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計画外の出来事が人生であるなら
Life is what happens to you while you are making other plans.
「人生とは、何かを計画している時に起きてしまう別の出来事のこと。」
星野道夫氏の著書『イニュニック〜生命〜』で紹介されている、シリア・ハンターの言葉です。
この言葉を初めて読んだとき、まだ大学生。
含蓄のある言葉だと思いましたが、その正体は霧のなかにあるようでうまく自分のものにはできませんでした。
価値観も時間とともにアップデートされていくし、世の中もいやおうなしに変わっていきます。
人生計画なんて砂上の楼閣にすぎない、そういうことを言っているのだと思っていました。
この言葉と出会っておよそ10年になりますが、自分自身のことやコロナ禍に巻き込まれるなかで、フォーカスすべきは「別の出来事」という部分にあるのではないか思い始めました。
そもそも「人生」って言葉は何を指すのでしょうか。改めて考えてみると、とても抽象的です。
私は、どういう経験や体験をしたいか?何を感じたいか?そういった選択の繰り返しと結果の積み重ねられたものが、「人生」や「生き方」というものなのではないかと最近思っています。
つまり、轍のように、自分の後ろに刻まれていくものいう感じです。「別の出来事」の連続が結果的に「人生」と呼べるものになるのではないかと。
そうであるなら「別の出来事」をどう受け止めるか、解釈するか、選びとるか、ということの方が重要なのかもしれません。
これのほうが、しなやかに変化に対応できる気がするのです。
磨くべきは「人生の計画」ではなくて、「別の出来事」に対応できる能力なのかもしれません。