１番辛かったことを振り返る　時給５００円編

前回の続きになります。

辞めれずに働くことに決まった翌日。
１６時からお店の開店準備から始まり、買い出し、それが終わると布施の駅前でキャストさんのスカウトを。

手当たり次第声を掛けてみるも応じてももらえず時間が過ぎ去っていく。

１８時ごろに代わりばんこで食事に行く。
ちなみに二両半という中華がとてもお気に入りだった。

１９時には開店なので準備もあるから時間をみて戻っていく。
日々それの繰り返し。

今、思うとそんな中でも嬉しかったことや変わったこともあった。
初めてお客さんを交渉の末お店にご案内したこと。
スカウトで体験入店だったけど入店してくれたこと。
Kさんという年上の人とルームシェアして過ごしたこと。
シェアというか彼は姫路の人で帰るのが大変だからと転がり込んできた。
１Rでよく二人でいたよなぁと今思うと気持ちが悪くなるけど笑、
その人から色々と教わったことも多い。

キャッチでも抜群の成績だった。すごいと憧れていて、どうして値引きもせずに案内できるのか？
と質問して教わった。
１番は、「人をよく見る。」
この人はお店に行く客なのか、冷やかしなのか。
それがわかるらしい。
なぜだか、いつも冷静で落ち着いていて自信に満ちた交渉をいつもしていた。

仕事では憧れたが、私生活がとてもだらしなくて。
グリーンラベルの５００が大好きでしこたま飲むし、ズブロッカとジャックダニエルを常に冷凍庫に入れ、「ウイスキーは凍らんのやで。」と教えてくれたが酒をほとんど飲まなかった僕には美味しさがわからなかった。
シャワーも浴びずに寝るなんていつもだし、タバコ咥えたまま寝るし。。。
危なくて仕方ないけど、Kさんにはとても男らしさを感じた。

僕のことは話していたので、辞めたいということも知っていた。
僕はひたすら愚痴を言うばかりだった。本当に申し訳なかった。

現状を変えたくても変えれない。
そろそろ辞めさせてほしい
などまた殴られるのが嫌だから怖くて言えなかった。
きっと言っても変わらない。そうも決めつけていた。

どうしたら辞めれるか。無事に円満に逃げれるか。
そう考える日々が続くだけで何も変わらない毎日。

１６時からタイムカードを切るが、準備とスカウトは無給のため、１９時から給料がもらえる。深夜も閉店作業を終え、タイムカードを切るが実際に時給が発生している時間は０時までだった。
まったくもって意味がわからない。社員のようにフルで働いてるのにもらった給料明細で驚愕したものだった。
なぜ？と聞いたけど、適当な回答を掘り下げるのが怖くて受け入れてしまった僕も僕だ。
計算すると時給５００円ほどだった。

立ち仕事でこんなにきついのに５００円だと？
ふざけんじゃねぇ。

時給１０００円はどこ行ったのか？
身体的にきつい
精神的にきつい
給料的にきつい　の【３Ｋ】

世の中はこんなに厳しいのか。

なんとしてでも逃げる。（飛ばずに）

辛抱しながらも腐った顔するのはやめて、例え仕事出来なくても頑張る若者を演じながら一生懸命働いた。
相変わらず交渉は上手ではないけど、道行く人に話しかけたりするのは抵抗がなくなっていた。店の中でもちゃんと働けるようになってきていた。

腐った顔して嘆いても状況は変わらない。
周りを不快にさせて苛立たせてしまうだけ。
自分が招いてしまったこととは言え、円満にここから逃げるためにどうすればいいか考えてやるしかなかった。
若かったから出来たとしか思えないが、ただ円満に辞めたいというだけで時給５００円足らずでそこまで頑張る必要があったかどうかは今思うと謎だし、笑えてくる。

６月の終わりになる頃、突然父親に癌が発覚した。
家が大変なので大阪から実家に帰りたいのでお店をやめさせてほしい。と店長に伝えた。

なんと、それが通ったのだ。
一時的とは言え、しばらく実家に帰るのは間違いないので嘘ではない。
７月末でやっと終わる。。。

気持ちを入れ替えて２ヶ月間真面目にやっていたからか伝わったんだとかは思わない。
やっとこの理不尽な場所から出られる。
それだけで十分だった。

あと、１ヶ月何も起こらないように。
ただ安全に真面目に仕事する。
もうすぐ終わるんだ。

少し心に穏やかさが戻り始めていた。

続く。

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明日、月曜日はきみーです！