していないことに対して、ではありません。 変わっていく幼なじみとの関係に対してです。 彼らは家族という新しい関係を築いていくなかで、彼らと私との関係もいやおうなしに変わってい

          関係の質が変わってゆく

          何も書くことがないときは

          こんばんは。 アウトプットを習慣にしていきたい、とおもってnotoを始めました。 特に文章を書こうと思う時に考え込んでしまうのは「ネタ」。 きょうは夕方にふと、空を見上げたら雲の模様が美しかったので、写真を撮ってみました。 こんな些細なことでもネタになるかもしれない。 そんなことを思って今これを書いています。 空は毎日、毎時、毎瞬間、違う表情を見せます。 それを見て、なにか感じることがあれば、それを書けばいいのではないでしょうか。 思うままに続けてみようと思います。

          何も書くことがないときは